第4学年 国語科学習指導案 指導者 1 単元名 お気に入りの作品を紹介しよう (教材文「かげ」) 2 単元の目標 (1) 動物の様子を表している作品に興味をもち,いろいろな動物記を読もうとする。 (関心・意欲・態度) (2) 本を紹介するため,本文を引用したり,要約したりすることができる。 (読むこと(1)エ) (3) 文章を読んで考えたことを発表し合い,一人一人の感じ方について違いがあること に気付くことができる。 (読むこと(1)オ) (4) 考えたことや思ったことを表す言葉を使って,表現することができる。 (言語事項(1)イ(オ)) 3 単元と児童 (1) 児童について (省略) (2) 単元について 本単元は, 「本は友達」の単元で,6年間を通じて様々な観点から「本」 「読むこと」「読 書」について考える場として設定されている。今回は,これまであまり接する機会のなか った「動物記」に焦点を当て,その面白さに目を向けさせ,キャッチコピーの入った紹介 ポスターを作ることで,読書の幅を広げるきっかけとなることを期待して設定した。 教材文「かげ」は,「文学」とも「説明文」ともくくることのできない,「動物記」とい うジャンルであり,これまで学習した作品とはずいぶん印象の違った文章である。ドラマ 性のある作品やファンタジー作品を多く読んできている子どもたちにとっては,今までと は違う文章に戸惑いをもつことも予想される。しかし,よく読んでみると,子グマのかわ いらしく,こっけいなしぐさ,五感を刺激する森の中の描写など,面白さのエキスの詰ま った文章でもある。こうした今までとは違う種類の本の好きなところを引用したり要約し たりする読み方や,キャッチコピーという紹介の仕方を学ぶことで,子どもたちは読書の 幅を広げ,より読書を楽しむことができるものと考える。 (3) 指導について 学習の流れとしては,3つの段階で学習を進める。第1次では,これまでの自分の読書 の仕方をふり返り,○○小学校の4年生に本の紹介をするという学習の見通しをもつ。第 2次では,教材文「かげ」を読み,よさを紹介するために本文を引用したり要約したりす る読み方,紹介文の書き方を学ぶ。第3次では,第2次で学んだことを生かして, 「かげ」 の作者スラトコフの他の作品を紹介する活動を行う。第1次の見通しをもつ段階で,教師 の作成したキャッチコピーを提示して意欲を高めるとともに,スラトコフの「北の森の十 二か月」を紹介し,教材文とともに並行読書を行い,第3次につなげられるようにする。 キャッチコピーは,読み取ったことや自分の考えを,短い言葉で相手に伝える方法として 提示したい。 本時では,教材文で読み取ったことをもとに,キャッチコピーを考える活動を行う。本 の内容や感想を短い言葉で言い表すことで,作品の面白さを伝えられる言葉の働きに気付 かせたいと考える。そのために,第1次で提示した教師の紹介ポスターのキャッチコピー を参考に,形式や内容を視覚的に捉えることができるようにする。また,なぜその言葉を 選んだのかを,本文の文章に立ち返って根拠をもって説明できるようにし,同じ言葉でも 一人一人感じ方に違いがあることにも気付かせたい。このような活動を行うことで,子ど も自身が自分の力で作品を読んでいけるようにしたいと考える。 -1- 4 三 次 -2- 並行読書(スラトコフ「北の森の十二か月」 ) 二 次 お気に入りの作品の紹介ポスターを作ろう 一 次 学習計画 (本時 4/6) 時 ねらい(・言語活動) 単元を貫く言語活動 1 これまでの読書生活をふり返り,学 習の見通しをもつことができる。 ・読書アンケートをもとに,今までの の読書生活について話し合う。 ・キャッチコピーを入れた紹介ポスタ ー見て,学習の見通しをもち,学習 計画を立てる。 2 「かげ」を読み,相手が興味をもっ てくれるように,全体のあらすじをま とめることができる。 ・全体のあらすじを確かめる。 ・相手が興味をもつようなまとめ方の 工夫について確かめる。 ・作品のあらすじをまとめる。 3 「かげ」を読み,相手が興味をもっ てくれるように,自分のおすすめの理 由をまとめることができる。 ・おもしろいと思ったところや心に残 ったところを話し合う。 ・自分のおすすめの理由をまとめる。 4 キーワードを使ってキャッチコピー 本 を作り,それを作った理由とともに紹 時 介することができる。 ・文章中のキーワードを入れて,キャ ッチコピーを作る。 ・作ったキャッチコピーをそれを作っ た理由とともに紹介し合う。 5 「北の森の十二か月」からお気に入 ・ りの作品を選び,キャッチコピーを入 6 れた紹介ポスターを作ることができる。 ・お気に入りの作品のおもしろいと思 ったところや心に残ったところを中 心に,あらすじをまとめる。 ・自分のおすすめの理由をまとめる。 ・お気に入りの作品のキャッチコピー を作る。 主な評価規準(方法) 関 今までの自分の読書の仕方をふ り返り,いろいろな本を読んで紹 介したいという気持ちをもって話 し合いに参加している。 (発言・ノート) 読 「かげ」の内容を紹介するた めに,場面設定,登場人物,登場 人物の行動のおもしろさなどをと らえ,本文を引用したり要約した りしている。 (発言・シート) 読 「かげ」のおもしろさを紹介 するために,自分の感想を入れた り,心に残った文章や言葉を引用 したり要約したりしている。 (発言・シート) 読 根拠を明確にして,「かげ,子 グマ,森の中,わたし」などのキ ーワードを入れて短い言葉でまと めている。 (シート) 言 本の内容や感想を短い言葉で表 す言葉の働きに気付いている。 (ノート・発言) 読 紹介したい作品を必要に応じて 読み返しながら,本文を引用した り,あらすじを要約したりしてい る。 (紹介ポスター) 読 ポスターを紹介し合い,一人一 人の感じ方について違いがあるこ とに気付いている。 (発表) 5 本時の実際 (4/6) (1)ねらい 「かげ」の面白さを伝えるために,キーワードを使ってキャッチコピーを作り,その言 葉を使った理由とともに紹介することができる。 (2)学習過程( 学習のめあて 評価) 時間 5 1 学習活動(学習形態) 教師の支援と評価 資 料 学習のめあてを確かめる。 ・本時につなげるために,前時にまとめた ノートの抜粋 (一斉) 子どもの感想をいくつか取り上げる。 紹介ポスター ・活動の見通しがもてるように,教師の作 「かげ」のおもしろさが伝わ 成した紹介ポスターや子どもがこれまで るキャッチコピーを作って, 作ってきているポスターを提示する。 友達としょうかいし合おう。 15 2 ・文章中にあるキーワード「かげ,子グマ, 短冊シート 文章中のキーワードを入れ 森の中,わたし」などから選んで入れる タイマー て,キャッチコピーを作る。 ことを確認する。 (一斉→個) ・キャッチコピーができたら,なぜその言 葉を使ってまとめたのか,理由もノート にまとめるように促す。 22 ・3~4人のグループにし,紹介後感想や 紹介の手順 自分の作ったキャッチコピ アドバイスを交流することも確認する。 視点別のカ ーを理由を付けて紹介し合う。・交流後,自分のキャッチコピーを直した ード (グループ→一斉) り書き加えたりする時間を設ける。 ・同じ視点でまとめていたもの,違う視点 B評価の例 でまとめていたものなどを取り上げて, ・ぼくは, 「~の子グマ~」と 一人一人感じ方に違いがあることに気付 作りました。理由は,かげ かせるようにする。 をてきだと思っている子グ ・子どもから出なかった場合は,教師が意 マの様子がおもしろかった 図的に取り上げる。 からです。 ・わたしは,「~森の中で~」 「かげ,子グマ, と作りました。理由は,本 読 根拠を明確にして, 当に森の中にいるような感 森の中,わたし」などのキーワードを じがしたからです。 選んで入れて短い言葉でまとめている。 (カード) 3 4 本時の振り返りをする。 (一斉) ・友達の発表を聞いて気付いたこと,紹介 ポスターに生かしたいことを中心にふり 返るように促す。 3 -3-
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