トルコの政策金利引き上げについて

ご参考資料
2016年11月25日
トルコの政策金利引き上げについて
ポイント① 政策金利を8.00％に引き上げ
トルコ中央銀行は11月24日の金融政策決定会合で、
主要政策金利である1週間物レポレートを0.50％引き上
げ、8.00％とすることを決定しました。また、市場金利の上
限となる翌日物貸出金利を8.25％から8.50％に引き上
げた一方、市場金利の下限となる翌日物借入金利は
7.25％に据え置きました。
一部の市場参加者は今回の利上げを予想していました
が、利上げ幅は1週間物レポレートで0.25％と見る向きが
多かったため、0.50％の利上げは市場で驚きを持って受け
止められました。利上げは2014年1月以来、2年10ヵ月ぶ
りとなります。
ポイント② 通貨安によるインフレリスクに対応
今回の決定の背景には、トルコリラの下落によりインフレリ
スクが上昇していることがあります。7月のクーデター未遂を
受けて政治的不透明感や地政学的リスクが高まったことに
加えて、今月の米大統領選でトランプ氏が予想外の勝利
を収め、新興国資産からの資金流出懸念が高まり、リラは
対米ドルで過去最安値を更新していました。同中銀は声
明で、通貨安によりインフレ見通しの上振れリスクが生じて
いると指摘し、「不都合な影響を阻止するため、金融引き
締めの実施を決定した」と説明しています。
ポイント③ リラは一時上昇も、反落し、最安値を更新
利上げ決定を受けた外国為替市場では、利上げ幅が市
場の大方の予想を上回ったことなどを受けて、トルコリラは一
時上昇しました。
しかしその後、今後の金融政策に対する不透明感が意
識されたことや、欧州議会がトルコとのEU（欧州連合）加
盟交渉の中断を求める決議を採択したとの報道が伝わると、
トルコリラは下落に転じ、対米ドルで前日比1.5％程度、
対円で同0.8％程度のトルコリラ安（ニューヨーク時間24
日17時頃）となり、対ドルで再び最安値を更新しました。
重要
イベント
12月5日
消費者物価指数（11月）
図1：政策金利の推移
（％）
15
期間：2013年12月31日～2016年11月24日、日次
10
5
※市場金利は銀行間翌日物金利
0
13/12
15/6
14/6
14/12
市場金利※
1週間物レポレート
翌日物借入金利
翌日物貸出金利
15/12
16/6
（年/月）
図2：消費者物価指数（前年同月比）の推移
（％）
10
期間：2013年12月～2016年10月、月次
9
8
7
6
13/12
14/6
14/12
15/6
15/12
16/6
（年/月）
図3：為替レートの推移
期間：2013年12月31日～2016年11月24日、日次
（円/トルコリラ）
（トルコリラ/米ドル）
60
1.5
対円（左軸）
対米ドル（右軸、逆メモリ）
50
40
2.0
2.5
トルコリラ高
30
20
13/12
3.0
トルコリラ安
14/6
14/12
15/6
15/12
（出所）Bloombergデータより野村アセットマネジメント作成
16/6
3.5
（年/月）
12月12日 GDP（国内総生産、7-9月期）
12月20日金融政策発表
当資料は、投資環境に関する参考情報の提供を⽬的として野村アセットマネジメントが作成したご参考資料です。投資勧誘を⽬的とした
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