平成26年度全国学力・学習状況調査の結果を踏まえた分析 小学校国語A問題 本市の傾向と課題 ○ 全体の平均正答率は,全国・県を上回っている。領域別に見ても,すべての領域等で全 国・県よりも高い平均正答率となっている。特に,「伝統的な言語文化と国語の特質に関 する事項」においては,全国を大きく上回っている。国語科の授業を中心として言語活動 の充実が図られていることや,「みんなにすすめたい一冊の本推進事業」への積極的な取 組等が成果として表れていると考えられる。 ○ 「読むこと」の領域において,文章を読み表現の仕方を捉える設問の正答率がやや低い。 文章を読むときに,内容を正確に読み取ることだけでなく,表現の仕方や資料の活用の効 果等,書き手の表現の工夫について捉えることが大切である。 ○ 「書くこと」の領域において,文章を適切な表現にして書く設問の無解答率がやや高い。 自分の書いた文章を読み直したり,互いに読み合ったりして,言葉の使い方を適切に推敲 する活動を,各学年の指導事項に応じて継続することが大切である。 【課題】新聞の投書を読み,表現の仕方を捉える 4は,書き手の立場に立って新聞の投書 を読む場面が取り上げられている。読み手 に対して自分の意図を伝えるために,書き 手がどのような工夫をしているかを捉える 設問である。書き手が実際に体験したこと をもとに,自分の意見や考えを書いている ことを捉え,選択肢の中から適切なものを 答えることが求められる。選択肢にある「複 数の情報を比べ」「引用して」「自分の考え に反対する意見」が,具体的にどのような 表現の仕方なのかを理解する必要がある。 指導のポイント 「読むこと」の学習において,内容を読 み取ることだけでなく,表現の仕方や資料の活用の効果等,書き手の表現の工夫について捉 えることが大切である。特に,「比較」「引用」「自分の考えに反対する意見を想定」といっ た表現の工夫について具体的なモデルを示して理解させるとともに,「書くこと」の学習で の自分の表現に生かせるようにしたい。 関 連 解説資料P22~23,報告書P33~34 参照 小学校国語A問題 【課題】複数の事柄を並列の関係で書く 6一は,自分の書いた文章を推敲し,よ りよい文章に書き直していく場面が取り上 げられている。複数の事柄を並列の関係で 書く場合に,「~たり,~たり」という書 き方を的確に用いて文章を書き直すことを 求める設問である。設問で指示されている 条件を理解して答えることができずに「~ たり,~たり」という表現を用いなかった 誤答が考えられる。 また,無解答率がやや高いことから,書 いた文章を読み返し,適切な表現に書き直 す「推敲」の活動に慣れていなかったり, 苦手意識があったりする傾向があることが 考えられる。 指導のポイント 学習指導要領には,自分の書いた文章を読み返し,推敲することに関する指導事項が,児 童の発達段階に応じて位置づけられている。「書くこと」の授業において,書いた文章をよ り適切な表現に書き直す活動に,系統的・継続的に取り組んでいくことが重要である。その 際,どの表現をどのように見直せばいいのか,視点を明確に示すことが必要である。また, その視点に基づいて,グループで互いの文章を読み合い,より良い表現になるよう助言し合 う活動が有効である。 関 連 解説資料P27~28,報告書P38~39,参照
© Copyright 2024 ExpyDoc