ポーランド・マクロ経済情勢

ポーランド・マクロ経済情勢
1 経済成長率は縮小傾向
2017年2月
在ポーランド日本国大使館
経 済 班
ポイント
2016年のGDP成長率は2.8%(推計)、2016年第3四半期のGDP成長率は2.2%で、経済は安定しているも
のの成長率は縮小している。2016年11月は4億ズロチの貿易黒字。政策金利は史上最低の1.5%を維持している。
2 生産は加速、景況感は回復
12月の鉱工業生産は前年同月比2.3%増で、11月の前年同月比3.3%増から減少した。12月の新規受注は、前年同
月比53.0%増で、11月の前年同月比17.3%増から急に上昇した。1月の購買担当者景況指数(PMI)は54.8ポ
イントで、12月の54.3ポイントから0.5ポイント回復した。
3 消費は増加、物価は上昇へ
12月の小売販売は、実質で前年同月比6.1%増。12月の消費者物価指数(CPI)は、対前年同月比0.8%、対前月
比0.8ポイント増で、中央銀行のインフレ目標値2.5±1%の下限を48か月連続で下回っている。12月のコア・インフ
レ率は0.0%、前月の0.1%減からわずかに上昇した。
4 失業率は改善基調
12月の失業率は8.3%で、11月の8.2%から上昇した。12月の倒産件数は77件で11月の73件から悪化した。
12月の平均賃金上昇率は対前年同月比2.7%増となり、インフレ率の0.8%を大きく上回っている。
GDP成長率は2013年第1四半期から回復し始め、2014年以降は
3%台で安定して推移。2016年は2.8%。
12月は鉱工業生産が回復して、前年同月比2.3%増で、新規受注
は前年同月比53.0%増、前月比35.7ポイントの上昇。
小売販売は2015年4月に前年同月比1.5%までに下がった後回
復、 12月は前年同月比で実質ベースで6.1%増となり、前月比で
は1.3ポイントの減少。
失業率は長年悪化傾向にあったものの、2014年から大きく改善して
いる。12月は8.3%で、11月の8.2%から上昇した。平均賃金上昇
率は、対前年同月比で2.7%増。
消費者物価指数(CPI)は、2013年2月より中央銀行のインフレ目
標範囲(2.5±1%)を下回っている。12月は前年同月比0.8%、
前月比0.8ポイント増で、インフレへ転換する見込みである。
政策金利は、2012年11月から段階的な利下げを実施し、3月に史
上最低金利を更新する1.5%まで利下げし、2月に入ってもこの金利
を維持している。
為替は、1月平均では対日本円で3.58ズロチ(100円)。 対ユーロ
では4.37ズロチ、対ドルでは4.11ズロチ。
貿易収支、11月は輸出は699億ズロチ(10月は655億ズロチ)、輸
入は695億ズロチ(同654億ズロチ)で4億ズロチの貿易黒字となった。