ブラジル中銀がレアル相場下支えの為替介入を実施

2016年11月14日
ブラジル中銀がレアル相場下支えの為替介入を実施
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ブラジル中銀は、米大統領選挙後のレアル安加速を受けて、総額9.5億米ドルの通貨スワップ介入を実施。
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トランプ政権下での緩和的財政政策と金利上昇への観測が広がり、新興国通貨全般に下落圧力が高まる。
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ブラジル中銀が為替介入によるレアル相場下支えの方針を示したことで、短期的にレアル相場に安定化の兆し。
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中銀総裁は今後も為替介入実施の方針を示す。米政権の政策確定まで、レアル相場は不安定な展開が続く可能性。
ブラジル中銀はレアル買い為替介入を実施
図1：ブラジル・レアル相場（対米ドル、対円）
ブラジル中央銀行は11月11日、米大統領選挙後のレ
アル安の加速を受けて、総額9.5億米ドル規模の新規の
45
通貨スワップ介入（先物市場での米ドル売り・レアル買い
2016年5月12日
テメル暫定政権発足
介入）を実施しました。
米大統領選挙の結果を受けてレアル安が進行
（レアル）
3.0
（円）
40
3.5
対米ドル相場（右軸）
11月8日の米大統領選挙でトランプ大統領の誕生が決
定したことで、米国の緩和的な財政政策への転換と米金
35
4.0
利上昇への観測が広まり、世界的に米ドル高基調が強
まっています。こうした中、①新興国通貨全般に米ドルに
対して下落圧力が高まっていること、②ブラジルでは2016
30
4.5
レアル高
対円相場（左軸）
年5月のテメル政権発足以降、財政改革への期待から底
堅いレアル相場の推移が続いてきたことなどが、短期的な
レアル相場の調整要因となっているとみられます（図1）。
11月11日の為替市場では、一時は1米ドル＝3.5レアル
レアル安
25
15年7月
図2：ブラジル中銀の為替介入残高
（通貨スワップ介入）
介入によるレアル相場下支えのメッセージを示したことで
終値では1米ドル＝3.4レアルまで戻すなど、短期的にレア
ル相場に安定化の兆しがみられます。
（10億米ドル）
140
為替介入実施によりレアル相場に安定化の兆し
120
入残高の減少により為替介入余地が生まれており、必要
があれば今後も継続して為替介入を実施する方針を示し
ています。ルセフ政権下での積極的な為替介入により大
ルセフ政権下での
積極的な為替介入
100 （米ドル売り・レアル買い）
では241億米ドルまで削減が進んでいます（図2）。
20
開が続く可能性があります。一方、米大統領選挙に係る
不透明感が一巡に向かえば、ブラジル国内で進む財政改
2016年5月12日
テメル暫定政権発足
60
40
経済政策の骨格が明らかになるまでは、不安定な相場展
2015年3月31日
1,149億米ドル
80
幅に拡大した為替介入残高は、2016年11月11日時点
当面のレアル相場は、次期トランプ政権の主要閣僚や
16年7月
（出所）ブルームバーグ（期間）2015年7月1日～2016年11月11日
を超えるレアル安が進行したものの、ブラジル中銀が為替
ブラジル中銀のゴールドファイン総裁は、通貨スワップ介
5.0
16年1月
2016年11月11日
241億米ドル
0
-20
12
13
14
15
16
（年）
（出所）ブラジル中銀（期間）2012年1月1日～2016年11月11日
革法案の議会審議に市場の注目が移ると期待されます。
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