中学校学習指導要領 第2章 第9節 外国語 改訂の趣旨 目標及び内容

中学校学習指導要領
第2章
第9節
外国語
改訂の趣旨
○ 「 聞 く こ と 」 や 「読 む こ と 」 を 通 じ て 得 た知 識 等 に つ い て , 自 らの 体 験 や 考 えな ど
と 結 び 付 け な が ら 活 用 し ,「 話 す こ と 」 や 「 書 く こ と 」 を 通 じ て 発 信 す る こ と が 可
能 とな る よう , 4技 能 を総 合 的に 育 成す る 指導 を 充実 す る。
○ 指 導 に 用 い ら れ る教 材 の 題 材 や 内 容 に つ いて は , 外 国 語 学 習 に 対す る 関 心 や 意欲 を
高 め, 外 国語 で 発信 し うる 内 容の 充 実を 図 る等 の 観点 を 踏ま え ,4 技 能を 総 合的 に
育 成す る ため の 活動 に 資す る もの と なる よ うに す る。
○ 「 聞 く こ と 」「 話 す こ と 」「 読 む こ と 」「 書 く こ と 」 の 4 技 能 の 総 合 的 な 指 導 を 通 し
て , こ れ ら の 4 技能 を 総 合 的 に 活 用 で き るコ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能力 を 育 成 す ると と
も に , そ の 基 礎 とな る 文 法 を コ ミ ュ ニ ケ ーシ ョ ン を 支 え る も の とし て と ら え ,文 法
指 導 を 言 語 活 動 と一 体 的 に 行 う 。 ま た , コミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 内容 的 に 充 実 した も
の とす る こと が でき る よう , 語彙 を 充実 す る。
○ 「 聞 く こ と 」「 話 す こ と 」 と い う 音 声 面 で の 指 導 に つ い て は , 小 学 校 で の 外 国 語 活
動 を 通 じ て 音 声 面を 中 心 と し た コ ミ ュ ニ ケー シ ョ ン に 対 す る 積 極的 な 態 度 等 の一 定
の 素 地 が 育 成 さ れ る こ と を 踏 ま え た も の と す る 。 あ わ せ て ,「 読 む こ と 」「 書 く こ
と 」 の 指 導 の 充 実 を 図 る こ と に よ り ,「 聞 く こ と 」「 話 す こ と 」「 読 む こ と 」「 書 く
こ と 」 の 四 つ の 領域 を バ ラ ン ス よ く 指 導 し, 高 等 学 校 や そ の 後 の生 涯 に わ た る外 国
語 学習 の 基礎 を 培う 。
目標及び内容
1 目 標 につ い て
( 1) 外 国語 科 の目 標
外国語を通じて,言語や文化に対する理解を深め,積極的にコミュニケーション
を図ろうとする態度の育成を図り,聞くこと,話すこと,読むこと,書くことなど
の コ ミュ ニ ケー シ ョン 能 力の 基 礎を 養 う。
( 2 ) 外 国語 科 の 目 標 は , コ ミ ュ ニケ ー シ ョ ン の 基 礎 を 養う こ と で あ り , 次 の三 つ の事 項
を 念 頭に 置 いて 指 導す る 必要 が ある 。
・ 外国 語 を通 じ て, 言 語や 文 化に 対 する 理 解を 深 める 。
・外国語を通じて,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図
る。
・聞くこと,話すこと,読むこと,書くことなどのコミュニケーション能力の基
礎を 養 う。
(3)英語の目標
※ 「 聞 く こ と 」「 話 す こ と 」 に 関 わ る 記 述 か ら 「 慣 れ 親 し み 」 と い う
文言 を 削除
① 初 歩的 な 英語 を 聞い て 話し 手 の意 向 など を 理解 で きる よ うに す る。
② 初 歩的 な 英語 を 用い て 自分 の 考え な どを 話 すこ と がで き るよ う にす る 。
③英語を読むことに慣れ親しみ,初歩的な英語を読んで書き手の意向などを理解で
き るよ う にす る 。
④英語で書くことに慣れ親しみ,初歩的な英語を用いて自分の考えなどを書くこと
が でき る よう に する 。
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内 容 につ い て
①言 語 活動 ※領 域 ごと の 指導 事 項を そ れぞ れ 一項 目 ずつ 増 やし 各 5項 目 とし た 。
ア
聞く こ と
( ア)強 勢,イ ント ネ ーシ ョ ン,区 切り な ど基 本 的な 英 語の 音 声 の特 徴 をと ら え,
正 し く聞 き 取る こ と。
(イ)自然な口調で話されたり読まれたりする英語を聞いて,情報を正確に聞き
取 る こと 。
( ウ) 質 問や 依 頼な ど を聞 い て適 切 に応 じ るこ と 。
( エ) 話 し手 に 聞き 返 すな ど して 内 容を 確 認し な がら 理 解す る こと 。
( オ) ま とま り のあ る 英語 を 聞い て ,概 要 や要 点 を適 切 に聞 き 取る こ と。
イ
話す こ と
( ア)強 勢,イ ント ネ ーシ ョ ン,区 切り な ど基 本 的な 英 語の 音 声 の特 徴 をと ら え,
正 し く発 音 する こ と。
( イ) 自 分の 考 えや 気 持ち , 事実 な どを 聞 き手 に 正し く 伝え る こと 。
(ウ)聞いたり読んだりしたことなどについて,問答したり意見を述べた合った
り な どす る こと 。
( エ) つ なぎ 言 葉を 用 いる な どの い ろい ろ な工 夫 をし て 話を 続 ける こ と。
( オ) 与 えら れ たテ ー マに つ いて 簡 単な ス ピー チ をす る こと 。
ウ
読む こ と
( ア) 文 字や 符 号を 識 別し , 正し く 読む こ と。
(イ)書かれた内容を考えながら黙読したり,その内容が表現されるように音読
す る こと 。
( ウ) 物 語の あ らす じ や説 明 文の 大 切な 部 分を 正 確に 読 み取 る こと 。
( エ) 伝 言や 手 紙な ど の文 章 から 書 き手 の 意向 を 理解 し ,適 切 に応 じ るこ と 。
(オ)話の内容や書き手の意見などに対して感想を述べたり賛否やその理由を示
したりなどすることができるよう,書かれた内容や考え方などをとらえるこ
と。
エ
書く こ と
( ア) 文 字や 符 号を 識 別し , 語と 語 の区 切 りな ど に注 意 して 正 しく 書 くこ と 。
( イ) 語 と語 の つな が りな ど に注 意 して 正 しく 文 を書 く こと 。
(ウ)聞いたり読んだりしたことについてメモをとったり,感想,賛否やその理
由 を 書い た りな ど する こ と。
(エ)身近な場面における出来事や体験したことなどについて,自分の考えや気
持 ち など を 書く こ と。
(オ)自分の考えや気持ちなどが読み手に正しく伝わるように文と文のつながり
な ど に注 意 して 文 章を 書 くこ と 。
※ 反 転文 字 につ い ては , 追加 , 集約 さ れた も の。
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②言 語 活動 の 取り 扱 い
ア 3 学年 間 を通 し た全 体 的な 配 慮事 項
〔言 語 の働 き の例 〕
現行
a 考え を 深め た り情 報 を伝 え たり す るも の
b 相手 の 行動 を 促し た り自 分 の意 志 を示 し たり す るも の
c 気持 ち を伝 え るも の
〔言 語 の働 き の例 〕
改訂
a コミ ュ ニケ ー ショ ン を円 滑 にす る
b 気持 ち を伝 え る
c 情報 を 伝え る
d 考え や 意図 を 伝え る
e 相手 の 行動 を 促す
イ
学 習段 階 を考 慮 した 指 導上 の 配慮 事 項
(ア)
第 1学 年 にお け る言 語 活動
小学校における外国語活動を通じて音声面を中心としたコミュニケーショ
ンに対する積極的な態度などの一定の素地が育成されることを踏まえ,身近
な 言 語の 使 用場 面 や言 語 の働 き に配 慮 した 言 語活 動 を行 わ せる こ と。そ の 際,
自分の気持ちや身の回りの出来事などの中から簡単な表現を用いてコミュニ
ケ ー ショ ン を図 れ るよ う な話 題 を取 り 上げ る こと 。
③言 語 材料
○ 指 導す べ き語 数
900語程度→1200語程度
○ 授 業時 数
10 5 時 間 → 1 4 0 時 間 に増 加
○ 文 法事 項
文型 → 文構 造
より豊かな表現を可能にさせるなど言語活動
の 一 層の 充 実を 図 るこ と をね ら いと す る。
習得 ・ 活 用 の 時 間 を 充 実さ せ る とと も に, 生
徒 へ の学 習 負担 に も配 慮 する 。
型 よ りも 構 造に 目 を向 け るこ と 。
○ は どめ 規 定の 見 直し
・ 関係 代 名詞 ・ 不定 詞 ・動 名 詞→ 「 基本 的 なも の 」の 文 言を 削 除
・ 受け 身 →「 現 在形 及 び過 去 形」 の 文言 を 削除
④言 語 材料 の 取扱 い
○ は どめ 規 定の 見 直し
・「 理解 の段 階 にと ど める こ と」 と した 制 限を な くす
○ 文 法事 項 の取 扱 いに つ いて は ,四 項 目を 新 たに 追 加
・「 発音 と綴 り とを 関 連付 け て指 導 する こ と」
・「 文 法 に つ い て は , コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 支 え る も の で あ る こ と を 踏 ま え , 言 語
活 動 と効 果 的に 関 連付 け て指 導 する こ と」
・「 語順 や修 飾 関係 な どに お ける 日 本語 と の違 い に留 意 して 指 導す る こと 」
・「 英 語 の 特 質 を 理 解 さ せ る た め に , 関 連 の あ る 文 法 事 項 は ま と ま り を も っ て 整 理
す る など 効 果的 な 指導 が でき る よう 工 夫す る こと 」
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