地歴公民(世界史) 慶應義塾大学 経済学部 1/1 <全体分析> 試験時間 80 分 解答形式 選択式・記述式・論述式 分量・難易(前年比較) 分量(減少・変化なし・増加) 難易(易化・変化なし・難化) 2年前は大問による区分が存在しなかったが、昨年度(大問3つ)に続き本年度(大問2つ)も大問 が区分された。解答数は昨年度と同様に 42 個。論述は昨年度の 10 問に対して7問で、行数は 17 行と なった。 特徴 昨年度に論述問題が増加し、本年度もほぼ同様の分量が出題された。年代整序問題・資料問題・地図 問題が出題されたのも昨年同様である。写真が2年ぶりに使用された。昨年度ほど難解な知識が要求 されないという点では易化したが、資料やデータをもとに知識を運用する能力が求められるような練 られた良問が多く、単なる史実の丸暗記では太刀打ちできない。 他トピックス 本学部では定番の 1970~80 年代のアメリカ経済史が、昨年度に続き今年度も出題されなかった。一 方、昨年度は伊万里焼に関連した出題がなされたように、本年度では問題文中でエルトゥールル号事 件が扱われたほか、 「日本の中東3ヶ国からの原油輸入量の推移」の統計が用いられるなど、日本と関 係するテーマが出題された。ただし、日本史の深い知識・理解が問われているわけではない。 <大問分析> 番号 形式 Ⅰ 選択式 記述式 論述式 Ⅱ 選択式 記述式 論述式 出題分野・テーマ 中東地域の歴史 北欧諸国の歴史 コメント(設問内容・答案作成上のポイントなど) 難易度 問2 写真はイスファハーンの「イマームの広場」 。 問3 (1)スエズ運河から紅海を経由するので、アフリカ南 端のケープタウンは通過しない。 問6 c.と e.は、それぞれ資料から第2次中東戦争、第3 次中東戦争の内容だと判断する。 問9 イラン革命後、対米関係は極めて悪化したが、日本 は米の圧力を受けつつもイランとの石油取引を続けた。一 方のイラクはクウェート侵攻により国際連合から石油禁輸 などの経済制裁を受けた。 問 12 問題文の下線はスウェーデンの覇権について述べて いるので、その要求を満たす史実を述べればよい。 問 15 第二次世界大戦中のフィンランドは見逃しがちなテ ーマだったかもしれないが、高校教科書にも説明がある。 標準 標準 ※難易度は5段階「難・やや難・標準・やや易・易」で、当該大学の全統模試入試ランキングを基準と して判断しています。 <学習対策> 本学部では、年代整序問題や、出来事の起こった時期を年表中から選ばせる問題が多いため、歴史の流 れや事項の前後関係、年号をしっかりと学習したい。また、現代の欧米・日本の経済史は本学部の頻出テ ーマであるため、経済学部の性格を考慮した学習が望まれる。さらに普段の学習ではなかなか見ること のない資料やグラフが多く出題されることも特徴だが、類似の資料やグラフがたびたび出題される。そ のため過去問を解くことは本学部を受験するにあたって必須といえよう。 © 河合塾 2016 年
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