地歴公民(日本史) <全体分析> 慶應義塾大学 商学部 1/1 試験時間 60 分 解答形式 マーク式 59 問(語句選択 59 問) 記述式 18 問 短文記述1問 論述式1問 計 79 問 分量・難易(前年比較) 分量(減少・変化なし・増加) 難易(易化・変化なし・難化) 大問数3題は変化なし。小問数は 77 問から 79 問に増加した。語句選択問題は 52 問から 59 問に増 加した。昨年度まで出題されていた正誤判定問題が、本年度は出題されなかった。記述式問題は 22 問から 18 問に減少した。論述式問題は1問から短文記述と論述式の2問となった。難易度は大幅に 易化した。 出題の特徴 昨年度は古代1題、近世1題、近現代1題であったが、本年度は古代1題、近世1題、近代1題と なり、中世史は昨年度に引き続き出題されなかった。また、昨年度に出題された現代史が、本年度は 出題されなかった。このように、出題される時代の偏りが入試年度ごとに変化するのが、商学部の出 題の特徴といえる。また、2015 年度に復活した論述式問題が本年度も出題されたが、昨年度は 60 字 の論述式、本年度は 20 字の短文記述と 25 字の論述式であり、形式が一定していない。 その他トピックス 昨年度まで出題されていた正誤判定問題が、本年度は出題されなかった。 <大問分析> 番号 出題形式 出題分野・テー マ コメント(設問内容・答案作成上のポイントなど) 難易度 問2(a)の「負名」は、「名田」の「耕作が委ねられる」とい う問題文の内容から確定したい。問2(b)の「大名田堵」 語句選択 は、問題文の文章の流れをよく読めば、「富豪」「田堵」と Ⅰ 記述式 やや易 いった解答を排除できるだろう。問3の短文記述問題 短文記述 は、「人から土地へ」という文意があれば十分である。こ れら以外の設問は、とりこぼさないようにしたい。 Ⅱは昨年度に引き続き、近世の文化史の出題となった。 問1(51)(52)の「平田篤胤(49)」は、「儒教・仏教が渡来 する以前の神道」を説いたのは本居宣長(58)も該当する ので迷うかもしれないが、続く問題文の「地方の神職、 豪農らに受け入れられる」「幕末にいたるまで影響力を 江戸時代後期の もった」などから解答を確定することができるだろう。 語句選択 Ⅱ 学問・文芸・美 問1(69)(70)の「教諭所(22)」は難問だが、問題文の文脈 やや易 記述式 から教育施設に関する一般的呼称が問われていると判 術 断したうえで、選択肢を吟味して正解に近づきたい。問 1(75)(76)の「風景版画(51)」も語群を吟味すれば正解 できるが、迷ったであろう。問2(6)の「生世話物」はや や難で、下線部の「町人の日常生活を写実的にとらえた」 という内容から解答を導くのは困難であろう。 開国以後の対欧米関係・殖産興業・立憲体制の成立・条 幕末~明治時代 約改正を扱っている。基本問題ばかりなので、十分な対 語句選択 の対欧米外交と 策をとっていた受験生にとっては、全問正解も可能であ Ⅲ 記述式 易 政治・経済の近 る。なお、問題文中の「1893 年に」は誤りなのでこれを削 論述式 除し、「その翌年」も正しくは 1894 年であることが、あ 代化 らかじめ大学側から受験生に向けて発表された。 ※難易度は5段階「難・やや難・標準・やや易・易」で、当該大学の全統模試入試ランキングを基準として判断 しています。 北家の台頭と摂 関政治-源平の 台頭と地方制度 の転換 <学習対策> 時折、教科書範囲を逸脱した設問が見られることもあるが、それには固執せず、教科書の範囲内で解け る問題を取りこぼさないように学習することが肝要である。特に、商学部は記述式問題が多いので、歴史 用語を正しく書く練習を欠かさないようにしたい。政治・社会経済・外交・文化を満遍なく学習したうえ で、頻出テーマである社会経済史・文化史については、少し詳細な内容まで確認しておくとよい。また、 本年度も中世からの出題がなかったが、油断せずに学習しておきたい。 © 河合塾 2016 年
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