非農地化への対応 農委会名:上天草市農業委員会 1 地域の概要 上天草市は、熊本県南西部、天草諸島上島の東北部海岸に位置し、北は宇城市三角町、 南は天草市倉岳・栖本町、西は天草市有明町に隣接している。気候は海に面しているだ けに温暖で、年間の平均気温は17℃強、海岸一帯は霜をみることもなく降雪もまれで ある。 農用地は傾斜地等が多く、その立地条件の特性を生かして、稲作、花き、柑橘、野菜、 たばこ及び酪農、畜産等との複合経営による生産が行われてきたが、高齢化、兼業化の 進行により農産物の輸入自由化及び消費者ニーズの多様化など極めて厳しい状況下にお かれている。 2 農業委員会の体制 委員数 21名(選挙16名(選任7名)、選任5名(女性2名、認定2名) ) 職員数 3名 3 掲げた目標とその達成に向けた大作戦の内容 昨年度までの(耕作放棄地全体調査を兼ねた)農地利用状況調査により、復元困難な 農地(B分類)は1,187haに上り管内農地の約半分を占める面積が非農地判断の 対象となっている。 非農地化を推進することで、土地の現況と 農地台帳等各種台帳との地目の整合ができ、 優良農地を守っていくことに繋げていくこと を目標に掲げた。 非農地化を進めるにあたっては、個別の対 応でなく市全体を計画的に進めていく必要が あったが、個人の相談等も増えていたため、 申請により個別対応ができる要領を定め対応 した(負荷を避けるため、周知を行わず相談時対応) 。 現地調査を行う委員 また、今年度の計画としては樋島地区全体を対象とした。 4 取り組みの成果 平成26年9月総会時に「農地に該当するか否かの判断事務取扱要領」を諮り制定。 売買、転用案件と同様に毎月個別対応ができる体制となった結果、同年度は3件の申 請があり、5筆、5,626㎡を非農地として判断した。 また、樋島地区の成果としては、同年度の改正で市町村からの判断依頼等が省かれた ことと農業振興区域内農地も判断できるようになった結果、828筆、426,133 ㎡を非農地として判断するに至った。 5 課題と今後の方針等 個別案件については、所有者による登記地目変更まで期待できるが、計画案件につい ては、効率的に行う方法を検討する必要がある。 また、非農地化を飛躍的に推進するには、人員体制を含めた組織対応が求められる。
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