農業委員自主活動による耕作放棄地解消運動 農委会名:天草市農業委員会 1 地域の概要 天草市は、熊本県南西部に位置する天草諸島の中心部に位置しており、地形はそのほ とんどが山林で占められ急峻で平野部は少なく、海岸線の河口部に市街地が形成されて おり、農地は山間部の狭小な平野や河口部に点在している。 事業実施地区は、天草市の中心部である本渡地区の県立天草高校の北側に位置してい る。当農地は、ここ数年耕作されておらず、雑草の茂る耕作放棄地となっている。 2 農業委員会の体制 委員数 36名(選挙28名(認定12名)、選任8名(女性1名、認定1名)) 職員数 6名 <除草作業をする農業委員> 3 <種まきの様子> 掲げた目標とその達成に向けた取り組み内容 耕作放棄地解消と農地の有効利用促進を目的とし、耕作放棄地となっていた約30a の農地を、8月下旬、地元農業委員等で草刈を行った後、8月末に職員2名、地元農業 委員で、消防署に届け出のうえ、現地焼却作業を行った。 9月初旬、念入りに耕起及び畝上げ作業を行い、9月8日に職員3人、農業委員12 人と、協力要請に応じていただいた本渡南小学校2年生の児童で種まきをした。 10月に入ると、徐々に開花を迎え、中旬を過ぎるころにはまばらながらも満開状態と なり、地域でも評判となっていた。 10月16日、今後の天候、小学校の日程等を総合的に判断し、24日に花の摘み取 りを行うことを決定し、同日午前10時から、地元、本渡南小学校の2年生児童、会長 以下農業委員21人、事務局職員4人の参加をもって花摘みを実施。児童たちは、自分 たちで種をまき、自分たちで摘み取ったヒマワリを両手いっぱいに抱え、満面の笑みで 小学校に戻っていった。 4 取り組みの成果 耕作を放棄され荒れていた田・畑に、約5万本のヒマワリを咲かせ、農地の再生と環 境整備を行った結果、開花状況が地域住民の日々の話題となり、また、児童たちにも農 業委員の存在と活動を知ってもらい、農業委員活動のアピールにもなり、実りの多い事 業であった。 <たくさんの花をかかえる児童たち> 5 <農業委員の指導でヒマワリを摘む児童> 課題と今後の方針等 耕作放棄地の解消と、農地再生の継続的な利用が一つの大きな目的であるが、耕作放 棄された農地は、いずこも何らかの悪条件を抱えているために見放された箇所が多く、 今回の農地も郊外ではあるが、今後の耕作者がなかなか見つからない状態である。 とはいえ、市内を巡回する形で実施し、委員の自覚を促すとともに、農業委員の活動内 容やその役割を広く地域住民にアピールし、少しずつではあるが、耕作放棄地の解消に結 びつけるという成果もあげている。 これらの事業効果に照らし、ヒマワリ以外の農作物栽培も念頭に置いて、次年度以降も 継続し、地域に根付いた事業を展開していきたい。
© Copyright 2024 ExpyDoc