血友病における疼痛評価で直面している問題:他の臨床状況で使用され

Abstract: T. J. Humphries and C. M. Kessler
Abstract (Review article )
血友病における疼痛評価で直面している問題:他の臨床状況で使用されて
いる疼痛スケールを追加することによって評価と定量を改善できるか?
The challenge of pain evaluation in haemophilia: can pain evaluation and quantification
be improved by using pain instruments from other clinical situations?
T. J. Humphries and C. M. Kessler
疼痛は,先天性血友病 A および B 患者の日常生
スケールが広範に使用され,特に小児癌( 3 歳未満
活に大きな影響を与える。初期の疼痛は,活動性出
の症例を含む )で多く使用されていた。我々は,血
血の存在を警告するサインともいえるが,出血が複
友病における疼痛の評価,定量に疼痛関連の他の臨
数回発生した後の疼痛は慢性化し,衰弱性,集中力
床状況で使用されているスケールを追加し,検証す
喪失をもたらす。急性出血の新たな治療法を標準化
ることは,今後の疼痛関連の血友病臨床試験を進め
された手法で評価することができるように,血友病
ていくうえで有益と結論する。本稿では特に血友病
患者,特に血友病患児で使用可能な疼痛スケールを
患児に焦点を当て,血友病で現在使用されている疼
開発,検証する必要がある。本総説では,英文で発
痛スケールの改善を提案する。
表された血友病関連の研究で使用された既存の疼
痛スケールを評価するとともに,それらの特性およ
び実用性を疼痛関連の他の臨床シナリオ( 小児,思
春期および成人の癌や手術後回復期といった血液
凝固異常と関連のない疾患または臨床状況 )で報告
されている疼痛スケールと比較する。血友病患者コ
ホートを対象とした臨床試験で検証された疼痛ス
ケールはほとんどなかった。1 つのスケールが検証
されていたが,16 歳未満の患者に限定した検討で
あった。一方,疼痛関連の他の臨床状況では種々の
Haemophilia (2013), 19, 181–187
©Blackwell Publishing Ltd.
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