今後の学習指導・授業改善において大切にしたいポイント ~ 主に県学習

今後の学習指導・授業改善において大切にしたいポイント
~ 主に県学習状況調査の分析などによる ~
中南教育事務所
【小学校】
国語
○
漢字やローマ字は、国語辞典や漢字辞典を活用して文や文章の中で語彙を増やした
り、コンピューターを使ってローマ字を活用したりするなど、国語科の中だけでなく
他教科や日常生活と関連付けながら指導する。
○
「話すこと・聞くこと」では、話合いの目的や意図をとらえながら、ナンバリング
(項目や番号)やラベリング(小見出し)を意識して内容を整理させる。
○ 「書くこと」では、よりよい表現にするための〈技〉
(文末表現、接続語、修飾語、
順序など)に目を向けさせたり、推敲したことでよりよい文章になったことを実感さ
せたりする。
○
「読むこと」では、中心となる語や文をとらえて内容を要約する力、登場人物の心
情を表す言葉や会話、情景描写に着目して読む力を身に付けさせる。(日常の読書活
動の充実を図り、自分の体験や他の読者の解釈と関連付けて読ませる)
社会
○
児童の疑問を生かした学習問題を設定する。
○
「導入→展開→まとめ」の授業の流れを大切にし、児童に学習問題を解決する形で
まとめを書かせ、「分かった・できた」という実感をもたせる。
○
資料(グラフ・統計表等)を大きく示す。グラフの場合は、何を表しているグラフな
のか、縦軸・横軸が表している単位は何か、どのような変化がみられるかなどを説明
させて、資料読み取りの基本を習得させる。
○
複数の資料から読み取ったことを言語化させ、それを基に比較・関連付けてまとめ
させたり、指摘させたりするなどの活動を取り入れる。
○
地図記号、地名、県名、用語などの基本事項は、楽しく習得できるよう工夫する。
(掲示物やフラッシュ教材の活用も有効である)
○
歴史の時間や他教科でも日常的に地図帳を活用させる。
算数
○
日常生活の事象と関連付けて考える活動や、算数で学んだことを使って日常生活の
事象を解決する活動の充実を図る。
○
児童の学び方や習熟の程度に応じて、教師の援助なしに問題文から必要な情報を整
理して題意をとらえさせたり、言葉や数、式、図、表、グラフなどを使って、それぞ
れの表現を関連付けて考えさせたりする活動を取り入れる。
○
より分かりやすい説明をみんなでつくり上げていく活動を通して、よりよく問題解
決をすることができる力を高める。
《活用に関する問題に取り組む際に、大切にしてほしい指導の工夫》
・
既習事項を使って未習の事項について予想させたり、より考えやすいものに置き
換えさせたりするなどの活動を取り入れ、事前に十分な見通しをもたせる指導を充
実させる。
・
日々の授業で、「活用」に関する問題を解く経験を多く積ませる。
・
本時の学びを1単位時間の中で再度使う場面を設定する。
理科
○
日常生活や既習体験との関連を図り、知的好奇心や探究心をもてるよう、学習課題
の提示を工夫する。
○
直接体験を重視し、すべての児童が協働的に観察・実験を行い、結果を整理・考察し、
表現する学習活動の充実を図る。
○
振り返りでは、学習した知識や技能を異なる場面で活用させたり、学習した科学的
な言葉やきまりを日常生活に結び付けて考え、説明させるようにする。
○
「なぜ」という問いを大切にし、学習内容を広げ、身近な日常生活と関連付けて考
えることができるようにする。
その他~全体として~
○
国及び県の学習状況調査等の分析と対策案の構築をチーム(全校体制)で行い、具体
的に実践し、授業改善を継続していく。《「学習状況調査実施報告書」(県)に記載さ
れた指導事例や「全国学力・学習状況調査の結果を踏まえた授業アイディア例」を参
考にしてほしい。》
○
一つの教科で培った力を別な教科でも活用するなど、教科横断的な視点での指導を
一層進めてほしい。
今後の学習指導・授業改善において大切にしたいポイント
~ 主に県学習状況調査の分析などによる ~
中南教育事務所
【中学校】
国語
○
漢字や言葉のきまりについては、実際の文章の中でどのように使われているかを理解させたり、
自分の文章の中で適切に使用させたりする。(「読む言語活動」「書く言語活動」と関わらせての
指導、自らの語彙を豊かにする読書活動の充実等)
○ 「話すこと・聞くこと」では、目的意識や相手意識をもって話したり聞いたりする学習を積極
的に取り入れ、話の中心的な部分と付加的な部分、事実と意見等を聞き分けて、話の要点をまと
めさせる。(ペアで・グループで・全体で発表、ワークシートの活用等)
○ 「書くこと」では、社会生活の中にある情報を自分と結び付けて考え、新たな気付きや問題意
識をもたせて具体的に書かせるとともに、自分が書いた内容について確認させるなどの振り返り
をさせる。
○ 「読むこと」では、文章の構成や叙述などに基づいて解釈することの指導にとどめず、自分の知
識や体験と関連付けて考えをまとめ、交流し合うことの指導の充実を図る。その際、適宜学校図
書館を活用するなど、読む活動と日常生活とを意図的に結び付ける。
社会
○
「導入→展開→まとめ」の授業の流れを大切にし、生徒に学習問題を解決する形でまとめを書
かせ、「分かった・できた」という実感をもたせる。(用語や字数を指定するなど条件を設定し、
まとめさせ方の工夫を図る)
○ 世界の州、日本の地方、各時代の学習においては、単元を貫く学習問題を設定し、地域や時代
の特色を大まかにとらえさせるよう、単元の振り返りの仕方について工夫を図る。
○ 複数の資料から読み取ったことを言語化させ、それを基に比較・関連付けてまとめさせたり、
指摘させたりするなどの活動を取り入れる。
○ 時差やグラフ・統計資料等の読み取りなど計算を要する問題については、スモールステップで
解き方を指導する。併せて、適用問題を実施し、場合によっては個別指導で補充する。
○ 既習事項を想起させる発問を工夫し、知識の活用(関連付け)を図る。
数学
○
数学的活動を充実させ、場面に応じて的確に表現する活動を取り入れる。
→数学的活動
・ 既習の数学を基にして、数や図形の性質などを見いだし、発展させる活動
・ 日常生活や社会で数学を利用する活動
・ 数学的な表現を用いて、根拠を明らかにし筋道立てて説明し伝え合う活動
→的確に表現する活動(説明する場面)
・ 事実の説明…見いだした事柄を的確にとらえ直し、数学的に正しく表現させる。
・ 方法の説明…問題を解決する方法や手順を的確に説明させる。
・ 理由の説明…ある事柄が成り立つ根拠を説明させる。
○ 図形においては、観察、操作や実験などの活動を通して、見通しをもって作図したり、図形の
関係や図形の各要素の位置関係について調べたりして平面図形及び空間図形についての理解を深
めさせるとともに、論理的に考察し表現する場面を取り入れる。
○
関数においては、さまざまな問題解決の場面で、既習の事柄を使って未習の事柄について予想
しようとしたり、より考えやすいものに移しかえて解決を図ろうとしたりすることを大切にする。
○ 表、式、グラフを用いて表すとき、これらの表し方を相互に関連付け、一体的に理解させたり、
日常的な事象を比例、反比例と見なして考えさせたりする。
理科
○
日常生活や既習体験との関連を図り、知的好奇心や探究心をもてるよう、学習課題の提示を工
夫する。
○ 条件を制御した実験方法を生徒に考えさせるとともに、協働的に結果を分析・解釈することを
通してきまりを見いだすことができるようにする。
○ 複数の表やグラフから情報を読み取り、必要な情報を正しく選択し結論を導き出すことができ
るようにする。
○ まとめの場面を重視し、生徒自身の言語(文)でまとめさせる指導を行う。
○ 振り返りでは、授業で学んだ科学の方法を実生活・実社会や自然現象と関連付けて考えること
ができるようにする。
英語
「自校版『CAN - DO リスト』の形での学習到達目標」を確実に設定し、4技能をバランスよ
く育成する。
○ 英語を使って「何ができるようになるのか」、単元を通して「どのような力を付けたいのか」と
いう視点で、必然性のある言語活動を繰り返し設定する。
○ 「聞くこと」については、初歩的な英語を聞いて、話し手の意向などを理解できるよう、教科
書本文を活用し、まとまりのある英文を聞いて概要を理解する場面を繰り返し設定する。
○ 「話すこと」及び「書くこと」については、情報を伝える・受け取る必然性や目的を明確にし、
その場で考え、判断し、対応させる(表現させる)機会や互いの考えや気持ちを伝え合う機会を
繰り返し設定する。
※インフォメーションギャップの活用、単元終末の面接、エッセー、スピーチ及びパフォーマン
ステスト等の実施による評価方法の工夫
○ 「読むこと」については、英語を読むことに慣れ親しみ、初歩的な英語を読んで、書き手の意
向を理解したり、要点を把握したりすることができるよう、教科書本文を材料とした言語活動を
繰り返し設定するとともに、その内容や書き手の考えなどに対して自分の感想等を書くなどの言
語活動を設定し、読む必然性を与える。
○
その他~全体として~
○
国及び県の学習状況調査等の分析と対策案の構築をチーム(全校体制)で行い、具体的に実践し、
授業改善を継続していく。《「学習状況調査実施報告書」(県)に記載された指導事例や「全国学
力・学習状況調査の結果を踏まえた授業アイディア例」を参考にしてほしい。》
○ 定期テストの作成においては、授業で扱った思考力・判断力・表現力等を育成するための発問
場面等を生かし、「活用」を意識した問題(いわゆる「B問題」)づくりにも努めてほしい。