子どもたちの農作業体験 (農業委員の発案による遊休農地活用事業) 農委会名:熊本市農業委員会 1 地域の概要 熊本市は九州、そして県のほぼ中央の少し北側に位置している。市域の北西部は金峰山 を主峰とする山地で、東部は阿蘇山の活動でできた丘陵地帯、南部は白川などによって形 成された低平野の田園地帯となっている。 温暖な気候により、米・野菜・果樹・花き・酪農など多様な農業経営がなされており、 全国でも高い生産額を誇っている。しかし、農業を取り巻く環境は厳しくなっていること から、農業の持続的発展を目指し平成20年度に策定された「熊本市農水産業計画」の実 現に向け、担い手育成や担い手への農地集積など多くの課題に取り組んでいる。 2 農業委員会の体制 委員数 49名(選挙40名(認定20名)、選任9名(女性2名、認定2名)) 職員数 29名 3 掲げた目標とその達成に向けた大作戦の内容 耕作放棄地解消の取り組みとして、農業委員の発案により遊休農地の有効活用を図るた め、平成20年度からの継続事業として「農作物の収穫体験」を実施している。平成22 年度より、耕作放棄地解消啓発事業として予算化し、今年度は熊本市西区の城山地区にお いて、地元の子どもたちが農作業体験としてジャガイモ収穫を行った。 農業委員の指導のもと、近隣小学校の児童及び保育園の幼児約180人が畑一面に実っ たジャガイモを掘り出し、収穫の喜びを味わった。収穫したジャガイモは熊本市教育委員 会の協力により、熊本市の西部及び南部地区の学校給食の食材として用いられ、地産地消 による食育に寄与した。 4 取り組みの成果 子どもたちの活動を通して地域の住民が農業に対して身近に感じ、関心が深まることに 効果があり、その取り組みについても、テレビ及び新聞のニュース取材を受けた。農業委 員会の活動を知ってもらうことが耕作放棄地解消に繋がる大きなステップであり、十分な 成果があったと考えている。 5 課題と今後の方針等 子どもたちの農作業体験で栽培した農作物は、地区の特性も加味しており、今後も教育 委員会と連携し、地区の特性に合わせた作物を学校給食に活用して食育を行い、地産地消 の必要性をアピールできるよう、現在の取り組みを継続して実施していく。 今後の方針としては、耕作放棄地解消に取り組む中で、地産地消による食育を通して、 食の安心・安全は「優良農地確保が重要」であることを市民にアピールしていきたいと考 えている。
© Copyright 2024 ExpyDoc