2月のユーロ圏消費者物価指数

2015 Mar
18
2月のユーロ圏消費者物価指数
低下基調に反転の兆し
昨日発表された2月のユーロ圏のCPI(消費者物価指数・前年
比)は市場予想通りに-0.3%となりました。今回の結果は、低下基
調に反転の兆しがみられるものであり、ユーロ圏を取り巻く経済環境
が緩やかに改善しつつあると考えています。
内訳をみてみると、食料品などが回復傾向にあり、製造業でも自
動車などが底堅く推移しています。この背景には、今年1月のECB
(欧州中央銀行)の追加金融緩和発表を受けてユーロ安が進んだ
ことによる輸入物価への上昇圧力や、消費に底堅さが増しつつある
ことなどがあるとみています。また、失業率も足下では3ヵ月連続で
低下し、雇用環境も改善しています。失業率の改善は家計所得の
増加につながるため、ユーロ圏の個人消費は引き続き回復していく
とみています。
足下の米国の利上げ観測の高まりやECBによる追加金融緩和が
(%)
4
CPI(消費者物価指数・前年比)
の推移
CPI
3
(%)
13.5
失業率と就業者数(前年比)
(%)
の推移
1.5
失業率(左軸)
食料品
13.0
自動車
12.5
0.5
12.0
0.0
11.5
-0.5
11.0
-1.0
10.5
-1.5
10.0
-2.0
2
1
0
-1
-2
1.0
就業者数(右軸)
9.5
12/2
13/2
14/2
(出所)Bloombergのデータを基に三菱UFJ投信作成
15/2
(年/月)
-2.5
10/1
11/1
12/1
13/1
14/1
(出所)Bloombergのデータを基に三菱UFJ投信作成
15/1
(年/月)
主なイベント・経済指標発表予定(結果)
来年9月まで継続することなどを考えると、ユーロ安(対米ドル)はし
ばらく続くと考えています。しかし、上記の通りに通貨安は輸出の追
曜日
日本
 日銀金融政策決定会合(17~18日)
い風になることやファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)の改善に
より、ユーロ圏経済は徐々に持ち直していくことが見込まれるため、
3月
その後のユーロは落ち着いた相場になっていくと予想しています。
17日
米国
 2月住宅着工件数
年率89.7万件(前回同108.1万件)
 FOMC(米連邦公開市場委員会)[17~18日]
火
 2月貿易収支
グローバル・マーケット・ストラテジー・チーム
アシスタントストラテジスト
中山 健悟
3月
18日
水
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