ニュージーランド準備銀行は0.25%の利下げを決定

2016年11月10日
ニュージーランド準備銀行は0.25%の利下げを決定
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ニュージーランド準備銀行(RBNZ)は、大方の市場予想通り、政策金利を1.75%へ0.25%引き下げる決定を下す。
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RBNZはインフレ率が2016年末から上昇に転じ、2018年末には前年比+2.0%へ上昇するとの予想を示す。
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RBNZ総裁は国際的な見通しの不透明感から利下げに含み持たせるも、市場予想では金利据え置き見通しが大勢。
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NZドル相場は乳製品価格の上昇に支えられ底堅く推移。乳製品総合価格指数は2014年7月以来の水準へ上昇。
図1:ニュージーランドの政策金利とインフレ率
NZ準備銀行は0.25%の利下げを決定
(%)
ニュージーランド準備銀行(RBNZ)は11月10日の政策
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決定理事会において、大方の市場予想通り、政策金利を
1.75%へ0.25%引き下げる決定を下しました。
消費者物価指数(CPI)
上昇率(前年比)
5
ニュージーランド準備銀行(RBNZ)
政策金利
3.50%
2016年7-9月期の消費者物価上昇率(CPI)は前年比
+0.4%とインフレ・ターゲットの下限を下回る推移が続いて
4
いるものの、ウィーラー総裁は声明で「2016年10-12月
3
期からインフレ率が上昇する」との見方を示しました。同日
2.50%
公表されたRBNZの四半期金融政策報告では、2018年
2
10-12月期にはインフレ率がターゲット中心値の前年比
1.75%
+2.0%へ上昇するとの予想が示されています(図1)。
RBNZ予想
1
RBNZの金融緩和サイクルが終了に向かう可能性
0
また、ウィーラー総裁は今後の政策について、「国際的
10
な見通しを中心に多くの不確実性があることから、金融政
0.4%
インフレ・ターゲット
11
12
13
14
15
16
17
18
(年)
(出所)ニュージーランド準備銀行(RBNZ)、ニュージーランド統計局
(期間)政策金利:2010年1月1日~2016年11月10日
CPI(実績):2010年1-3月~2016年7-9月
(注)RBNZのインフレ予想は2016年11月10日時点。
策で必要に応じた調整を行う可能性がある」と述べ、利下
げに含みを持たせる言及を行いました。
もっとも、今後、米大統領選挙後の次期トランプ政権の
図2:NZドル相場と乳製品価格
政策運営に関わる市場の不透明感が収束に向かい、
ニュージーランド国内のインフレが改善に向かえば、RBNZ
の金融緩和サイクルが終了に向かう可能性もあると考えら
れます。実際、ブルームバーグ集計の市場コンセンサスで
1.0
(2010年3月2日=1,000)
1,800
(米ドル)
NZドルの対米ドル相場(左軸)
1,600
0.9
は、RBNZの政策金利は2017年末まで1.75%で据え置か
1,400
0.8
れるとの予想が大勢となっています。
1,200
0.7
乳製品価格の上昇がNZドル相場を下支え
1,000
為替市場では、ニュージーランドの主要輸出品目である
0.6
800
乳製品の価格上昇が続いていることなどを背景に、NZドル
相場は米ドルに対して底堅い推移が続いています(図2)。
11月1日に実施された乳製品の国際入札では、乳製品
総合価格指数は2014年7月以来となる1,000ポイント台
の水準を回復しています。
0.5
乳製品総合価格指数
(右軸)
600
0.4
400
08
09
10
11
12
13
14
15
16
(年)
(出所)ブルームバーグ、GlobalDairyTrade
(期間)2008年1月1日~2016年11月10日(乳製品価格は11月1日時点)
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