2016年7月5日 投資情報室 (審査確認番号H28-TB75) 新興国レポート オーストラリア経済とリート市場の動向について ブラジル中銀のインフレ・レポートとレアル相場の動向 ブラジル中銀は新総裁体制での金融政策方針を示す。インフレ抑制のため、早期の利下げに否定的な見解を表明。 総裁は「利下げの実施前には財政収支の改善が必要」と言及。財政健全化策の進展が今後の利下げの条件に。 英国の国民投票後も、レアル相場は底堅く推移。英国のEU離脱によるブラジルへの直接的影響は限定的とみられる。 インドが追加利下げ 今年4回目 ブラジル中銀による当面の政策金利の据え置き観測や、消極的な為替介入姿勢もレアル相場の下支え要因に。 中銀は新総裁体制での金融政策の方針を示す 図1:ブラジル中銀の政策金利とインフレ率 ブラジル中銀は6月28日、ゴールドファイン総裁就任後初と (%) なる「四半期インフレ・レポート」を公表しました。同レポート 16 で中銀は、①インフレ率を2017年の目標(4.5%)に収れん 14 させるためには金融緩和の余地はない、②今後のインフレ 見通し改善は(財政政策などの)政策調整次第である、と の金融政策の方針を示しました(図1)。 財政健全化の進展が利下げ実施の条件に ゴールドファイン総裁はインフレ・レポート公表の記者会見 ブラジル中銀 政策金利 14.25% ブラジル中銀 インフレ見通し(基準シナリオ) (2016年6月時点) 12 10 インフレ率 (IPCA、前年比) 8 上限 6.5% 6.0% 6 で、早期の利下げ観測をけん制し、「利下げを実施する前 には財政収支の改善が必要」との見解を示しました。 4 現在、テメル暫定政権は歳出抑制法案などの議会審議 2 を進めており、今後、2016年下半期にかけて財政健全化 0 策に進展がみられれば、2016年末以降、ブラジル中銀の 利下げ余地が生まれると考えられます。 英国の国民投票後もレアル相場は底堅く推移 インフレ目標(中心=4.5%) 13 14 17 (円) (年) 18 (レアル) 2.5 50 高が進んだほか、対円相場でもレアルは底堅い推移が続 2016年6月24日 英国民投票でEU離脱派勝利 45 3.0 2016年5月12日 テメル暫定政権発足 この背景には、①英EU離脱のブラジルへの直接的影響は 限定的とみられること、②ブラジル中銀が政策金利を高水 16 図2:ブラジル・レアル相場の推移 場の上昇傾向が続いています。レアルの対米ドル相場は6 いています(図2)。 15 (出所)ブラジル中銀、ブラジル地理統計院(IBGE) (期間)政策金利:2013年1月1日~2016年6月30日 拡大消費者物価指数(IPCA):2013年1月~2016年5月 (注)基準シナリオは政策金利を14.25%で据え置きと仮定した見通し。 英国民投票での欧州連合(EU)離脱決定後も、レアル相 月30日には一時1米ドル=3.2レアルを上回る水準へレアル 3.0% 下限 2.5% 40 3.5 対米ドル相場(右軸) 準で維持する公算が増していること、③中銀が為替介入 に消極的な姿勢を示していること、などが挙げられます。 ただ、ブラジル中銀は7月1日に5月18日以来となるリバー ス通貨スワップ入札を予定するなど、レアル相場の過度な 変動には為替介入を実施する姿勢も示しています。来週 以降は、2017年の政府の財政目標の公表など、財政政 策の動向にも注目が集まりそうです。 35 4.0 レアル高 30 4.5 レアル安 25 15年7月 対円相場(左軸) 15年10月 16年1月 16年4月 5.0 16年7月 (出所)ブルームバーグ (期間)2015年7月1日~2016年6月30日 ●当資料は、市場環境に関する情報の提供を目的としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメントの情報を基に、ニッセイアセットマネジメントが作成したものであり、特定の有価証券等 の勧誘を目的とするものではありません。実際の投資等に係る最終的な決定はご自身で判断してください。●当資料は、信頼できると考えられる情報に基づいて作成しておりますが、 情報の正確性、完全性を保証するものではありません。●当資料のグラフ・数値等はあくまでも過去の実績であり、将来の投資収益を示唆あるいは保証するものではありません。ま た税金・手数料等を考慮しておりませんので、実質的な投資成果を示すものではありません。●投資する有価証券の価格の変動等により損失を生じるおそれがあります。●手数 料や報酬等の種類ごとの金額及びその合計額については、具体的な商品を勧誘するものではないので、表示することができません。●当資料のいかなる内容も将来の市場環境の 変動等を保証するものではありません。商 号 等:ニッセイアセットマネジメント株式会社 金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第369号 加入協会:一般社団法人投資信託協会 一般社団法人日本投資顧問業協会 1/1
© Copyright 2024 ExpyDoc