ドイツが域内経済をけん引

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ピクテ・マーケット・フラッシュ 2015年3月10日
先進国
Pictet Market Flash
ユーロ圏経済:ドイツが域内経済をけん引
2014年10-12月期のユーロ圏実質GDPは、7四半期連続のプラス成長となりました。輸出と個人消費が追い風となり、
ドイツが域内経済をけん引しました。 欧州中央銀行(ECB)の量的金融緩和は、本日(2015年3月9日)、開始されま
す。ユーロ圏経済は、一年を通じて回復基調を辿るものと考えます。
ユーロ圏経済は改善基調
図表1:ユーロ圏実質GDP成長率の推移
(四半期、期間: 1999年1-3月期~2014年10-12月期)
2014年10-12月期のユーロ圏実質GDP(域内総生産)
成長率(改定値)は速報値と変わらず、7四半期連続の
プラス成長となりました。
ユーロ圏経済は、原油安、ユーロ安、緊縮財政の終了、
金融緩和政策の継続等の要因に支えられ、拡大基調
を維持するものと思われます。もっとも、直近の製造業
受注ならびに鉱工業生産統計に示唆される製造業セ
クターの伸び悩みには留意が必要です。
%
6
前年同期比
4
2
0
前期比、年率
-2
-4
-6
-8
-10
-12
2014年10-12月期の実質GDP成長率
改定値は速報値と変わらず
2014年10-12月期のユーロ圏実質GDP(域内総生産)
成長率(改定値)は前期比+0.3%(年率+1.3%)、前年同
期比+0.9%となり、いずれも速報値と変わりませんでし
た(図表1参照)。この結果、2014年通年の実質GDP成
長率は、前年比+0.9%となり、2年連続のマイナス成長
(2012年は同-0.8%、2013年は同-0.4%)からプラス成長
に転じたことが示唆されます。
輸出と個人消費が貢献
GDPを構成する支出項目の詳細からは、輸出ならびに
個人消費が域内経済の拡大に最も大きく寄与したこと
が確認されます。固定資本形成もプラス寄与でしたが、
政府消費支出の寄与度はほぼゼロとなりました。
99年
01年
03年
05年
07年
09年
11年
13年
出所:ピクテグループのデータを使用しピクテ投信投資顧問作成
家計消費支出は一段の改善
直近の家計消費支出統計からは、1月のユーロ圏小売
売上高(数量ベース)が前月比+1.1%と、市場予想の同
+0.2%を大幅に上回って4ヵ月連続で増加し、2013年5月
以来の水準を回復したことが確認されました。もっとも、
国別の格差が際立ち、ドイツが大きく回復した一方、フ
ランスは小幅に留まりました。
また、2月のユーロ圏消費者信頼感指数も2007年9月
以来の水準を回復しており、今後数ヵ月にわたる家計
消費支出の改善を示唆しています。
<次ページに続きます>
ピクテ投信投資顧問株式会社
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Pictet Market Flash
先進国
ドイツ鉱工業生産指数:市場予想を上回る
2015年1月のドイツの鉱工業生産指数は、前月比+0.6%
となり、市場予想の同+0.5%とほぼ変わらずでした。ま
た 、 2014 年 12 月 改 定 値 は 速 報 値 の 同 +0.1% か ら 同
+1.0%に大きく上方修正されました。2015年1月の数値
は2014年10-12月期平均値を上回っており、ドイツの
1-3月期GDP(国内総生産)成長率が前期を上回ること
を示唆しています。
鉱工業生産指数の内訳からは、建設セクターが前月
比+5.0%と、指数全体に大きく寄与したことが確認され
ますが、当セクターは冬季には特に変動が大きいこと、
また、製造業セクター、エネルギー・セクターともに前月
比変わらずに留まったことには留意が必要です。3月
12日発表予定の1月のユーロ圏鉱工業生産指数には
建設セクターが含まれないことから、伸びは穏やかな
水準に留まることが予想されます。
ドイツ製造業受注指数:市場予想に届かず
2015年1月のドイツ製造業受注指数は前月比-3.9%と
市場予想の同-1.0%を大きく下回りました。 2014年12月
は同+4.4%でした。外需(同-4.8%)、内需(同-2.5%)とも
に落ち込み、外需の内訳では、ユーロ圏各国からの新
規受注が同-9.0%と大幅に悪化し、ユーロ圏外からの
新規受注も同-2.2%と低調でした。
1月の指数は2014年10-12月期平均値を下回りました
が、12月の大幅上昇の反動の影響が反映された公算
が高く、指数の上昇基調を損なうものではないと考えま
す。また、年初の不安定な政局が、受注を押し下げた
可能性も考えられます。
ユーロ圏経済は景気循環の回復局面へ
ユーロ圏経済は、原油安、ユーロ安、緊縮財政の終了、
労働市場の安定、マネーサプライならびに信用状況の
改善、積極的なマネーの創出等の要因に支えられ、拡
大基調を維持するものと考えます(2015年2月27日作
成のピクテ・マーケット・フラッシュ「ユーロ圏マネーサプ
ライ:正常化への道のり」もご参照下さい)。
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