宅森昭吉のファンダメンタルズ 6⽉20⽇〜6⽉24⽇に発表される主要経済指標予測:暫定版 ―5⽉分貿易統計出超額は100億円程度と微妙だが若⼲の⿊字か― ―4⽉分全産業活動指数、第3次産業が堅調で、前⽉⽐+1.1%程度か― ―4⽉分景気動向指数・改定値は先⾏CI・⼀致CIとも前⽉差上昇は維持か― ―5⽉分企業向けサービス価格指数・前年同⽉⽐が35カ⽉連続上昇になるか注⽬― 5⽉分の貿易統計で、輸出額から輸⼊額を差し引いた通関収⽀差は+100億円程度と4カ⽉連続の⿊字 になると予測する。予測通りなら、前年同⽉の▲2153.50億円の⾚字から⿊字に転じることになる。なお、 5⽉上中旬分の通関収⽀差は▲5745億円で、前年同旬の▲7452億円から⾚字幅が縮⼩していた。 5⽉分の輸出額は前年同⽉⽐▲10.2%程度と8カ⽉連続の減少になると予測する。5⽉上中旬は前年 同旬⽐▲10.4%の減少だった。輸出の減少に寄与した品⽬は、⾃動⾞、鉄鋼、半導体等電⼦部品 だったと いうことだ。⼀⽅、5⽉分の輸⼊額は前年同⽉⽐▲13.6%程度の減少を予測する。17カ⽉連続の減少に なるとみた。5⽉上中旬は前年同旬⽐▲12.7%だった。5⽉上中旬分で輸⼊の減少に寄与した品⽬は、原 粗油、LNG、⽯油製品だったということだ。 5⽉上中旬分の原粗油の単価、数量、輸⼊⾦額の前年同⽉⽐をみると、単価は27,744円/klで前 年⽐▲37.0%程度の低下になった。数量は前年⽐+16.6%程度の増加、⾦額は前年⽐▲26. 6%程度の減少だ。 (次⾴へ) ◎⽶国 *6/20〜の週の主要政府⽉次統計は特になし ◎⽇本 発表⽇ 時間 指標 予想 (⽉) 貿易統計 通関収⽀差(出超額) 21(⽕) 13:30 全産業活動指数 23(⽊) 14:00 景気動向指数(改定値)先⾏CI 景気動向指数(改定値)⼀致CI 14:00 14:00 景気動向指数(改定値)先⾏DI 14:00 景気動向指数(改定値)⼀致DI 24(⾦) 8:50 企業向けサービス価格指数 8:50 企業向けサービス価格指数 ( )内は暫定予測値。後⽇変更する可能性があります。 20(⽉) 8:50 (5⽉分) (単位) 過去分 4⽉ 3⽉ 2⽉ (億円) (+100) (4⽉分) (前⽉⽐%) (+1.1) - +0.1 ▲ 0.9 (4⽉分) (前⽉差・ポイント) (+0.8) + 1.4 +0.1 ▲1.3 (4⽉分) (前⽉差・ポイント) (+1.8) + 2.0 +0.2 ▲1.8 (4⽉分) (%) (50.0) 55.6 31.8 27.3 (4⽉分) (%) (33.3) 25.0 40.0 30.0 (5⽉分) (前⽉⽐) (0.0) ▲ 0.2 + 0.6 0.0 (5⽉分) (前年同⽉⽐%) (+0.1) + 0.2 + 0.2 +0.2 4⽉:+8231.80億円、前年5⽉:▲2153.50億円 <その他指標> 6/20(⽉) QUICK短観・6⽉調査 6/21(⽕) ロイター短観・6⽉調査 本レポートは、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断に 関しましては、お客様ご自身の判断でなさるようお願い致します。 このレポートに記載された内容は今後予告なく変更されることがあります。また、SMBCフレンド証券は、このレポートに記載 された内容に関し、正確性・完全性を保証するものではありませんのでご了承ください。 4⽉分全産業活動指数の前⽉⽐は+1.1%程度と予測する。内数になる第3次産業活動指数の前⽉ ⽐が+1.4%と強かったこと、4⽉分鉱⼯業⽣産指数・速報値の前⽉⽐が+0.3%であることなどを考慮 した。 4⽉分景気動向指数・改定値では、先⾏CIに新たに加わる実質機械受注(製造業)の前⽉差寄与度 は▲0.53程度と⼤幅なマイナス寄与になると予測する。先⾏CI・改定値の前⽉差は+0.8程度と速 報値の+1.4から下⽅修正になるとみた。また、先⾏DIでは実質機械受注(製造業)の符号がマイナス 符号で加わるので、50.0%程度と速報値の55.6%から下⽅修正になると予測する。10カ⽉ぶりの景 気分岐点50%超えは⼀時的なものとなってしまおう。 改定値では⼀致CIは所定外労働時間指数が新たに加わる。所定外労働時間指数確報値が速報値と同 じ前⽉⽐+0.1%なら前⽉差+0.01程度の僅かなプラス寄与になるとみられる。⼀致CI前⽉差は+ 1.8程度と速報値の+2.0よりやや下⽅修正となろう。また、⼀致DIでは所定外労働時間指数がプラス 符号で加わることになるため、他の指標の符号が不変なら、33.3%程度と速報値の25.0%から上⽅修 正になると予測する。 5⽉分の企業向けサービス価格指数は前⽉⽐0.0%程度、前年同⽉⽐+0.1%程度と予測する。前 年同⽉⽐は4⽉分の+0.2%より鈍化するものの、35カ⽉連続上昇になるとみた。5⽉分東京都区部の消 費者物価指数では通信・教養娯楽関連サービスで前⽉⽐+0.6%の上昇となったことなどから、⼀般サービスの 前⽉⽐は+0.1%上昇した。これは5⽉分の企業向けサービス価格指数の前⽉⽐のプラス要因になると⾒た。 ⼤相撲の懸賞本数をみると、5⽉の夏場所は1,889本で前年⽐は+6.4%だった。3⽉の春場所の前 年⽐+21.7、同じ東京場所の1⽉の初場所の前年⽐+15.2%と⽐べると頭打ち感が出てきた。こうした 広告関連の⾝近な指標の動きからみて、5⽉分の広告の前年同⽉⽐は、4⽉分の同+1.0%より⼤幅に⾼め の上昇率にはならない可能性が⼤とみた。また、4⽉分速報値の現⾦給与総額の前年同⽉⽐が+0.3%で3 ⽉分の+1.5%から増加率が鈍化していることは、企業向けサービス価格指数の前年同⽉⽐の上昇抑制要因 となろう。 ⼀⽅、為替の動向をみると4⽉は前年同⽉⽐▲8.1%の円⾼・ドル安だったが、5⽉は前年同⽉⽐▲9. 6%と円⾼・ドル安⽅向への変化率が⼤きくなったので、外航貨物輸送と国際航空貨物輸送の前年同⽉⽐にとっ てやや鈍化要因になるとみた。企業向けサービス価格指数の前年同⽉⽐は2013年7⽉分から今年4⽉分ま で、86年8⽉から93年9⽉まで86カ⽉間連続で上昇した時以来22年7カ⽉ぶりに34カ⽉連続して上 昇していたが、予測通りなら5⽉分でさらに連続上昇記録を伸ばすことになろう。 (6⽉10⽇現在) 本レポートは、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断に 関しましては、お客様ご自身の判断でなさるようお願い致します。 このレポートに記載された内容は今後予告なく変更されることがあります。また、SMBCフレンド証券は、このレポートに記載 された内容に関し、正確性・完全性を保証するものではありませんのでご了承ください。
© Copyright 2024 ExpyDoc