2016年12月8日 豪州の7-9月期実質GDPは前期比マイナス成長 豪州の7-9月期実質GDPは前期比-0.5%(前年比+1.8%)と2011年1-3月期以来のマイナス成長。 純輸出、住宅投資、政府消費が鈍化も、民間消費などの内需が経済成長を下支え。 産業別では、鉱業が石炭生産の混乱から鈍化も、内需業種であるサービス業の底堅い成長が続く。 資源生産や住宅投資が減速から回復し、来期以降の経済成長に寄与するかが注目される。 7-9月期実質GDPは前期比-0.5%のマイナス成長 5 豪州の2016年7-9月期の実質GDPは前期比-0.5%と市場 予想(同-0.1%)を下回り、前期の+0.6%から大きく鈍化、 2011年1-3月期以来のマイナス成長となりました(図1)。前 年同期比でも+1.8%にとどまりました。 図1:豪州の実質GDP成長率 (%) 4 前年比 3 +1.8% 2 純輸出、住宅投資、政府消費が鈍化、民間消費は好調 実質GDP成長率への需要項目別の寄与度(前年比)をみる と、近年は資源の輸出拡大が経済成長に貢献してきましたが、 7-9月期は主に輸入増加や鉱山事故による石炭生産の混乱 による影響を受け、純輸出による実質GDP成長率への寄与 度は+0.7%ポイントに縮小しました(図2上段)。 総固定資本形成(設備・建設投資等)は、資源開発ブーム の一巡後の減少傾向が続いており、寄与度は-0.6%となりま した。7-9月期は悪天候が続き住宅建設に遅れが生じ、堅調 だった住宅投資が減少に転じたこともマイナスに寄与しました。 また、政府消費も4-6月期に前期比+2.0%と大幅に増加し た反動から、7-9月期には同-0.2%の減少となりました。 一方で、民間消費が安定的に経済成長を下支えする傾向 がみられます。7-9月期の民間消費は前年比+2.5%の伸び となり、実質GDP成長率に対して+1.4%ポイント寄与しました。 内需業種のサービス業が経済成長を下支え 産業別でも、内需業種であるサービス業の底堅い成長が続 いています。7-9月期はサービス業の実質GDPが前年比 +2.8%の伸びとなり、実質GDP成長率(+1.8%)のうち+1.6% ポイントがサービス業による寄与となり、経済成長のけん引役 となっています(図2下段)。 前期比 1 0 -0.5% -1 10 11 12 13 14 15 16 (年) (出所)豪州政府統計局(ABS) (期間)2010年1-3月期~2016年7-9月期 図2:豪州の実質GDP成長率の寄与度分解 6 ≪需要項目別≫ (前年比、%) 純輸出 5 在庫 4 3 政府消費 2 民間消費 1 0 総固定資本 形成 実質GDP -1 -2 -3 10 5 11 12 13 14 15 16 (年) ≪産業別≫ (前年比、%) その他 4 建設業 3 製造業 2 農林漁業 資源生産や住宅投資が一時的な減速となるか 1 鉱業 来期以降の経済成長については、高い生産能力を有する 資源生産が今期の混乱から脱し再び輸出に貢献するか、ま た、遅れている許可済みの建設プロジェクトが回復するかが注 目されそうです。 0 鉱業は石炭の一時的な生産減少等から、実質GDP成長率 に対して前年比+0.1%ポイントの寄与に縮小しました。 サービス業 実質GDP -1 10 11 12 13 14 15 16 (年) (出所)ABS (期間)2010年1-3月期~2016年7-9月期 ●当資料は、説明資料としてレッグ・メイソン・アセット・マネジメント株式会社(以下「当社」)が作成した資料です。●当資料は、当社が各種 データに基づいて作成したものですが、その情報の確実性、完結性を保証するものではありません。●当資料に記載された過去の成績は、 将来の成績を予測あるいは保証するものではありません。また記載されている見解、目標等は、将来の成果を保証するものではなく、また予 告なく変更されることがあります。●この書面及びここに記載された情報・商品に関する権利は当社に帰属します。したがって、当社の書面に よる同意なくして、その全部もしくは一部を複製し又その他の方法で配布することはご遠慮ください。●当資料は情報提供を目的としてのみ作 成されたもので、証券の売買の勧誘を目的としたものではありません。 1
© Copyright 2025 ExpyDoc