宅森昭吉のファンダメンタルズ 6⽉6⽇〜6⽉10⽇に発表される主要経済指標予測:暫定版 ―4⽉分景気動向指数・速報値では、⼀致CIの前⽉差が熊本地震の影響で下降に― ―4⽉分経常収⽀は3カ⽉連続で、2兆円台の⿊字か― ―4⽉分機械受注前⽉⽐はキャンセル分も計上され⼤幅な減少率か― ―5⽉分マネーストック・前年同⽉⽐は4⽉分と同程度にとどまるか― ―5⽉分国内企業物価指数・前年同⽉⽐は14カ⽉連続して低下に― 4⽉分の景気動向指数・速報値では、先⾏CIが前⽉差+0.6程度と2カ⽉連続の上昇になると超暫定 的に予測する。先⾏き景気が上向くことを⽰唆する数字になるだろう。但し、実質機械受注が加わる改定値段階で は熊本地震の影響で下⽅修正が予想される。速報値からデータが利⽤可能な9系列で、5⽉26⽇時点で数値 が判明しているのは、消費者態度指数、⽇経商品指数、マネーストック、東証株価指数、中⼩企業売上げ⾒通し DIの5系列で、⽇経商品指数、マネーストック、中⼩企業売上げ⾒通しDIの3系列が前⽉差プラス寄与に、 消費者態度指数、東証株価指数の2系列が前⽉差マイナス寄与になることが判明している。残る4系列のうち、 最終需要財在庫率指数、新規求⼈数の2系列が前⽉差プラス寄与に、鉱⼯業⽣産財在庫率指数、新設住宅 着⼯床⾯積の2系列が前⽉差マイナス寄与になると超暫定的に予測した。 (次⾴へ) ◎⽶国 主要経済指標の発表は特になし ◎⽇本 発表⽇ 時間 指標 景気動向指数(速報値)先⾏CI 14:00 景気動向指数(速報値)⼀致CI 14:00 景気動向指数(速報値)先⾏DI 14:00 景気動向指数(速報値)⼀致DI 8(⽔) 8:50 実質GDP 第2次速報値 8:50 経常収⽀ 9(⽊) 8:50 機械受注 (船舶電⼒除く⺠需) 8:50 機械受注 (船舶電⼒除く⺠需) 8:50 マネーストック M2 8:50 マネーストック M3 8:50 マネーストック 広義流動性 10(⾦) 8:50 国内企業物価指数 8:50 国内企業物価指数 13:30 第3次産業活動指数 ( )内は暫定予測値。後⽇変更する可能性があります。 7(⽕) 14:00 予想 (⽉) (単位) (4⽉分) (前⽉差・ポイント) (+0.6) (4⽉分) (前⽉差・ポイント) (4⽉分) (%) (4⽉分) (%) 1〜3⽉期 (前期⽐年率%) 過去分 4⽉ 3⽉ 2⽉ - +0.4 ▲1.6 (▲0.4) - +0.4 ▲1.6 (55.6) - 35.0 30.0 (25.0) - 44.4 33.3 (―) 1-3⽉+1.7%、10-12⽉▲1.7% (4⽉分) (億円) (24,000) 3⽉29,804、前年4⽉13,259 (4⽉分) (前⽉⽐%) (▲10.8) - +5.5 (4⽉分) (前年同⽉⽐%) (▲8.7) - +3.2 ▲0.7 (5⽉分) (前年同⽉⽐%) (+3.3) +3.3 +3.2 +3.2 (5⽉分) (前年同⽉⽐%) (+2.7) +2.7 +2.6 +2.6 (5⽉分) (前年同⽉⽐%) (+2.6) +2.7 +3.2 +3.6 (5⽉分) (前⽉⽐%) (▲0.1) ▲0.3 ▲0.1 ▲0.3 (5⽉分) (前年同⽉⽐%) (▲4.4) ▲4.2 ▲3.8 ▲3.4 (4⽉分) (前⽉⽐%) (+0.2) - ▲0.7 +0.2 ▲9.2 <その他指標> 6/8(⽔) 景気ウォッチャー調査5⽉調査 本レポートは、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断に 関しましては、お客様ご自身の判断でなさるようお願い致します。 このレポートに記載された内容は今後予告なく変更されることがあります。また、SMBCフレンド証券は、このレポートに記載 された内容に関し、正確性・完全性を保証するものではありませんのでご了承ください。 4⽉分の⼀致CIは前⽉差▲0.4程度と2カ⽉ぶりの下降になると超暫定的に予測する。速報値からデー タが利⽤可能な8系列で、耐久消費財出荷指数、商業販売額指数・⼩売業、商業販売額指数・卸売業の3系 列が前⽉差プラス寄与に、⽣産指数、鉱⼯業⽣産財出荷指数、投資財出荷指数、中⼩企業出荷指数、有効求 ⼈倍率の5系列が前⽉差マイナス寄与になると超暫定的に予測した。 ⼀致CIを使った景気の基調判断は4⽉分でも、景気拡張の動きが⾜踏み状態になっている可能性が⾼いこと を⽰す「⾜踏み」の判断が継続しそうだ。基調判断が景気拡張の可能性が⾼いことを⽰す「改善」に戻るには、「当 ⽉の前⽉差の符号がプラス。かつ原則として3カ⽉以上連続して3カ⽉後⽅移動平均が上昇する」ことが必要だ。 しかし、4⽉分では前⽉差の符号がマイナス。⼀致CIの3カ⽉後⽅移動平均前⽉差も3⽉分の上昇から下降 に転じるとみられる。 ⼀⽅、景気の基調判断が「下⽅への局⾯変化」に悪化するには、「当⽉の前⽉差の符号がマイナス。かつ7カ⽉ 後⽅移動平均(前⽉差)の符号がマイナスに変化し、マイナス幅(1カ⽉、2カ⽉、または3カ⽉の累積)が1 標準偏差分(0.84)以上」であることが必要だ。4⽉分の⼀致CIの7カ⽉後⽅移動平均の各種の前⽉ 差累計はどれもそこまで⼤幅なマイナスにならず、条件を満たさないだろう。 4⽉分の先⾏DIは55.6%程度と10カ⽉ぶりに景気判断の分岐点の50%を僅かに上回ると超暫定 的に予測する。速報値からデータが利⽤可能な9系列中、5⽉26⽇時点で数値が判明しているのは5系列で、 そのうち⽇経商品指数、マネーストックの2系列がプラス符号に、消費者態度指数、東証株価指数、中⼩企業売 上げ⾒通しDIの3系列がマイナス符号になることが判明している。先⾏DIは22.2%以上66.7%以 下が既に確定している。残る4系列では、最終需要財在庫率指数、新規求⼈数、新設住宅着⼯床⾯積の3系 列がプラス符号に、鉱⼯業⽣産財在庫率指数1系列がマイナス符号になると超暫定的に予測する。 4⽉分の⼀致DIは25.0%と5カ⽉連続して景気判断の分岐点の50%を下回る数字になると超暫定 的に予測する。景気のもたつきを⽰唆する内容になろう。速報値からデータが利⽤可能な8系列で、商業販売額指 数・卸売業、有効求⼈倍率の2系列がプラス符号に、⽣産指数、鉱⼯業⽣産財出荷指数、耐久消費財出荷指 数、投資財出荷指数、商業販売額指数・⼩売業、中⼩企業出荷指数の6系列がマイナス符号になると超暫定 的に予測する。 なお、5⽉31⽇発表の4⽉分鉱⼯業⽣産指数に関するレポートの中で、更新版の景気動向指数の予測値 を発表する予定である。 6⽉8⽇発表の1〜3⽉期実質GDP第2次速報値は6⽉1⽇発表の1〜3⽉期法⼈企業統計を待っ て、予測値を出す予定である。 (次⾴へ) 本レポートは、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断に 関しましては、お客様ご自身の判断でなさるようお願い致します。 このレポートに記載された内容は今後予告なく変更されることがあります。また、SMBCフレンド証券は、このレポートに記載 された内容に関し、正確性・完全性を保証するものではありませんのでご了承ください。 4⽉分の経常収⽀は2兆4000億円程度の⿊字と予測した。22カ⽉連続の⿊字になろう。前年4⽉分 の1兆3259億円から⿊字幅が拡⼤しよう。前年同⽉⽐は+81.9%程度とみた。貿易収⽀は6557 億円程度と3カ⽉連続の⿊字になろう。前年4⽉分は▲1320億円の⾚字だった。輸出の前年同⽉⽐は▲1 1.6%程度とみた。8カ⽉連続の減少になろう。⼀⽅、輸⼊の前年同⽉⽐は▲23.7%程度とみた。16 カ⽉連続の減少になろう。サービス収⽀は▲1595億円程度の⾚字で前年同⽉⽐は▲70.0%程度とみた。 貿易・サービス収⽀は4962億円程度と3カ⽉連続の⿊字になろう。前年4⽉分は▲6636億円の⾚字だ った。第⼀次所得収⽀は2兆0625億円程度の⿊字で、前年同⽉⽐▲6.0%程度と予測した。貿易・サー ビス収⽀と第⼀次所得収⽀が⿊字なので、経常収⽀は3カ⽉連続2兆円台の⿊字になるとみた。 4⽉分機械受注(除く船舶電⼒の⺠需ベース、以下除船電⺠需)の前⽉⽐は▲10.8%程度と熊本地 震の影響もあり2カ⽉ぶりの減少になると予測する。機械受注(除船電⺠需)の前年同⽉⽐は4⽉分では▲8. 7%程度と2カ⽉ぶりの減少になるとみた。なお、機械受注は、キャンセルが判明するとその⽉に計上される統計であ ることに留意が必要だ。3⽉末時点の情報に基づく4〜6⽉期の機械受注(除船電⺠需)⾒通しは前期⽐▲ 3.5%だが、4⽉分が予測通りなら、4〜6⽉期の実績は下振れる可能性が⼤きくなろう。関連データの⼯作 機械受注・内需・前年同⽉⽐は、3⽉分の▲7.8%の減少から4⽉分速報値では▲19.7%の減少へと、 11.9ポイントも悪化していることなどを考慮した。 5⽉分のマネーストック「M2」平残・前年同⽉⽐は+3.3%程度と4⽉分の+3.3%と同程度の伸び 率になると暫定的に予測する。実績が予測値より上振れる確率より、下振れる確率の⽅が⼤きそうだ。主要銀⾏貸 出動向アンケート調査によれば、4⽉調査の資⾦需要判断DIは+5で1⽉調査の+8から3ポイント低下した。 地公体等向け同DIは4⽉調査が0で1⽉調査の+3からこちらも3ポイント低下した。⼀⽅、個⼈向け同D Iは4⽉調査が+9で1⽉調査の▲1から10ポイント上昇した。マイナス⾦利政策導⼊後、借り替えを中⼼に 住宅ローン関連の資⾦需要が増えたようだ。貸出の伸びはプラス・マイナス両⽅向の変化が⾒られ、「M2」全体に 与える影響は相殺されそうだ。04年4⽉にマネーストック統計となってから史上最⾼だった13年11⽉分の同+ 4.4%の伸び率との差は1.1ポイント程度であろう。15年5⽉分の「M2」前⽉⽐年率は+7.0%、1 6年4⽉分は同+4.7%だった。 5⽉分の「M3」平残・前年同⽉⽐は+2.7%程度と4⽉分の+2.7%と同程度の伸び率になると暫定 的に予測する。マネーストック統計となってから史上最⾼だった13年11⽉分・14年1⽉分の同+3.5%の 伸び率との差は0.8ポイント程度になろう。15年5⽉分の「M3」前⽉⽐年率は+4.6%、16年4⽉ 分は同+3.9%だった。 (次⾴へ) 本レポートは、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断に 関しましては、お客様ご自身の判断でなさるようお願い致します。 このレポートに記載された内容は今後予告なく変更されることがあります。また、SMBCフレンド証券は、このレポートに記載 された内容に関し、正確性・完全性を保証するものではありませんのでご了承ください。 5⽉分の「広義流動性」平残・前年同⽉⽐は+2.6%程度と4⽉分の+2.7%から伸び率が鈍化すると 暫定的に予測する。マネーストック統計となってから史上最⾼だった15年8⽉分の+4.7%の伸び率との差は 2.1ポイント程度に拡⼤しよう。15年5⽉分の「広義流動性」の前⽉⽐年率は+5.7%、16年4⽉分 は同▲1.2%であった。また、5⽉は25⽇までの上中旬平均のドル円レートの前年5⽉分⽐は▲9.8% 程度と、4⽉分の▲8.1%から若⼲円⾼⽅向への変化になるとみる。5⽉分では為替は「広義流動性」の前年 同⽉⽐の僅かな低下要因になりそうだ。 5⽉分国内企業物価指数の前⽉⽐は▲0.1%程度とみた。前年同⽉⽐は▲4.4%程度と4⽉分の同 ▲4.2%から下落率はやや拡⼤するとみた。前年同⽉⽐は14カ⽉連続の低下になると予測する。関連指標で ある⽇経商品指数17種は5⽉25⽇が121.714で、4⽉末の122.782に⽐べ▲0.9%程 度下落していることなどを参考に判断した。 4⽉分の第3次産業活動指数は3⽉分が前⽉⽐▲0.7%であった反動から+0.2%程度のプラスの伸 び率を超暫定的に予測する。5⽉30⽇に発表される商業動態統計などの関連指標を待って更新版予測値を出 す予定である。 (5⽉26⽇現在) 本レポートは、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断に 関しましては、お客様ご自身の判断でなさるようお願い致します。 このレポートに記載された内容は今後予告なく変更されることがあります。また、SMBCフレンド証券は、このレポートに記載 された内容に関し、正確性・完全性を保証するものではありませんのでご了承ください。
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