重松清作品の魅力を,相手や意図に合わせた表現物で推薦しよう。

第6学年指導構造図
共感した!重松清作品の魅力を,相手や意図に合わせた表現物で推薦しよう。
第1次
第2次
第3次
パフォーマンス
課題の提示
パフォーマンス課題
の付加・修正
パフォーマンス
課題の達成
○ 重松清作品は,自分たちの体
験や身近な出来事と重ねて読む
ことができ,生活の中に生かすこ
とのできる作品であることに気づ
き,作品の魅力を自分が紹介し
たい人に推薦することをゴールと
して学習への意欲を高める。
○ 作品を推薦する表現物につい
て知り,その特徴やそのよさ,推
薦する内容によってどの表現物
で推薦するかを考える。
○ 作品を推薦するためにどのよう
なことに着目して作品を読み進
めていくか確認する。(読みの観
点の取得)
○ 「カレーライス」を読み,体験したことや経験したことをもとに
自分が共感した叙述を選んで,なぜその文を選んだのか理由
を書く。また,並行読書材についても,共感するところに着目し
ながら読んでいく。(人物の行動や会話文,情景描写など)
○ 「カレーライス」について納得した叙述や疑問に感じた叙述
などを交流し合い,登場人物の心情などについて自分の考え
を深める。
○ グループで交流しながら相手や意図に合わせた表現物を選
んだり,表現物に書く項目を考えたりしながら,より分かりやす
く工夫された表現物になるよう改善していく。
○ 教材文の読みを自分が推薦する重松清作品を紹介する表
現物に生かし,重松清作品の中から自分が一番推薦したいと
思う作品を選び,発信できる準備をする。
○ 自分が薦める重松清作品の
表現物を単元を通して学習し
てきたことを生かして作成す
る。
○ パフォーマンス課題を振り返
り,登場人物の心情や作品の
魅力についてどのように考え
が深まっていったかを自己評
価する。
並行読書
自分が体験したことや経験したことと重ね合わせながら,自分が一番共感した叙述に着目して重松清作品(「おとうと」「友
だちの友だち」など)を読み,相手や意図に合わせた表現物を選択したり,項目の内容を付加・修正したりしながら,作品の魅
力を伝える表現物を作成し,発信する。
単元目標
本単元におけるパフォーマンス課題と期待する問題解決思考
○
本単元におけるパフォーマンス課題として「自分が体験したことや経
験と重ね合わせながら,自分が一番共感した叙述や登場人物の心情など
を読み取り,重松清作品から見える家族や友達に対する見方や関わり方
について自分の考えをもち,相手や意図に合わせた表現物を作って作品
の魅力を推薦する」ことを設定した。この単元において,期待する問題
解決思考は「自分の体験とつなげながら,共感できる叙述に着目し,登
場人物の行動や会話,情景描写などに表現されている心情について読み
ながら,友達との交流を通して自分の考えを広げたり深めたりする。」
である。そのために単元には入る前にルーブリックを教師が作成すると
ともに,児童自身にもパフォーマンス課題に応じてルーブリックを作成
させていく。
教師と児童のルーブリック,パフォーマンス課題と児童のルーブリッ
クがつながっていくように,形成的評価を重視し,指導と評価の一体化
を図っていく。
物語を推薦するために,登場
人物の相互関係や行動,会話,
情景描写に着目して読み,内面
に描かれた心情が分かる優れた
叙述に着目し,交流を通して自
分の考えを広げたり深めたりし
ながらまとめることができる。
(読むこと エ)
○ 複数の物語を読み,その中か
ら推薦しようと考えた物語を選
び,作品の魅力を伝える引用文
について,友達と進んで交流し
ながら自分の考えを深めようと
している。
(読むこと オ)
パフォーマンス課題の要素
【学習の目的】
(内発的動機)
○ 重松清作品は,ドラマ化や映画化されている作品が数多くあるにも関わらず,児童の中では知られた作家とはあまり言えない。その中で教材文「カレー
ライス」や並行読書材として紹介する「小学五年生」は自分たちと同じ年代の子どもが主人公になっており,主人公を取り巻く出来事が自分の体験や経験
と重ね合わせながら読むことができる作品が多いことに気づかせ,それらの作品を読み,家族や友達など生活の中での人との関わりについて読み深める
とともに,推薦する相手や意図に合わせた表現物を選択しながら,作品を推薦することをパフォーマンス課題として設定する。
【解決の方向性】
(ゴール像・見通し)
○ 作品の魅力を紹介するために,相手や意図に合わせた表現物を選択することや読み手に分かりやすく短い文章で
推薦文を書くという必要性に気づかせ,推薦するために必要な言葉を精選しながらまとめられるようにする。その
ために友達との意見交流をしながら誰にどのような表現物で発信していくか選択させたり,推薦文に入れる要素を
明確にさせたりしながら,自分の考えをまとめられるようにする。また,重松清作品を複数読み,他の作品からも
読み取れるテーマや特徴を推薦文の要素に加える。
【主体的な表現】
○ 重松清作品の特設コーナーを設置して作品を読んでもらうことを目標に,自分たちがおすすめする作品を,伝え
る相手や伝える手段を自分で考え,表現物の形式や項目,読み手を引きつけるための表現の工夫を交流を通してよ
りよいものに修正し,自分たちのアイデアを生かした表現物をつくることに喜びや楽しさを感じるようにする。
第6学年 国語科学習指導案
1
単元名
共感した!重松清作品の魅力を,相手や意図に合わせた表現物で推薦しよう。
教材:
「カレーライス」
2
並行読書材:「小学五年生」
(「おとうと」
「友だちの友だち」)など
指導観
○児童観
本学年の児童は,5年生から「本のショーウィンドウ」や「リーフレット」などのツールを作
成することを通して,登場人物の関係の深まりや心情の変化を読む学習をしてきた。その中で登
場人物の関わり合いが変化していくことを捉えながら,登場人物の心情やその要因などを,叙述
を基に読み取ることが少しずつできるようになってきている。しかし,想像豊かに人物の心情を
読み取る力は,まだ十分ではない。したがって本単元では,
「自分が共感したところや登場人物の
心情などを読み取り,作品の推薦文を自分の言葉で短くまとめて書く」という目的に応じて,読
みの観点を基にして,印象的な推薦文を書くために,登場人物の相互関係や心情の変化について
の自分の考えを広げたり深めさせたりしたい。
○教材観
本教材は主人公である「ひろし」が一人称で描かれた物語である。自分の子どもをまだ幼いと
思っている父親と,その父親に成長を認めてもらいたいと思っている「ひろし」が,その気持ち
を素直に表現できずに葛藤する様子を中心に描かれている。また,児童の日常生活でも同じよう
に起こりうる場面設定になっており,叙述に沿って読むことで主人公「ひろし」に共感的に読む
ことができる作品である。したがって,
「共感した!重松清作品の魅力を,相手や意図に合わせた
表現物で推薦しよう。
」を位置づけることで,作品の魅力を表す一文を選んだり,主人公の深い心
情や登場人物の相互関係などを表す言葉や文を選んだりする活動を通して,登場人物の相互関係
や心情の変化,優れた叙述について自分の考えをまとめていくこと(C 読むこと エ)ができ
ると考える。また併せて並行読書材として重松清作品を取り上げる。
○指導観
第1次で,パフォーマンス課題を自分の問題として把握できるように,重松清作品についての
紹介を行う。その際,重松清の小説がドラマ化や映画化されていることから,読者がどんなとこ
ろに共感したり感動したりしているのかを教材文や並行読書材を読みながら見つけ出すことを知
らせる。そして,重松清作品の魅力を伝えるための表現物を作成するために,作品のどんなとこ
ろに共感したかや登場人物の心情,人物像などを読み取り,人の目に留まる印象的な推薦文を書
くことを確認した上で,パフォーマンス課題を提示する。
また,児童が登場人物の相互関係や心情,場面についての描写をとらえながら,優れた叙述に
ついて自分の考えがまとめられるように,相手や意図に合わせた表現物を選択したり,書く項目
を自分たちで考えたりしながら,印象的な推薦文を書くための工夫などについて意見交流をしな
がらよりよい表現物づくりができるように児童自身で練り上げていくようにする。特に推薦する
文章を書くときは,登場人物の行動や会話等に表れる内面に描かれた人物の心情に注意しながら,
想像豊かに読めるようになってほしいと考える。
第2次では,登場人物の心情や人物像,作品のどんなところに共感したかなどの個の問題と作
品の特徴やテーマ,重松清作品の魅力などの集団の問題をすりあわせながら,教師が提示したパ
フォーマンス課題を付加・修正させていく。また,問題の解決に向かう解決の方向性について,
集団で吟味させ,共感した叙述についてなぜその言葉や一文を選んだのか理由を書くことや読み
手をひきつける表現の工夫などという評価の視点を共有化させ,児童自身による相互評価活動の
必然性や相互評価の視点をもたせるようにする。
相互評価活動では,読みの観点を基に教材文「カレーライス」から共感した人物の行動や会話
を選び,それを選んだ理由をもとにして書いた推薦文をワークシートに書き込ませる。ワークシ
ートに書き込みができたら,3人のグループを作り読みの観点に沿った評価をさせる。評価用紙
に納得した点や疑問点,改善点などを書き込ませ,質問や意見などをしっかりと述べることがで
きるようにする。
次に,事前評価を基にした分析改善活動では,話し合いを通して自分の考えを付加修正するこ
とをねらいとする。そのために教師が交流の仕方のモデルを提示し,建設的な交流ができるよう
に全体の流れと具体的な発言の仕方を確認してからグループ交流を始めさせる。そして,児童は
事前評価したことを基にお互いに納得した点や疑問点,改善点などを述べ合うようにする。最後
に,相互評価や話し合いを通して深まった自分の考えを表現物に書きまとめさせる。
第3次では,
「カレーライス」で学習したことを振り返らせるとともに,パフォーマンス課題を
達成できたという充実感や達成感を味わわせるようにする。また,相互評価の内容やルーブリッ
クを基に,自己評価を行い,自分の学びにフィードバックさせるようにする。
3
単元の目標
○
物語を推薦するために,登場人物の相互関係や行動,会話,情景描写に着目して読み,内面に描
かれた心情が分かる優れた叙述に着目して想像したり,交流を通して自分の考えを広げたり深めた
りしながらまとめることができる。
(読むこと エ)
○
複数の物語を読み,その中から推薦しようと考えた物語を選び,作品の魅力を伝える引用文につ
いて,友達と進んで交流しながら自分の考えを深めることができる。
(読むこと オ)
4
単元の評価規準
国語への関心・意欲・態度
読む能力
言語についての知識・理解・技能
○相手や意図に合わせた表現物
○自分の体験とつなげながら,共感
できる叙述に着目し,登場人物の行
動や会話,情景描写などに表現さ
れている心情について読むことがで
きる。(C読むこと エ)
○友達と相互評価することで,作品
に対しての自分の考えについての
考えを広げたり深めたりしている。
(読むこと オ)
○自分が選んだ表現物の構成を
をつくるために,自分が共感した
ことや自分が選んだ物語を推薦
する理由を明らかにしながら,進
んで重松清作品を読もうとしてい
る。
理解し,推薦文を書いている。
○語感や言葉の使い方を理解
し,推薦文で使っている。
5
( )
並行読書 分
)
教材文 分
(
次
単元の指導計画(全8時間扱い)
35
10
時
1
本時
第一次
35
10
2
(2時間)
35
10
3
主
な
学
習
活
動
1 ブックトークによる重松清の作品紹介を聞く。また,単元
の見通しがもてるように,自分で選んだ重松清作品をポッ
プなどの表現物を作って分かりやすく推薦するというゴー
ル像を示し,推薦する相手や意図に合わせた表現物を選
択しながら,作品を読んでいくことを確認する。(パフォー
マンス課題の提示)
2.推薦するための表現物について知る。
【相互評価活動「観点取得活動」
】
3 教材文を読み確かめていくための観点をつかむ。
<表現物の項目>
・推薦する文章 ・登場人物 ・人物像
・あらすじ ・キャッチフレーズ など
<だれに向けて発信するか>
・友達 ・他学年 ・家族 ・地域の方 など
【読みの観点の取得】
・登場人物の行動や会話 ・情景描写
並行読書
重松清作品を
読んで,自分が
推薦したい作
品を見つける。
指導上の留意点 ※評価
○ 本を推薦する言語活動
をいくつか挙げ,自分で
選んだ表現物で作品を推
薦することを知らせ,学習
への意欲をもたせる。
※ ポップなどの表現物で
作品を推薦することに関
心をもち,進んで重松清
作品を読もうとする。(ブッ
クリスト)
○ 登場人物の行動,会話
に着目して,自分が共感
した叙述をもとに本の推薦
文を書いていくことを意識
づける。
重松清作品を
読んで,自分が
推薦したい作
品を見つける。
※ パフォーマンス課題に
対する解決の方向性を話
し合い,学習の見通しをも
っている。(振り返りカード)
4.観点を基に教材文を読み確かめるとともに,児童に
よるルーブリックを作成し,相互評価の視点を整理す
る。
(1)教科書教材「カレーライス」の範読を聞く。
(2)自分の体験や経験と重ねながら,共感した叙述や
納得した叙述について自分の考えを書いたり,疑問
に思った叙述について色分けしながら分類・整理し
たりする。
重松清作品
を,登場人物
の言動から共
感するところ
に着目して読
む。
※ 自分が共感したとこ
ろについて自分の考え
をもつことができる。
自 分 が 推薦
したい重松清
作品を選ん
で,読む。
10
4
(3)前時で書いた共感した叙述や納得した叙述,疑問
に思った叙述について,交流しながら登場人物の内
面の心情や揺れ動く心情について自分の考えを深め
る。
35
10
5
(4)相手や意図に合わせて,どのような表現物で,ど
のような項目や要素を入れるかを考えてグループで
交流する。
第二次
35
(5時間)
(5)推薦する文章を書く。
自 分 が 推薦
したい重松清
作品をどのよ
うな表現物
で,どのよう
な項目や要素
を入れるかを
考えて,推薦
文を書く。
○ 交流すると読みの内
容が深まりそうな叙述
を選んでおく。
○ 納得した点や疑問に
思った点などについて
色分けした付箋を使っ
て分類・整理させる。
○ 登場人物の会話や行動
などについて押さえる。
※ 交流を通して,登場人物
の心情について自分の考
えを整理し,まとめること
ができる。
○ 質的転換ができるようにグル
ープで交流しながら,推薦する
ための表現物や推薦する内容
について工夫しながらよりよ
いものをつくるように促す。
※ 交流をもとに推薦する
ところを明確にし,推薦
する内容を分類・整理す
る。
○ 読後感を表す言葉の
一覧表を参考に,自分の
感覚に合った言葉を選
んで使うように助言す
る。
※ 登場人物の心情や作
者のテーマなど優れた
叙述に着目し,自分の
考えをまとめている。
35
10
6
【相互評価活動(事前評価活動)】
5.グループで評価の視点に沿って友達の考えを評価
させる。
(1)友達のワークシートの記述を読み,友達の考え
を理解する。
(2)友達の考えを評価する。
・納得した点
・疑問点,改善点
・感想や意見
など
第二次
自分が推薦し
(5時間)
品を選んで,読
たい重松清作
○ グループで相互評価
することができるよう
に、ワークシートをコ
ピーし,自分以外のメ
ンバーに配布する。
○ 友達の考えに対する
疑問点や改善点等を書
き込ませ,その後の「分
析改善活動」で質問や
意見を述べることがで
きるようにする。
※ 読みの観点に沿って
自分の考えや理由を,
叙述をもとに書いてい
る。
む。
35
10
7
※ 登場人物の相互関係
の変化や内面にある深
い心情,場面について
の描写をとらえなが
ら,自分の考えをまと
めることができる。
○ ルーブリックの付加
修正をする。
【相互評価活動(分析改善活動)
】
6.自分の考えをグル―プで交流し,話し合った内容
を基に自分の考えを付加修正する。
(1)話し合い全体の流れと具体的な発言の仕方につ
いて確認する。
(2)グループで事前評価を基に,友達の考えについ
て疑問点や改善点,感想や意見を述べ合う。
(3)友だちの助言や意見をもとに,自分の考えを付加修正す
る。
自分が推薦し
たい重松清作
品を選んで,読
む。
45
8
7. 並行読書している重松清作品の中から選んで作品
を推薦する表現物を作る。
第三次
8. パフォーマンス課題を振り返り,自分の学習につ
いて自己評価する。
自分が推薦し
たい重松清作
品から,
(1時間)
○ 推薦するための表現
物を作る際に,第二次
でつくったルーブリッ
クを参考にするよう助
言する。
※ 自分が選んだ重松清
作品で,物語のあらす
じ,登場人物の相互関
係や心情の変化などを
捉えてまとめている。
※ パフォーマンス課題
に対して,自分の学習
はどうだったかを振り
返り,自分の考えを書
いている。
6
本時の展開
第6学年1組 国語科学習指導案
指導者 髙野 陽介
本時の目標
○ パフォーマンス課題について理解し,相手や意図に合わせた本を推薦するための表現物づくりに
ついて意欲を高め,学習の見通しをもつことができる。
○ 重松清について知り,重松清の作品を読んだり他の作品に関心をもったりすることができる。
7
8
本時指導の考え方
本時指導にあたっては,重松清作品に興味をもち,相手や意図に合わせた表現物づくりに意欲的
に取り組もうとする姿勢をもたせる。そのために,まず重松清の作品を紹介する。その中で,重松
清作品がドラマ化や映画化されているものが多数あり,多くの読者に感動や共感をもたれているこ
と知らせる。次に,パフォーマンス課題を提示し,活動の目的や価値を見出すことで児童の内発的
動機付けを図るようにする。
9
本時の展開
時間
3分
主な学習活動
指導上の留意点 ※評価
1.本時学習のめあてと流れをつかむ。
めあて:重松清作品について知り,学習の見通しをもとう。
5分
2.先行読書した作品・作者について知る。
○ 重松清作品の中には,ドラマ化や映画化されている作品
が数多くあることを知らせ,重松清作品について興味を
もたせる。
○ 重松清作品の貸し出し冊数を提示し,あまり読まれてい
ない現状を知らせる。
10 分
3.作品の特徴やテーマについて,先行読書した
作品をもとに考え,意見交流する。
○ 5年生で学習した椋鳩十作品である「片耳の大シカ」や
「月の輪グマ」など動物をテーマにした作品が多かったこ
とを想起させる。
○ 重松清の作品は,家族や友達との出来事など,人とのか
かわりの中で繰り広げられる人生ドラマがテーマになっ
ていることが多いことを,交流を通して気付けるようにす
る。
2分
4.パフォーマンス課題を知る。
重松清さんの小説はドラマ化されたり,映画化にもなったりしています。しかし,重松清を知る人や図書館にある
重松清作品を借りて読んでいる人は少ないです。今回,あなたは学校に「重松清作品コーナー」を設置し,重松
清作品の魅力を紹介することになりました。人気のある重松清作品はどんなところに共感できたり,感動できたりす
るのか重松清作品を読んで見つけましょう。また,推薦する表現物(ポップ,本の帯,ポスター,推薦カードなど)を
自分で選びます。そこで誰にどのような表現物で推薦するとよいかを考え,その作品を読んでもらうための工夫を
しながら印象的な表現物を作成して,重松清作品をたくさんの人に読んでもらえるようにしましょう。
8分
5分
4.本を推薦するための表現物について知る
(1) 図書館や本屋さんなどにある,本を紹介
した掲示物について知っていることを発表させ
る。
<作品を推薦するための表現物の例>
・ポップ ・本の帯 ・ポスター
・推薦カード など
(2)それぞれの表現物の特徴について知る。
2分
4.本時の振り返りをする。
10 分
5.並行読書する。
○ 本屋や図書館に行った経験を想起させ,本屋や図書館に
は本の紹介をしている掲示物が多数あり,本を読んでもら
うための表現物としてポップや本の帯,ポスターなどをつ
くって紹介していることを確認する。
○ 推薦するための表現物の特徴を書いたワークシートを
配布する。
○ 推薦する対象に合わせてどのような表現物をつくって
いくのかやどんな推薦文を書いていくのかを考えながら,
教材文や並行読書材を読んでいくことを学習の見通しと
してもつようにする。
【本教材におけるルーブリック】
パフォーマンス課題
評価規準
主な学習活動
第1次
教材文を読み確
かめていくため
の観点をつか
む。
第2次
観点を基に教材
文を読み確かめ
るとともに,児
童によるルーブ
リックを作成
し,相互評価の
視点を整理す
る。
相手や意図に合
わせた表現物を
作り,推薦する
文章を書きまと
める。
第3次
推薦したい重松
清作品の表現物
を作成する。
自分の読みや友
だちとの交流で
自分の考えがど
う深まったかを
振り返る。
重松清さんの小説はドラマ化されたり,映画化にもなったりしています。
しかし,重松清を知る人や図書館にある重松清作品を借りている人は少ない
です。今回,あなたは学校に「重松清作品コーナー」を設置し,重松清作品
の魅力を紹介することになりました。人気のある重松清作品はどんなところ
に共感できたり,感動できたりするのか重松清作品を読んで見つけましょ
う。また,推薦する表現物(ポップ,本の帯,ポスター,推薦カードなど)
を自分で選びます。そこで誰にどのような表現物で推薦するとよいかを考
え,その作品を読んでもらうための工夫をしながら印象的な表現物を作成し
て,重松清作品をたくさんの人に読んでもらえるようにしましょう。
○自分の体験とつなげながら,共感できる叙述に着目し,登場人物の行動や会話,情景描
写などに表現されている心情について読むことができる。(C読むこと エ)
○友達と相互評価することで,作品に対しての自分の考えについての考えを広げたり深め
たりしている。(読むこと オ)
A評価
B評価
C評価
B評価に加え,推薦するた 登場人物の会話や行動,情 B評価に達して
めの読みの観点をだれに向 景描写をもとに登場人物の いない。
けて発信するか,どのよう 心情を読んでいくことを読
な表現物で推薦していくか みの観点としてワークシー
を考えながら,読みの観点 トに書きまとめている。
を自分で加えながら学習の
見通しをもっている。
・登場人物の行動や会話等 ・登場人物の行動や会話等 B評価に達して
に表れる内面に描かれた人 に表れる人物の心情を読ん いない。
物の心情を読んでいる。
でいる。
・作品の魅力を伝えるのに ・作品の魅力を伝えるのに
ふさわしい叙述を,自分が ふさわしい叙述を,自分が
最も共感したところとつな 最も共感したところとつな
げて選んだり,想像を広げ げて選んでいる。
て読んだりしている。
・読み手が興味を持つよう ・読み手が興味を持つよう B評価に達して
なキャッチフレーズや推薦 なキャッチフレーズや推薦 いない。
する文章を工夫して書いて する文章を書いている。
いる。
・相手や意図に合わせた表 ・相手や意図に合わせた表
現物とその項目を表現物の 現 物 と そ の 項 目 を 自 ら 選
特徴から適切に選び,推薦 び,推薦する文章を書いて
する文章を分かりやすく工 いる。
夫して書いている。
・複数の重松清作品から推 ・複数の重松清作品から推 B評価に達して
薦しようと考えた作品を選 薦しようと考えた作品を選 いない。
び,推薦する理由を明確に び,共感できるところに着
し,共感できるところに着 目しながら,登場人物の行
目しながら,登場人物の行 動や会話などから表れる登
動や会話などから表れる登 場人物の心情を読み取って
場人物の心情を深く読み取 いる。
っている。