Economic Indicators 定例経済指標レポート 発表日:2015年3月31日(火) テーマ:景気動向指数(2015年2月)の予測 ~CI一致指数が大幅低下~ 第一生命経済研究所 経済調査部 担当 主席エコノミスト 新家 義貴 TEL:03-5221-4528 内閣府から4月6日に公表される 2015 年2月の景気動向指数では、CI一致指数は前月差▲2.7 ポイント と予想する1。低下幅は大きく、1月の上昇分(+2.4 ポイント)をすべて吐き出す形である。内訳を見ると、 大半の系列でマイナス寄与であり、2月は全面的な落ち込みとなっているが、特に鉱工業生産指数や鉱工業 生産財出荷指数、投資財出荷指数、中小企業出荷指数など、生産・出荷関連指標のマイナス寄与が大きい。 2月の一致CI大幅低下は、1月の上昇からの反動の面も大きいとみられ、昨年8月をボトムとしたCI の上昇基調は崩れていないと考えられる。中華圏の春節の影響で振れが大きくなっている面もあるのかもし れない。内閣府によるCI一致指数の基調判断も、前月に続いて「改善」が維持される見込みである。 ただ、製造工業生産予測指数において3月が減産見込みとなっていることから見て、翌3月のCI一致指 数も2ヶ月連続で低下する可能性が高くなっていることは気にかかる。2月の落ち込みだけであれば特に問 題視する必要はないが、仮に3月も大きな低下となればそうも言っていられない。筆者の想定よりも年明け 以降の景気が伸び悩んでおり、やや雲行きが怪しくなってきたことは事実だろう。原油安による実質購買力 増を背景とした個人消費の緩やかな持ち直しや設備投資の増加、輸出の持ち直し等を背景に、先行きの景気 は上昇傾向で推移する可能性が高いと予想しているが、回復ペース自体は緩やかなものにとどまる可能性が でてきた。 2月のCI先行指数は前月差▲0.4 ポイントと2ヶ月連続の小幅低下を予想する。CI先行指数は昨夏以 降一進一退の推移といったところである。内訳では、消費者態度指数や東証株価指数はプラスに寄与したも のの、最終需要財在庫率指数や鉱工業生産財在庫率指数、新規求人数のマイナス寄与が大きかった。 (2010年=100) 116 CIの推移 114 CI一致指数 112 CI先行指数 110 108 106 104 102 100 98 96 10 11 12 13 14 15 (出所)内閣府「景気動向指数」 (注)直近の2015年2月は第一生命経済研究所による予測値 1 2月の毎月勤労統計が公表延期となっており、所定外労働時間については計算から除いた。 本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内 容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
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