ポーランド・マクロ経済情勢 1 経済は堅調 2016年7月 在ポーランド日本国大使館 経 済 班 ポイント 2015年のGDP成長率は3.6%、2016年第1四半期のGDP成長率は2.6%で、3%台前後の堅調な経済成長が 概ね維持されている。2016年4月は22億ズロチの貿易黒字。政策金利は史上最低の1.5%を維持している。 2 生産、景況感とも悪化 5月の鉱工業生産は前年同月比3.5%増で、4月の前年同月比6.0%増から減少。5月の新規受注は、前月からほぼ横ば いの29.0%増になった。6月の購買担当者景況指数(PMI)は51.80ポイントで、5月の52.11ポイントから1. 31ポイント低下した。 3 消費は減少、物価は引き続き下落傾向 5月の小売販売は、実質で前年同月比4.3%増。5月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比0.9%減、前月比 0.2ポイント減で、中央銀行のインフレ目標値2.5±1%の下限を41か月連続で下回っている。5月のコア・インフレ率 は0.4%減で、前月と同水準になった。 4 失業率は改善基調を維持 5月の失業率は9.1%で、4月の9.5%から改善した。6月の倒産件数は60件で5月の63件から改善した。5月の平 均賃金上昇率は前年同月比4.1%増となり、インフレ率の-0.9%を大きく上回っている。 GDP成長率は2013年第1四半期から回復し始め、2014年以降は 3%台で安定して推移。2015年は3.6%。 鉱工業生産は2014年後半から増加傾向で、5月は前年同月比3. 5%増。新規受注は前年同月比29.0%増、前月比0.5ポイント減。 小売販売は2015年4月に前年同月比1.5%までに下がった後回 復、 5月は前年同月比で実質ベースで4.3%増となり、前月比では 1.2ポイントの減少。 失業率は長年悪化傾向にあったものの、2014年から大きく改善され ている。5月は前月の9.5%から9.1%に改善した。平均賃金上昇 率は、前年同月比で4.1%増。 消費者物価指数(CPI)は、2013年2月より中央銀行のインフレ目 標範囲(2.5±1%)を下回っている。5月は前年同月比0.9%減、 前月比0.2ポイント減で、依然として低インフレ状態が続いている。 政策金利は、2012年11月から段階的な利下げを実施し、3月に史 上最低金利を更新する1.5%まで利下げし、7月に入ってもこの金利 を維持している。 為替は、6月平均では対日本円で3.72ズロチ(100円)。 対ユーロ では4.40ズロチ、対ドルでは3.92ズロチ。 貿易収支は2015年1月から増加傾向にあり、4月の輸出は652億ズ ロチ(3月は662億ズロチ)、輸入は630億ズロチ(同653億ズロチ) で22億ズロチの貿易黒字。
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