ポーランド・マクロ経済情勢

ポーランド・マクロ経済情勢
1 経済は堅調
2016年6月
在ポーランド日本国大使館
経 済 班
ポイント
2015年のGDP成長率は3.6%で、2014年から0.3ポイント上昇し、3%台の堅調な経済成長が維持されている。
2016年2月は9億ズロチの貿易黒字。政策金利は史上最低の1.5%を維持している。
2 生産、景況感とも回復
4月の鉱工業生産は前年同月比6.0%増で、3月の前年同月比0.5%増から増加。4月の新規受注は、前年同月比29.
5%増で3月の17.5%増から更に上昇した。5月の購買担当者景況指数(PMI)は52.1ポイントで、4月の51ポイ
ントから改善した。
3 消費は上昇、物価は引き続く下落傾向
4月の小売販売は、実質で前年同月比5.5%増。3月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比1.1%減、前月比
0.2ポイント増で、中央銀行のインフレ目標値2.5±1%の下限を39か月連続で下回っている。4月のコア・インフレ率
は0.4%減で、前月比0.2ポイント上昇した。
4 失業率は改善基調を維持
4月の失業率は9.5%で、3月の10.0%から減少した。3月の倒産件数は68件で2月の54件から上昇。4月の平均
賃金上昇率は前年同月比で4.6%増となり、インフレ率の-1.1%を大きく上回っている。
GDP成長率は2013年第1四半期から回復し始め、2014年以降は
3%台で安定して推移。2015年は3.6%。
鉱工業生産は2014年後半から増加傾向で、4月は前年同月比6.
0%増。新規受注は前年同月比29.5%増、前月比12ポイント増。
小売販売は2015年4月に前年同月比1.5%に下がった後回復、
4月は前年同月比で実質ベースで5.5%増となり、前月比では2.5
ポイントの上昇。
失業率は長年悪化傾向にあったものの、2014年から大きく改善され
ている。4月は前月の10.0%から9.5%に改善した。平均賃金上昇
率は、前年同月比で4.6%増。
消費者物価指数(CPI)は、2013年2月より中央銀行のインフレ目
標範囲(2.5±1%)を下回っている。4月は前年同月比1.1%減、
前月比0.2ポイント増で、依然として低インフレ状態が続いている。
政策金利は、2012年11月から段階的な利下げを実施し、3月に史
上最低金利を更新する1.5%まで利下げし、6月に入ってもこの金利
を維持している。
為替は、5月平均では対日本円で3.58ズロチ(100円)。 対ユーロ
では4.41ズロチ、対ドルでは3.90ズロチ。
貿易収支は2015年1月から増加傾向にあり、3月の輸出は662億ズ
ロチ(2月は636億ズロチ)、輸入は653億ズロチ(同621億ズロチ)
で9億ズロチの貿易黒字。