血液の話 健康診断の血液検査を 中心に

成美大学地域健康福祉センター講演会+センポの会 8月定例会
血液の話 健康診断の血液検査を
中心に
病院で検査を受けるとき、また、献血で採血されるとき、自分の中に真っ赤な血が
流れていることを実感できます。けがなどで血が流れ出たとき、危険を感じます。
危険信号が赤色なのは血の赤色からきていると言われています。
血液はいろいろな成分からできていて、それぞれの成分の働きやその量の増減に
よって、身体の調子(病気の有無)の指標となります。健康診断の結果に、
一喜一憂するだけでなく、結果の読み方の知識を身につけて、生活習慣をふりかえり、
健康増進にはげみましょう。
成美大学 医療福祉マネジメント学科 教授 芦田信之 (医学博士、大阪大学)
原核細胞
真核細胞
単細胞生物
多細胞生物
単細胞生物に血液循環は必要ない。外界と直接出入り
多細胞生物 機能分業 それぞれが生きていくすべは血液によって運ばれてくる
カーラーの救命曲線
血液の供給が止まると? 脳は酸素の備蓄はないので、血流が途絶えると20秒前後で脳の神経細胞は酸欠
カーラーの救命曲線
心停止から5分経過してしまうと、救命は絶望的、心マッサージの必要性
筋肉などは5,6時間耐えうる
血液で運ばれているものは、各細胞に必要なもの、使い終わったもの。
→ 上水道と下水道が一緒になっている。
血液の流れは身体のパトロールでもあり、指令でもある。
血管は身体の食物輸送道路であり廃品回収路であり、
警備網であり、指令伝達経路
まさにすべての細胞のライフライン。
酸素 O2
血管系は閉鎖系
二酸化炭素 CO2
栄養
腎
老廃物
血管から出て行ったり、入ったりするものは?
血管が破れたら? 修復
血液が血管外へ出ると血液は固まる。 凝固
血液中にあるものを調べると身体の状態がわかる。血液検査
血液の成分:多すぎても、少なくても困る ちょうどよい量がある。
正常値(臨床参照値はどうやってきめるか)
内分泌疾患:ホルモン異常
多すぎても、少なすぎてもダメ
血清
血球
血清にはなにがある?
血漿=血清+フィブリノーゲン
(繊維素)
可溶性蛋白(アルブミン、グロブリン)
酵素、抗体
糖
脂質
ミネラル(Na,K,Ca,Cl など)
恒常性(ホメオスタシス)
ホルモン 調節
ビタミン
などなど
栄養状態
感染の有無
調節
血液を介した
指令
血球成分
骨髄で造られる 成熟するにつれ分化する
赤血球 ヘモグロビン 酸素の運搬 減少すると貧血
核がない
白血球は細菌などと戦う(免疫)
白血球には好中球・リンパ球
など。
動き回る(遊走性、血管透過性
血小板 血管修復
感染により増減する
減少すると出血が止まりにくくなる
血球の分化と成熟
赤血球
幹細胞
血小板
血液検査 赤血球の働き
外呼吸
オキシヘモグロビン
デオキシヘモグロビン
内呼吸:ミトコンドリア内でグルコース+酸素=二酸化炭素+水
白血球の働き
白血球の血管透過性・遊走性
栄養素や水や老廃物も血管に出たり入ったり
白血球の血管透過性・遊走性
栄養素や水や老廃物も血管に出たり入ったり
赤血球の特徴
どこで作られる?
核は?
大きさは?
正常値は?
中に含まれているのは?
どうやって測る?
寿命は?
溶血とは?
少ないとどうなる?
生理食塩水とは?
多いとどうなる?
どこで壊される?
壊れたものはどうなる
ヘモグロビンの特徴
鉄が含まれている
酸素以外に結合できるものは?
グリコヘモグロビン!
ヘモグロビンの変異とは?
溶血毒素とは
生理食塩水
浸透圧
半透膜を介した水や溶解物の移動
臨床検査 血液検査 血漿に溶けているものは?
血漿
糖・脂質・タンパク質・アミノ酸・ミネラル・ホルモン・分解生成物・
ガス(酸素・2酸化炭素)
タンパク質(可溶性蛋白) アルブミン・グロブリン
機能で分類 酵素 抗体 ホルモン 貯蔵蛋白 結合蛋白 腫瘍産生蛋白
ここまでは、血液の一般論
続いて 各論
病名をつけることの大切さは前の講義(病名のよみかた)で行った。
(診断基準)治療は方針がある。選択可
同じ基準のものの治療方法の比較で、治療法は進歩する。
-----検査と病気の診断の話?(臨床的意義)
どうやって測るかの話?(測定技術)
これらは、話が広がるが、専門的になりすぎてしまう。
-----
健康診断を受けるにあたっての知識くらいに
「けんしん」は検診と健診のどっち?
診断支援技術
画像診断・生理学検査・検体検査
早期発見・早期治療 症状がでる前に 予防医学
ほっておいたら不可逆的か? 症状がでてから、治療しても治るのなら?
今日の話は、
血液検査・生化学検査・血清検査・細菌検査
抗凝固剤
早朝・空腹時安静状態の意味
血液検査の数値は、食事によって、運動によって、また時間によって 変わる!
不顕性感染、自然治癒
正常かどうかを決めるには
健常者をたくさん集めて、測定する
正常値の幅の意味
測定値は正規分布(ガウス分布)することが多い。
正規分布でなければ正規分布に変換する
1600
1400
1200
1000
800
600
400
200
0
-3
-2
-1
0
1
平均値
2
平均値+-2標準偏差の
3 範囲の面積は全体の9
5%
単位について
mg/dl 100ml中に何ミリグラム溶けているか
μg/dl
デシリットル mmHg 血圧
時間があれば ... 医者の言葉が良く分かるの紹介
ブルーバックス 講談社
お待たせしました。 私はいそがしいでしょう
しばらくですね あなたは私の言うとおりにこないじゃないですか
どうなってもしりませんよ
お元気そうですね わたしはあなたを覚えてますよ
(話を聞きながら) はい、はい 早くしてください、
はいが連発なら もうおわりましょう
血圧を測りましょう 話をおわらせたいとき
一般的には 特別なことでなく
心配するほどのことでない
よく調べてみましょう 緊急ではない。 あわてなくてもいい 減塩してください そうしてほしいが してくれないだろう あきらめ的
影がある。変形している。必ず検査をうけてください 悪性を疑っている
お酒をどれくらいのんでいる 答えの倍くらいを想定
そりゃ 精神的なものでしょう 不定愁訴? うちではわからない
そりゃ 歳ですよ
様子を見てみましょう たぶん大丈夫ですからまた来週きてください
(下さい)
あなたねえ 信頼関係なし 別の医者のところへいってくれ
治りませんよ 一緒になんとかしましょうよ お大事に
しびれ、めまい、痛みなど本人にしかわからないことは苦手
医療従事者間の言葉
患者 上げます。 外来から入院へ
アポッた アポプレ木シー 脳卒中
ムンテラ 病状説明
アンジオ(アンギオ) 血管撮影
心カテ 心臓カテーテル
コロナリ 冠状動脈
ツッカー ブドウ糖点滴
エッセン 食事
ネーベン・オーベン ネーベン 【ねーべん】
. neben(独)、主に研修医など指導される医師
(医者のアルバイト先という意味で使われることもある)。
指導するほうの医師はオーベン(oben)。
do処方 前回と同じ処方 継続
np (not paticular)
OB
特に異常なし
痛みの種類
うずくまるような痛さ
きりきりする痛さ
さすような痛み(神経痛・歯痛など)
しめつけられるような痛さ
じわじわくる痛み、鈍痛
ずきずきする痛み、うずく
つきぬけるような痛み
ひりひりする痛み
急性の痛み
慢性の痛み
持続性の痛み
断続的な痛み
神経痛
筋肉痛
四肢切断後の痛み
腹痛
胃痛
歯痛
頭痛
偏頭痛
疝痛
英語
a cramping (or crippling) pain
a piercing (or searing, sharp) pain
a twinge
a gripping pain
a dull pain
a throbbing (or pulsating) pain
a shooting (or penetrating, piercing) pain
a smart (or burning) pain; sharp superficial pain
an acute pain
a chronic pain
a sustained (or lasting, continuous, persistent) pain
an intermittent (or recurring) pain
a neuralgia
a myalgia; muscle pain
a phantom-limb pain
an abdominal pain; bellyache
a stomachache
a toothache
a headache
a migraine; migrim
gripes; a colicky pain
身体のつくり:体液
• 体液 体重の約60%が水分
体脂肪20%
細胞内液 45%
組織液 10%
血漿 5%
体脂肪
1日 約2リットルの水が
入って、出ている
尿、便、汗、不感蒸発
代謝水
身体
入出のバランス
年をとると水分量が減る
p27 脱水しやすい
BMI = 体重/(身長・身長)
日本人の平均 22
その他の特徴
細胞の膜上には色々なタンパク質や糖質がある
血液型 赤血球の膜上の糖鎖の違い(抗原性)
A型物質、B型物質 血液型の話
血液凝固 トロンビン
フィブリノーゲン フィブリン 抗凝固剤 逸脱酵素 細胞が破壊されたとき、内部にあったタンパク質が漏れ出てくる
ホルモン(内分泌) タンパクホルモンと非タンパクホルモン
腫瘍マーカー がん細胞が作り出すタンパクなど
血液凝固 血液が固まるしくみ
血漿中のタンパク質
アルブミン
血漿中の濃度は、3.5~5.5g/dl
は血漿タンパクの約6割
グロブリン
アルブミンと比べて水に溶けにくく、血清の電気泳動においてもアルブミンと
比べて移動しにくい
α1グロブリン
α2グロブリン
βグロブリン
γグロブリン - γグロブリンの1グループはイムノグロブリンであり、
抗体として作用する
リポタンパク
脂質を血漿中に安定に存在させるには、タンパク質(アポタンパクと呼ぶ)
と結合
トリグリセリド(中性脂肪)
低比重リポタンパク(LDL)、高比重リポタンパク(HDL)
中性脂肪150mg/dL以上またはHDLc40mg/dL未満だとメタボ
タンパクホルモン
脳下垂体から 成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、
副腎皮質刺激ホルモンなど
すい臓から インスリン、グルカゴン
血液検査
遠心分離
ヘム:鉄原子を中心に
ポルフィリンがある
SSネット勉強会(先見創意の会)
http://www.senkensoi.net/old/ssnet/mechatronics/071102.html
その他の特徴
細胞の膜上には色々なタンパク質や糖質がある
血液型 赤血球の膜上の糖鎖の違い(抗原性)
A型物質、B型物質 血液型の話 ABO
CDE(Rh) MN 分泌型・非分泌型
血液凝固 トロンビン
フィブリノーゲン フィブリン 抗凝固剤 逸脱酵素 細胞が破壊されたとき、内部にあったタンパク質が漏れ出てくる
ホルモン(内分泌) タンパクホルモンと非タンパクホルモン
腫瘍マーカー がん細胞が作り出すタンパクなど
輸血の話
血液型 ABO Rh ほか
交差適合試験
血液製剤
血液の全量は?
血液センター(献血)
抗凝固剤
自己血輸血とは
ショックとは
医学用語としての「ショック」は、単にびっくりした状態、急に衝撃を受けた
状態、という意味ではない。より正確には、身体の組織循環が細胞の代謝要
求を満たさない程度にまで低下することを特徴とする、重度かつ生命の危機
を伴う病態のこと。原因は血圧とは限らない。血液は酸素や栄養素を全身に
輸送しているが、血流低下によりそれが妨げられ、全身組織の機能不全を呈
することになる。
急速な出血(1/3程度以上)のため循環血液量が減少し、十分な血圧が保て
なくなった為にショックに陥る
A型の人の血漿中には 抗B抗体(β)
B型の人の血漿中には 抗A抗体(α)
血液凝固 血液が固まるしくみ
抗凝固剤
白血球の分化と成熟
食作用
赤血球も白血球も骨髄でつくられるが、途中で分化して、成熟していく
成熟した赤血球には核がない
リンパ球はそれぞれの抗原に対し、特異的に攻撃する
成熟したBリンパ球が抗体をつくる
血漿中のタンパク質
アルブミン
血漿中の濃度は、3.5~5.5g/dl
は血漿タンパクの約6割
グロブリン
アルブミンと比べて水に溶けにくく、血清の電気泳動においてもアルブミンと
比べて移動しにくい
α1グロブリン
α2グロブリン
βグロブリン
γグロブリン(ガンマグロブリン)にはイムノグロブリンがあり、
抗体として作用する
リポタンパク
脂質を血漿中に安定に存在させるには、タンパク質(アポタンパクと呼ぶ)
と結合
トリグリセリド(中性脂肪)
低比重リポタンパク(LDL)、高比重リポタンパク(HDL)
中性脂肪150mg/dL以上またはHDLc40mg/dL未満だとメタボ
タンパクホルモン
脳下垂体から 成長ホルモン、甲状腺刺激ホルモン、
副腎皮質刺激ホルモンなど
すい臓から インスリン、グルカゴン
酵素