「読むこと」の大切さ 国語科の学習に対する子どもたちの

2015年5月14日
長柄小学校
学習通信 No.1
新学期が始まって1ヶ月が経ちました。新しい学年、新しいクラスになり、心機一
転、子どもたちは気持ちも新たに、意欲的に学習に取り組んでいます。
昨年 度、 長柄小 は「 算数 科の思 考力」 の育 成に焦 点を あてて、 全校一 丸と な って
学力の向上に取り組みました。本年度は昨年度の取り組みを継続すると共に、「国語
科の読解力」の育成に焦点をあてて、さらに学力の向上に取り組むこととなりました。
「読むこと」の大切さ
「読むこと」は、現代の高度情報化社会において、欠くことのできない行為の一つです。生活や仕事でイン
ターネットのWEBページをチェックしたり、電子メールを確認したりする上でも、人は必ず「読む」という行為を行っ
て いま す。 つま り 、「 読 む」 た め の知 識 や技能は 、人 がより良 く生き てい くため に、確 実に身 につけたい 力の 一
つだと言うことができます。
国語科の学習に対する子どもたちの思い
「読む」ための知識や技能に関する学習を主に扱うのが国語科です。しかし、子どもたちから、この国語科
の学習がなかなかハードルが高い、というつぶやきが時々聞かれます。
2002年に中学生2503名を対象にした調査が行われました。その調査の中で、「これからどんな教科や学習
の 時 間 を が ん ば っ て 勉強 し た い と 思 いま すか 」と い う質 問が 、ア ン ケ ー ト 形 式で さ れま し た。 回 答の 集計 の 結
果はどうなっていたと思いますか。答えは、非実技系教科(国語、社会、算数、理科、英語)のうち、1位が英
語、2位が数学、3位が社会、4位が理科、国語は5位でした。なぜ、国語の順位は低かったのでしょ う。昨年
度 の 学習 通信 で も 触れ たよ うに 、こ の調査 に参加 した中 学生も 「国 語はど うやっ て 勉強 した ら よいかわ から な
い」「答えが1つでないから嫌だ」「間違っても、間違いの理由がよくわからない」などと考えたからかもしれません。
「読むこと(読解)」とは
「読解は文章中の文字を見ることで、色々な情報が頭の中に一方的に入ってくること」という意見を時々聞
くことがあります。しかし、そうではありません。「読解は文章中の文字を 通して入ってくる情報について、自分が
既にもっている知識(「既有知識」といいます)を使いながら、重要な情報とそうでない情報を取捨選択し、入
ってきた情報ともっている知識を関連させて文章を理解する行為です。
子どもたちの発達と国語の力
この「読むこと(読解)」を含む国語科の力の効果的・効率的な向上を目指すためには、子どもたちの発達
を踏まえた経験や学習が重要になります。
3 歳までの乳幼児期(コミュニケーション重視期)
生まれてから3歳にかけて、子どもたちの脳の前頭前野の神経細胞は急激に成長します。この時期の子ど
もたちに最も重要なのは、子育てに関わる人たちと子どもたちとのコミュニケーションです。「話す・聞く」を中心
としたコミュニケーションによって、子どもたちは語句や語彙を身に付けることができます。また、子育てに関わる
人たちが子どもたちに心を開くことで、子どもたちの感性や情緒が育ち、国語科の力の基礎となる言葉が発達してい
きます。
3歳から小学校高学年(基礎作り期)
3歳から小学校高学年にかけて、子どもたちの脳の前頭前野には大きな変化は起こりません。しかし、言葉
の 知識を つ かさどる側頭葉 や頭 頂葉など の神経細胞は 成長を 続けま す。この時期の 子どもたち に重要な の
は 、「読み聞かせ」や読書により語句や語彙の数を 増やしたり、様々な経験を積ませ ることで情緒を豊かにし
た り、想 像する 力を 高 めた りする こと で す。小 学校においては 、「話すこと 」や「聞くこと 」に加え、「 読むこと 」や
「書くこと」の「繰り返し練習」により、国語科の力の基礎となる知識や技能を確実に身につけること、特に「読
むこと」の学習を先行させ、言葉の知識を増やすことに重点をおくことが有効であり、重要であると、様々な研究の成果
から明らかになっています。
小学校における「読み」の学習
そ し て 、 小学 校 にお いて は 、「 音読 や朗 読 」「 文 章の 読 み方の 習 得と 読 む活 動 」「 ( 読ん だこ と を も とに ) 自
分の考えをまとめ、表現する活動」「目的に応じた読書」などが、子どもたちの「読むこと」の育成に有効である
とされ、日々の授業で実践されているのです。
次回の学習通信では、『小学校における「読み」の学習』が授業の中でどのように実践されているか、具体
的にお伝えさせて頂きたいと思います。
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