地歴公民(世界史)

地歴公民(世界史)
名古屋大学 文学部、情報文化学部(社会システム情報学科)
(前期) 1 / 1
<全体分析>
90 分
試験時間
解答形式
大問単位では、記述式と短文論述を併用する問題が3つで、長文論述が1つ。短文論述は、25~100 字程度の
ものが 9 問で、昨年とほぼ同程度。問題Ⅳの長文論述の字数は 350 字のままであるが、昨年、参考語句にも
どった語群が今年は再び指定語句となった。
分量・難易(前年比較) 分量(減少・変化なし・増加) 難易(易化・変化なし・難化)
大問は全部で 4 題で例年通り。設問別では解答数で、記述式が 24 問、短文論述が 9 問、350 字の長文論述が
1 問。昨年とは異なり、記号選択は出題されず、昨年減少した記述式解答は大幅に増加した。短文論述の字
数は同程度、問題Ⅳの長文論述の字数も昨年と同じ 350 字であった。難易度としては、記述式や短文論述は
昨年と同レベルで、長文論述はやや平易になったことから、全体としてやや易化したと思われる。
出題の特徴
出題テーマは、時代的には、一昨年と同様に大問4つすべてが近代以前のテーマとなり、近・現代からの出
題はわずかであった。地域別では、大問で東洋史が中国史と東南アジア関連の2題、西洋史が2題で、例年
と同様であった。
その他トピックス
昨年、問題Ⅳの長文論述で出題されたイスラーム商人の海上交易に関する問題が、今年も問題Ⅲ問4の短文
論述でまた出題された。
<大問分析>
番号
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
出題形式
出題分野・テーマ
コメント(設問内容・答案作成上のポイントなど)
難易度
記述式・短 古代地中海世界の 『通商国家カルタゴ』(講談社)に掲載されている地図 標準
文 論 述 併 海上交易
を引用した問題。基本的事項を扱った設問が多いが、
用
問2のフェニキア人がとった交易ルートに関する設
問は、教科書レベルを超える難問であった。
記述式・短 中国の土地・税制 文献からの引用文に空欄をつくっているため正解が 標準
文論述併 度
入りにくく、問5の宋代の専売品目を問う設問はやや
用
難しかった。問3の両税法の説明は、いくつ内容が書
けるかがポイントとなろう。
記述式・短 文化的視点から見 文献からの引用文に下線を引き、設問がつくられてい 標準
文 論 述 併 た東南アジア世界 る。教科書レベルで東南アジア史を学習していれば、
用
正解できる。
長文論述
(350 字)
中世末期ドイツ・ 受験生が苦手とする中世ヨーロッパを扱った問題で
イタリアの政治状 あるが、対象地域がドイツとイタリアで、政治史の内
況
容を問うているので、比較的対応しやすい。
標準
※難易度は5段階「難・やや難・標準・やや易・易」で、当該大学の全統模試入試ランキングを基準として判断し
ています。
<学習対策>
●大問テーマは、例年、西洋史と東洋史が2つずつで、古代地中海史、中国制度史、中世ヨーロッ
パ史、アメリカ合衆国史などの近代欧米史、イスラームに絡んだ東南アジア史などの出題頻度が
高い。難易度としては、一部に難しい設問もあるが、全体には、基本的事項を総合的にとらえる
力が試されている。過去問を研究して、歴史のタテ軸・ヨコ軸に対応できる学力を身につけたい。
●合否のポイントとなる長文論述問題は、歴史的事件の背景や因果関係など問うものが多い。平素
から世界史を大きな視点からとらえて学習していく積極的な姿勢が重要である。
© 河合塾
2016 年