週間天気予報解説資料 2015 年 2 月 13 日 10 時 00 分 発表 気象庁予報部 予報期間 2 月 14 日から 2 月 20 日まで 1.アンサンブル資料 ●アンサンブル(ENS):期間はじめは北日本を中心に強い冬型の気圧配置。中頃は中間系の気圧の谷の通過に伴い、東北以西の地方 で天気が崩れる。また、ブロッキング高気圧がサハリン付近へ南下し、北海道はこの圏内となるため気温が上がる予想。気圧の谷 が通過した期間の終わりは再び冬型分布の天気が予想される。期間中頃、本州付近を中間系のトラフが断続的に通過する予想だが、 逆位相場であり、トラフ位相などは前後する可能性がある。 ●500hPa基本場(週間予報支援図):実況はサハリン付近に寒冷渦があり、日本付近は深い谷場で負偏差。予報期間の日本付近は西 北西流場。オホーツク海にブロッキング高気圧が南下し北日本は正偏差に変わる。その他の地域は負偏差が継続する。 ●16~17日:千島の東の寒冷渦はゆっくりと東進し、ブロッキング高気圧が不明瞭化しながらサハリン付近へ南下する。本州付 近を5460mリッジが通過して、5400m・5520m付近の各トラフが日本海と西日本へ進む。トラフに対応して、日本海にシアー(また は擾乱)が18日にかけて北陸方面へ指向し、本州南岸付近を前線上の擾乱が東進する見込み。(15日に東シナ海付近に予想 される低気圧は不明瞭化しながら西日本へ進む。トラフの接近に伴い、南岸の前線上に別の低気圧が発生し17日に西→東日本 へ進む見込み)16日は、北日本は晴れる所もあるが、千島の東の低気圧の影響が残り雪の降る所もある。東日本は次第に雲が 広がりやすくなる。西日本は雨の降る所が多い。17日は東日本を中心に雨や雪の所が多く、西日本でも降水の残る所がある(T850 ≦-3℃は、17日は関東付近~中国地方付近。太平洋側の内陸中心に雪混じる。)北海道はブロッキング高の勢力圏内。 ●18日:5400mトラフが東日本付近へ進む。南岸の低気圧は関東の東で発達傾向を示す。気圧の谷が通過した地方から冬型へ移行 しT850≦-6℃が中国地方付近へ南下する。日本海側は雨や雪の所が多い。太平洋側は、西日本は概ね晴れるが、北・東日本は低 気圧の影響が残り雨や雪の所がある。低気圧の発達程度次第では太平洋側でも雪主体の領域が拡大する可能性もあり今後の資料 に留意。 ●19~20日:トラフは日本の東へ抜けて、日本付近は東谷の正渦移流場。地上は冬型で、T850=-6℃は関東~瀬戸内付近まで南 下するが、20日には沿海州へリッジ位相が進むため、西日本では昇温傾向となる。日本海側は北陸以北を中心に雪や雨の所が ある。太平洋側は晴れる所が多いが、19日は北・東日本で気圧の谷の影響が残り曇る所もある。 ●沖縄・奄美:気圧の谷の影響で雲が広がりやすく、16~17日は雨の降る所がある。 ・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:17~18日頃は、日本海の低気圧は不明瞭なメンバーが多数派。南岸低が主流となって東進 または東北東進させるメンバーが多い。18日頃に関東の東付近で低気圧を発達させ、本州付近へ影響を与えそうなメンバーは 4割程度ある。 ・ スプレッド:昨日資料と比べ、期間中頃に縮小した日がある他は拡大。特定高度線は、ブロッキング高気圧の南下位相、期間後 半のリッジ・トラフ位相のバラツキ大きい。メアンダーが強いクラスターが増加。 ・ 降水頻度分布:高降水頻度域は、16日の西日本で縮小、17日の50%以上の領域は消滅、18日は北・東日本太平洋側沿岸部に 50%以上がかかる。 ・ 予想T850時系列:北日本は正偏差が続き、期間の中頃を中心に偏差が大きい。東日本は期間の中頃は正偏差だが、はじめと終わ りは負偏差。西日本と沖縄・奄美は、期間の前半は正偏差で後半は再び負偏差に転じる。昨日資料に比べ、後半は負偏差側へシ フトした。 2.防災事項等 ・ 期間はじめは強い冬型の気圧配置のため、北日本や日本海側の地方で荒れた天気や大雪のおそれ。 ・ 期間の中頃(18日頃)は、関東の東で低気圧が発達する可能性もある。発達程度や気温場などによっては、北・東日本の太平 洋側で荒れた天気や大雪の可能性もあり、今後の資料に留意。 3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照) ・ 日本の東へ進んだ寒冷渦は動きが遅く、発達した低気圧が千島近海で停滞傾向。北日本中心に強い冬型の気圧配置が続く。日本の 南の高気圧が西日本から沖縄・奄美を覆う。華中を東進する500hPa5640m付近のトラフは浅まりながら夜に東シナ海へ達し、対応 する低気圧が華中から東シナ海北部・黄海付近を東進するが、前面のリッジ・高気圧により雨域の東への広がりは遅い。 ・ 北日本、東日本は冬型気圧配置時の天気分布となり、日本海側・オホーツク海側では雪が降る。西日本や沖縄・奄美は晴れるとこ ろが多いが、西から次第に雲が広がる。夜には九州で雨の降るところもある。 4.全般週間天気予報(案) ・ 北~西日本の日本海側は、気圧の谷や寒気の影響で曇りや雪または雨の日が多い。 ・ 北~西日本の太平洋側は、高気圧に覆われて晴れる日もあるが、気圧の谷や寒気の影響で雲が広がりやすく、期間の中頃は雨や 雪の降る日がある。 ・ 沖縄・奄美は、高気圧に覆われて晴れる日があるが、気圧の谷の影響で雲が広がりやすく、期間の中頃は雨が降る。 ・ 最高気温・最低気温ともに、北日本は平年並か平年より高い。その他の地方は明日(14日)と期間の後半に平年より低い所も あるが、平年並か平年より高い日が多い。 この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの 形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
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