『住まい・建築に関する 良心的な商品を扱う』

KTS-Net
進化はここから生まれる。
激動する時代、メーカーはどのようにこの変化に挑み、取り組んでいるのか。
コマツの製品をお使いのユーザーの方々をレポートしてご紹介いたします。
今回は、長年にわたり建具金物の研究・開発・製造を手掛け、様々なユーザー
から確固たる信頼を得られている、東京都青梅市のベスト青梅様にお話を
お伺いしました。
Vol. 134
建具金物及びドア・コントロール・システムの
研究、開発、製造
ベスト青梅
本社工場 〒198-0024 東京都青梅市新町8-9-1 TEL.0428-31-7201(代) FAX.0428-31-7203
設 立 1967(昭和42)年 1月1日 代表取締役社長 太田 剛彦 資本金 7,500万円 従業員数 60名
ホームページ http://www.best-x.co.jp
facebook page http://www.facebook.com/BEST.Ome
創業からの経緯をお聞かせ下さい。
1932(昭和7)年、世界的な大恐慌の真只
中、東京神田の地に私の祖父が、建築金物
卸太田商店を創業。その後、株式会社太田
商店として設立、そして太田興業株式会社
に改称されますが、これが現在、弊社グル
ープの営業本社「株式会社ベスト」の前身
となります。
創業当初から戸建住宅及び集合住宅用の
建具金物を主に扱っておりましたが、1949
(昭和24)年には『ベスト』を商標登録し、
自社ブランドとして金物を製造・販売する
ようになりました。
戦後、集合住宅の建設が増加し、建具金
物は作れば作るだけ売れた時代でしたが、
より高い品質の製品を作らなければならな
いという思いから、1967(昭和42)年に自社
工場の青梅工場を設立しました。1987(昭
和62)年にはその青梅工場を、製造だけで
なく研究・開発の機能も持たせたグループ
会社「ベスト青梅」とし、私の父によって
新たなスタートをきりました。
太田 剛彦 代表取締役社長
平成を迎えるとともに、営業本社も自社
ブランド名を冠した「株式会社ベスト」に
改称し、現在は弊社だけでなく、大阪、名
古屋、福岡に拠点を持つ「株式会社ベスト
大阪」とともに、創業当初から頑に守り続
けてきた「住まい・建築に関する良心的な
商品を扱う」という企業理念のもと、建具
金物を製造・販売し続けております。
弊社企業理念には2つの大きな意味があ
ると考えております。一つは他分野には手
を出さずに、社業と定めた分野(=建具金
物)に専念し、その分野を究めるというこ
とであり、もう一つは良い品物を作り続け
ることによって使用される方に喜んで頂き、
社会に貢献するという事です。
こうして創業以来建具金物に専念してま
いりまして、おかげさまで本年平成24年
グループとして創業80周年を迎えることが
できました。これからも企業理念だけは変
えることなく進んでまいります。
KOMATSU COMMUNICATION REPORT
『住まい・建築に関する
良心的な商品を扱う』
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進化はここから生まれる。
自由な発想と豊かな創造力を発揮し、最良の品質とサービスを追求。
工場では徹底した品質管理と原価低減意識を持ち社員一丸となって仕事に
取り組んでいる。さらに顧客の信頼に応えるための積極的な技術革新も
推進している。
製造部 サプライグループ
竹之下 昇山 課長
KOMATSU COMMUNICATION REPORT
御社の製品についてお聞かせ下さい。
ベストの商品は、ほとんど手作りに近い
ものから機械力をフルに使った量産品まで
多種多様です。真鍮を高熱で溶かして砂型
に入れて成型し最後は手で磨き上げて完成
される真鍮鋳物製品もあれば、200トンのプ
レス機で毎日量産されるステンレスのプレ
ス製品もあります。
しかし、そのものづくりに共通する商品
の性格はどれについても同じであり、それ
を私たちは ECSという三文字で表していま
す。
お客様にいつまでも安心してご使用いた
だくために、
『美的な(ESTHETIC)
、便利な
(CONVENIENCE)、安全な(SECURITY)』
= ECS(イクス)=「 X(将来を期待させる
何かを性格に持ったもの)」のこころで日々
商品を作っています。
ベスト青梅では、商品の研究・開発から
加工・組立・出荷にいたるまで、全て社内
で一貫した生産体制を敷いています。その
ため、市場のニーズに合った、多品種少量
生産を可能としています。
また、独自のユニバーサルデザイン理念
を作成し、ものづくりの指針としています。
その指針に基づいて開発した、色弱者でも
利用状況を確認しやすいトイレのロック
(写真参照)は、建具金物としては初めての
CUDO(カラーユニバーサルデザイン機構)
の認定を受けました。誰もが容易に使える
製品を増やして行く事も使命の一つです。
カラーユニバーサルデザ
インに対応した商品
品質保証部 ECS推進グループ
武田 希望美 主任
建具金物として初めてのCUDO認定を受ける等、ECSの
こころで日々商品を作られている。
環境への取り組みについてお聞かせ下
さい。
弊社では環境に配慮したものづくりも方
針としています。環境にやさしい商品作り
だけでなく、職場環境の省エネにも取り組
むベストエコプロジェクトを立上げ、エコ
活動を推進しています。
生産工程において、多少ならずとも一度
は地球資源を利用し、環境に負荷をかけて
製造した商品。この商品が末永く安心して
ご使用いただけるモノであること。これこ
そが何よりも私たちの「環境保全ポリシー」
です。
もちろん、工場内やデリバリーの課程で
発生する様々な環境負荷に対しても、削減
していく活動を展開しています。
Vol. 134
建具金物及びドア・コントロール・システムの研究、開発、製造
積極的な改善活動を行われているようで
すが。
弊社では、高品質な商品をタイムリーに
お客様にお届けするために、全ての部門に
おいて日々改善活動に取り組んでいます。
トヨタ生産方式の実践による品質と生産
性の改善を通じて、自主性・向上心を持っ
た人材育成を行っています。
また、「モラル・モラール」「現場改善
の手法」「商品知識」「業務に関する技能
・管理の手法」等、教育プログラムを社員
同士で運営しています。
さらに、通信教育・資格取得についても
積極的に斡旋し、個人の成長を実感できる
チャンスを広げています。
替え時期を迎えていたのですが、丁度その
頃、「音も静か」「金型の寿命も延びる」と
いうコマツサーボプレスの話を耳にしたの
です。
一体どのようなプレスなのかまだ把握し
きれていなかったのですが、様々な可能性
を秘めているプレスなのではという期待と
絞りの順送加工に使用したいという思いも
あり、それまで使っていたものよりひとつ
上のクラス、200トンのコマツサーボプレス
H1F200を導入することになりました。
実際に使用してみたところ、オペレータ
による品質のばらつきが小さく、安定した
プレスであると実感しました。それが品質
の安定に結びついているのだと思います。
新たな試みはまだ行っていませんが、今
後の主流となるプレスであると思い、その
後のプレス機入れ替えの際もコマツのサー
ボプレスH1F110を導入しました。
全ての部門において、各自が様々な改善活動を日々
行なっている。
サーボプレス導入の経緯、ご感想をお聞
かせ下さい。
今から7年程前に、それまで長年使用して
きた150トンプレスが老朽化し、設備の入れ
コマツサーボプレスH1F200 及び H1F110
KOMATSU COMMUNICATION REPORT
ベスト青梅
Vol. 134
建具金物及びドア・コントロール・システムの研究、開発、製造
ベスト青梅
近年、同じ機能の商品であっても色や外
観などに若干のアレンジを加えて商品展開
をするケースが増え、多品種変量生産が求
められるようになりました。
そのようなニーズにこたえられるよう、
開発力の向上や柔軟な生産体制の構築をめ
ざし、日々さまざまな試みを行っています。
また、よいモノを作るということは基本
ですが、それに加え、弊社のものづくりの
ポリシーをお客様にも社員にも理解しても
らうべく、今後もさらなるブランドづくり
をすすめて行きたいと考えております。
商品の機能は常に進化し、ドアをコント
ロールするシステムとして開発して行きま
す。その中で弊社は、長年手掛けてまいり
ました建具金物という市場から今後も逸脱
することなく、規模の拡大よりも商品の品
質、仕事の質を高めることを常に目指して
いきます。
よいモノを求められるお客様は常にいら
っしゃいます。そのご要望に応えることの
できるメーカーで在り続けたいと思ってい
ます。
多能工化訓練による一人屋台方式
とても繊細な鍵の組立作業。
研究・開発から加工・組立・出荷にいたる
まで、全て社内で一貫して行なわれている。