Economic Indicators 定例経済指標レポート 発表日:2015年2月27日(金) テーマ:景気動向指数(2015年1月)の予測 ~CI一致指数は2ヶ月連続で高い伸び。基調判断は若干の上方修正か~ 第一生命経済研究所 経済調査部 担当 主席エコノミスト 新家 義貴 TEL:03-5221-4528 ○ CI一致指数は2ヶ月連続で高い伸びに 内閣府から3月6日に公表される 2015 年1月の 景気動向指数では、CI一致指数は前月差+2.6 ポ (2010年=100) 116 CIの推移 イントと予想する。14 年 12 月に前月差+1.5 ポイ 114 CI一致指数 ントと比較的高い伸びになっていたが、1月は一段 112 CI先行指数 と上昇幅が加速する見込みだ。CI一致指数は昨年 110 8月を底として持ち直しが続いているが、ここにき 108 て上昇ペースが速まっているように見える。 106 内訳では、鉱工業生産指数や耐久消費財出荷指数、 104 中小企業出荷指数、鉱工業生産財出荷指数など、生 102 産・出荷関連指標のプラス寄与が大きかった。 100 一方、1月のCI先行指数は前月差▲0.1 ポイン 98 トを予想する。日経商品指数のマイナス寄与が大き 96 10 11 12 13 14 15 く、全体を押し下げるだろう。ただ、原油価格の下 落は日本経済にとってはプラス材料であり、日経商 品指数の下落によってCI先行指数がマイナスにな (出所)内閣府「景気動向指数」 (注)直近の2015年1月は第一生命経済研究所による予測値 ったとしても、問題視する必要はない。また、他の系列では、最終需要財在庫率指数や鉱工業生産財在庫率 指数などのプラス寄与が見込まれ、在庫調整の進捗が示されるだろう。表面上の数字はマイナスかもしれな いが、内容は良好である。 ○ 基調判断は「改善」維持の見込み。但し書きは削除され、若干の基調判断上方修正か 内閣府によるCI一致指数の基調判断は、14 年 11 月までの「下方への局面変化」から、12 月には「改善」 へと上方修正されていた。15 年1月も、この「改善」判断が維持されるだろう。なお、内閣府による「改善」 の定義は「景気拡張の可能性が高いことを示す」であり、景気が既に底打ちし、足元では景気回復局面に転 じていることが強く示唆されている。 なお、14 年 12 月の基調判断では、「改善」の後に「ただし、基調判断に用いている3か月後方移動平均 のこのところの変化幅は、大きいものではない」という但し書きがついていた。15 年1月のCI一致指数の 上昇幅が大きいことを踏まえると、但し書きは今回削除され、単なる「改善」という判断になる可能性が高 い。一応、基調判断としては若干の上方修正という扱いになるだろう。 本資料は情報提供を目的として作成されたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。作成時点で、第一生命経済研究所経済調査部が信ずるに足る と判断した情報に基づき作成していますが、その正確性、完全性に対する責任は負いません。見通しは予告なく変更されることがあります。また、記載された内 容は、第一生命ないしはその関連会社の投資方針と常に整合的であるとは限りません。
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