メキシコの政策金利引き上げについて

ご参考資料
2016年2月18日
メキシコの政策金利引き上げについて
ポイント① 政策金利を3.75%に引き上げ
2月17日、メキシコ中央銀行は緊急の金融政策決定会
合を開催し、政策金利であるオフィシャル・オーバーナイト・
レートを0.50%引き上げ、年率3.75%とすることを決定し
ました。同中銀が事前の通知なしに金融政策決定会合を
開催し、金融政策を変更したことは初めてだったことなどから、
市場では驚きをもって受け止められました。
ポイント② ペソ安とインフレ期待の高まりに対応
今回の決定の目的には、ペソ安を受けたインフレ期待の
上振れにより、インフレ率が上昇することを防ぐことがあります。
同中銀は声明において、原油価格の下落が同国の財政と
経常収支に影響を与えており、ペソ安に伴なうインフレ期待
の高まりが、3%のインフレ目標の達成に即さなくなっている
と説明しています。
同時に、メキシコ財務省は原油安を受けて歳入減に見
舞われている中で、2016年の歳出を昨年11月に可決さ
れた予算から約1,323億ペソ削減することを発表しました。
この削減額は、同国のGDP(国内総生産)の約0.7%
に相当します。
また、同中銀は為替介入方法の変更を発表しました。ペ
ソの下落幅に応じた「ルールベース」での介入に代わり、ペソ
買い介入の必要に応じて金融機関にドルを直接売却する
方法を発表しました。従来の機械的な介入から自由裁量
の介入への転換により、市場ではペソ安を見込む投機的な
取引が行なわれにくい環境になるとみられています。
ポイント③ 一連の決定を受けメキシコペソは上昇
2月17日の外国為替市場(ニューヨーク時間17時頃)
では、今回の一連の決定が好感され、対米ドル、対円とも
に前日比2.8%程度のメキシコペソ高となりました。
同中銀は、今回の決定について「新たな利上げサイクル
の始まりではない」と強調しており、今後の金融政策につい
ては、ペソの動向とインフレ率への波及効果を特に注視して
いくと説明しています。
図1:政策金利の推移
(%)
5.0
期間:2014年1月1日~2016年2月17日、日次
4.5
4.0
3.5
3.0
2.5
2.0
14/1
14/7
15/1
15/7
16/1
(年/月)
図2:消費者物価指数(前年同月比)の推移
(%)
6
期間:2013年12月~2016年1月、月次
5
4
3
2
13/12
14/6
14/12
15/6
15/12
(年/月)
図3:為替レートの推移
期間:2013年12月31日~2016年2月17日、日次
(円/メキシコペソ)
(メキシコペソ/米ドル)
9.0
12
8.0
7.0
14
6.0
メキシコペソ安
5.0
13/12
16
メキシコペソ高
14/6
18
対円(左軸)
対米ドル(右軸、逆目盛)
14/12
15/6
15/12
20
(年/月)
(出所)Bloombergデータより野村アセットマネジメント作成
重要
イベント
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GDP(2015年10-12月期)
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消費者物価指数(2月)
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