トルコの 翌日物貸出金利の引き下げについて

ご参考資料
2016年5月25日
トルコの
翌日物貸出金利の引き下げについて
ポイント① 翌日物貸出金利を9.5%に引き下げ
トルコ中央銀行は5月24日の金融政策決定会合で、市
場予想通り、市場金利の上限となる翌日物貸出金利を
10%から9.5%に引き下げました。主要政策金利である1
週間物レポレートは7.5%に、市場金利の下限となる翌日
物借入金利は7.25%に、それぞれ据え置きました。これに
より、政策金利のコリドー(上限金利と下限金利の幅)が
縮小しました。
図1:政策金利の推移
(%)
16
期間:2013年12月31日~2016年5月24日、日次
12
8
翌日物貸出金利の引き下げは3会合連続となります。同
中銀は3つある政策金利を最終的に一本化していく「単純
化」を進めており、今回の決定は計画に沿った措置だと説
明しています。
※市場金利は銀行間翌日物金利
0
13/12
14/6
14/12
ポイント② ショックへの経済の耐性の強まりが背景
(%)
10
今回の翌日物貸出金利の引き下げ決定について、同中
銀は、世界の金融市場のボラティリティが幾分上昇したもの
の、これまで実施してきた政策により、外的ショックに対する
同国経済の耐性が強まっていることなどを理由として挙げて
います。
なお、同国では今月、中銀の独立性に理解を示していた
ダウトオール首相が事実上更迭され、後任に、利下げを強
く要求するエルドアン大統領の側近であるユルドゥルム氏が
内定しました。これにより、市場では政府から中銀への利下
げ要求がさらに強まるリスクが懸念されていました。
ポイント③ トルコリラは上昇
今回の決定は、大幅な利下げを懸念していた市場に安
心感をもたらす格好となりました。さらに、金融政策決定会
合前に、財政規律を維持し、経済政策の実績があるとして
市場からの信任が厚いシムシェキ副首相の留任が決まった
ことなどを好感し、5月24日の外国為替市場(ニューヨーク
時間17時頃)では、トルコリラは対米ドルで前日比1.7%
程度、対円で同2.4%程度のトルコリラ高となりました。
重要
イベント
6月3日
消費者物価指数(5月)
6月10日
GDP(国内総生産、1-3月期)
6月21日
金融政策発表
市場金利※
1週間物レポレート
翌日物借入金利
翌日物貸出金利
4
15/6
15/12
(年/月)
図2:消費者物価指数(前年同月比)の推移
期間:2013年12月~2016年4月、月次
9
8
7
6
13/12
14/6
14/12
15/6
15/12
(年/月)
図3:為替レートの推移
期間:2013年12月31日~2016年5月24日、日次
(円/トルコリラ)
(トルコリラ/米ドル)
60
1.5
対円(左軸)
対米ドル(右軸、逆目盛)
50
2.0
40
2.5
トルコリラ高
30
3.0
20
13/12
トルコリラ安
14/6
14/12
15/6
15/12
3.5
(年/月)
(出所)Bloombergデータより野村アセットマネジメント作成
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