2016年10月6日 ブラジル地方選挙で連立与党が躍進 ブラジル地方選挙では連立与党のPMDBとPSDBが躍進。一方、汚職問題などを受けてPTの影響力低下が顕著。 テメル大統領を擁するPMDBは当選市長数で最大政党となり、PSDBは2012年選挙から大幅に当選市長数を伸ばす。 サンパウロ市長選挙では、新人候補のドリア氏(PSDB)が歴史的勝利。同党のアルキミン州知事がドリア氏を支援。 連立与党躍進はテメル政権の経済改革の追い風に。2018年大統領選挙に向けPSDBの影響力が増す可能性。 図1:ブラジル市長選挙の当選市長数 (主要3政党) ブラジル市長選挙で連立与党が躍進 10月2日に実施されたブラジルの地方選挙(市長・市議 主な政治家 会選挙)では、連立与党のブラジル民主運動党(PMDB)と 1,015 2012年 ブラジル社会民主党(PSDB)が躍進した一方、弾劾裁判 テメル大統領 で罷免判決を受けたルセフ前大統領を擁する労働者党 ブラジル民主運動党 (PMDB) +13 1,028 2016年 (PT)の影響力低下が顕著となりました。 連立関係 市長選挙における政党別の当選市長数を見ると、テメ ル大統領を擁するPMDBは1,028名と、2012年選挙から 微増ながら当選市長数では最多の政党となりました(図1)。 ネベスPSDB党首 686 +107 ブラジル社会民主党 アルキミン (PSDB) サンパウロ州知事 793 セーラ外相 また、PMDBと連立関係にあるPSDBは2012年選挙から大 幅に当選市長数を伸ばし(+107名)、支持基盤を拡大さ せました。一方、PTはルセフ前大統領の弾劾裁判や同党 ルセフ前大統領 幹部に関連した汚職捜査などが影響し、2012年の630名 ルーラ元大統領 630 労働者党 (PT) 256 から256名へ大幅に市長ポストを失うこととなりました。 サンパウロ市ではドリア氏(PSDB)が歴史的勝利 ブラジル最大都市のサンパウロ市長選挙では、新人候 補のジョアン・ドリア氏(PSDB)が53.29%と過半数を上回 0 1,000 1,500 (名) (出所)ブラジル大手メディアGlobo (注)2016年は第一回投票時点の当選市長数。第一回投票で過半 数の得票を獲得した当選者が出なかった都市(55都市)は、10月 30日に決選投票が行われる。 る得票数を獲得し、当選を決めました(図2)。サンパウロ 市長選で第一回投票で当選が確定したのは、現行の選 500 -374 図2:ブラジル2大都市の市長選挙結果 【サンパウロ市】 挙制度が始まった1992年以来で初となります。当初、ドリ 候補者 ア氏の支持率は他党の候補に比べ出遅れていたものの、 サンパウロ州知事であるPSDBのジェラルド・アルキミン氏の 1 ジョアン・ ドリア氏 支援などを受けて、支持を大きく拡大させた模様です。 2 フェルナンド・ハダジ氏(現職) 地方選での連立与党躍進は経済改革の追い風に 3 セルロ・ルッソマノ氏 今回の地方選挙における連立与党の躍進は、テメル政 PSDB 得票率 5 3 .2 9 % 結果 当選 PT 16.70% - PRB 13.64% - 【リオ・デジャネイロ市】 権が進める経済改革への追い風となると期待されます。ま た、2018年の大統領選挙に向けては、今回の市長選挙 政党 候補者 政党 得票率 結果 1 マルセロ・ クリヴェラ氏 PRB 2 7 .7 8 % 決選投票 が高いとみられます。特に、サンパウロ市でのドリア氏の歴 2 マルセロ・ フレイショ氏 PSOL 1 8 .2 6 % 決選投票 史的勝利を受けて、アルキミン州知事がPSDBの有力な 3 ペドロ・パウロ氏 PMDB で大きくポストを拡大させたPSDBの影響力が増す可能性 大統領選候補として浮上しつつあります。 16.12% - (出所)各種報道 (注)第一回投票の結果。 ●当資料は、説明資料としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」)が作成した資料です。●当資料は、当社が各種 データに基づいて作成したものですが、その情報の確実性、完結性を保証するものではありません。●当資料に記載された過去の成績は、 将来の成績を予測あるいは保証するものではありません。また記載されている見解、目標等は、将来の成果を保証するものではなく、また予 告なく変更されることがあります。●この書面及びここに記載された情報・商品に関する権利は当社に帰属します。したがって、当社の書面に よる同意なくして、その全部もしくは一部を複製し又その他の方法で配布することはご遠慮ください。●当資料は情報提供を目的としてのみ作 成されたもので、証券の売買の勧誘を目的としたものではありません。 1
© Copyright 2024 ExpyDoc