ポーランド・マクロ経済情勢

ポーランド・マクロ経済情勢
1 経済は堅調
2016年10月
在ポーランド日本国大使館
経 済 班
ポイント
2015年のGDP成長率は3.6%、2016年第2四半期のGDP成長率は3.1%で、3%台の堅調な経済成長が概ね
維持されている。2016年7月は14億ズロチの貿易赤字。政策金利は史上最低の1.5%を維持している。
2 生産は回復、景況感は横ばい
8月の鉱工業生産は前年同月比7.5%増で、7月の前年同月比3.4%減から上昇した。8月の新規受注は、前年同月比1
9.7%増で、7月の前年同月比0.4%増から急激に上昇した。9月の購買担当者景況指数(PMI)は52.2ポイントで、
8月の51.5ポイントから0.7ポイント増加した。
3 消費は上昇、物価は引き続き下落傾向
8月の小売販売は、実質で前年同月比7.8%増。8月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比0.8%減、前月比
0.1ポイント増で、中央銀行のインフレ目標値2.5±1%の下限を44か月連続で下回っている。8月のコア・インフレ率
は0.4%減で、前月と同水準となった。
4 失業率は改善基調を維持
8月の失業率は8.5%で、7月の8.6%から更に改善した。9月の倒産件数は86で8月の68件から悪化した。8月の
平均賃金上昇率は前年同月比4.7%増となり、インフレ率の-0.8%を大きく上回っている。
GDP成長率は2013年第1四半期から回復し始め、2014年以降は
3%台で安定して推移。2015年は3.6%。
鉱工業生産は2014年後半から増加傾向で、8月は前年同月比7.
5%増。新規受注は前年同月比19.7%増、前月比19.3ポイント増。
小売販売は2015年4月に前年同月比1.5%までに下がった後回
復、 8月は前年同月比で実質ベースで7.8%増となり、前月比では
3.4ポイントの上昇。
失業率は長年悪化傾向にあったものの、2014年から大きく改善して
いる。8月は前月の8.6%から8.5%に改善した。平均賃金上昇率
は、前年同月比で4.7%増。
消費者物価指数(CPI)は、2013年2月より中央銀行のインフレ目
標範囲(2.5±1%)を下回っている。8月は前年同月比0.8%減、
前月比0.1ポイント増で、依然として低インフレ状態が続いている。
政策金利は、2012年11月から段階的な利下げを実施し、3月に史
上最低金利を更新する1.5%まで利下げし、10月に入ってもこの金
利を維持している。
為替は、9月平均では対日本円で3.78ズロチ(100円)。 対ユーロ
では4.20ズロチ、対ドルでは3.86ズロチ。
貿易収支は2015年1月から増加傾向にあり、7月の輸出は594億ズ
ロチ(6月は670億ズロチ)、輸入は608億ズロチ(同652億ズロチ)
で14億ズロチの貿易赤字。