週間天気予報解説資料

週間天気予報解説資料
2015 年 1 月 21 日 10 時 00 分 発表
気象庁予報部
予報期間
1 月 22 日から 1 月 28 日まで
1.アンサンブル資料
●アンサンブル(ENS):期間のはじめは、深い気圧の谷が日本付近を通過する。低気圧が西・東日本の南岸から三陸沖に進み、その
後、発達しながら千島近海へ進む。低気圧通過後は冬型の気圧配置となるが一時的で、期間の中頃は移動高圏内となり日本海側の
地方も晴れる所もある見込み。期間の終わりは次のトラフが進むため雲が広がりやすくなり、降水となる所もある。期間のはじめ
は発達する低気圧の影響で、北日本を中心に荒れた天気や大荒れのおそれ。
●500hPa基本場(週間予報支援図):実況は、北・東日本付近にリッジが見られ、日本付近はゾーナルから西北西の流れで、広く正
偏差に覆われる。予報期間は、リッジは日本の東へ進み、日本付近に気圧の谷が進むが、極東域の中・高緯度の高度場が上昇し北
日本を中心に明瞭な正偏差に覆われる。
●24日:地上低気圧は千島の東へ進み、東シナ海のリッジに対応して移動性高気圧が西日本付近へ進む。冬型の気圧配置は緩むが、
T850=-6℃は北陸~東北南部付近に残る。北・東日本の日本海側は雪または雨が降りやすい見込み。その他の地方は高気圧に覆わ
れて概ね晴れるが、GSMでは東日本の南に下層シアーの予想もありこの影響を受けて曇る所もある。
●25日:リッジが本州付近に進み、東シナ海付近に短波トラフが進む。地上移動高圏内で概ね晴れるが、寒気の影響が残りやすい
北・東日本の日本海側では雲が広がる所もある。
●26~27日:リッジは日本のはるか東へ東進。中国東北区に5280m付近のトラフが進み、5640m付近の短波トラフが西日本の南岸
~東日本の南を東進する。26日は、高気圧後面となり次第に雲が広がりやすくなる。短波トラフに対応して地上気圧の谷が西
日本に接近するため、雨が降る所もある。27日は、日本海北部の低気圧からのびる前線位相が日本海を南下する。それとは別
に、本州の南付近を気圧の谷が東進する。全般に曇りで、北・東日本の日本海側と西・東日本の太平洋側などで降水となる所も
ある。
●28日:日本付近にトラフが進む。北日本を寒フレ位相が通過し冬型へ移行する。T850=-6℃が山陰沖付近まで南下する(GSMでは
T850=-9℃)。北日本や日本海側は雪や雨の所が多い。東・西日本の太平洋側も寒気や気圧の谷の影響で雲が広がりやすい。
●沖縄・奄美:24日は高気圧圏内で晴れるが、その後は気圧の谷や湿った気流の影響で雲が広がりやすく雨の降る所もある。
・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:期間の終わりに北の方の低気圧のみを予想するメンバーは半数弱。南岸低気圧のみが2割弱。
日本海と南岸の二つ玉も2割弱。北日本近傍で低気圧を発達させるメンバーは2割弱。低気圧の発生位置や影響受けるタイミング
などは不確実。
・ スプレッド:昨日資料と比べて、期間前半は縮小したが、終わりは拡大。特定高度線は、25日頃にリッジが通過する予想は概
ね一致しているが、その後接近する5400m線トラフの深まり・位相のバラツキ大きい。昨日資料に比べ、メアンダーが強いクラス
ターが多い。
・ 降水頻度分布:25日に10%領域が西日本に出現。26~27日に西・東日本の太平洋側沿岸部にかかる高降水頻度域は昨日資料
に比べ東より(位相がやや早まった)。
・ 予想T850時系列:北~西日本は、期間のはじめに平年並となる他は正偏差。沖縄・奄美は、期間前半は負偏差だが後半は正偏差
に転じる。期間後半は、北・西日本を中心に偏差が大きい。また期末のメンバー間のバラつきは非常に大きい。
2.防災事項等
・ 期間のはじめ(22日頃)は、気温が高く雨となる所が多い。積雪の多い所ではなだれに注意。
・ 期間のはじめ(23日頃)は、発達する低気圧の影響で北日本を中心に荒れた天気となり、大荒れのおそれ。
3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照)
・ 500hPaは深いトラフが日本を通過する。地上は低気圧が三陸沖から千島近海に進み発達、日本付近は北風系の冬型が強まる一方、
西日本・東日本の太平洋側には気圧の谷がのびる。西日本では次第に冬型はゆるむ。
・ 北日本や西・東日本の日本海側では雪または雨の降る所が多く、北海道はオホーツク側を中心に暴風雪や大雪のおそれ。太平洋
側の地方は寒気や気圧の谷の影響で雲が広がり、雨や雪の降る所もあるが後晴れるところもある。
4.全般週間天気予報(案)
・ 北~西日本の日本海側は、気圧の谷や寒気の影響で曇りや雪または雨の日が多い。期間の中頃は高気圧に覆われて晴れる日もあ
る。
・ 北~西日本の太平洋側は、高気圧に覆われて晴れる日があるが、気圧の谷や湿った気流の影響で雲が広がりやすく、期間のはじ
めと終わりは雨または雪の降る日がある。
・ 沖縄・奄美は、気圧の谷や湿った気流の影響で雲が広がりやすく、期間の後半は雨の降る所もある。
・ 最高気温・最低気温とも、北~西日本では、平年並か平年より高く、明日(22日)と期間の終わりはかなり高い所が多い。沖
縄・奄美は、期間のはじめは平年より低く、かなり低い所もあるが、その後は平年並か平年より高い。
この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの
形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。