週間天気予報解説資料

週間天気予報解説資料
2016 年 1 月 22 日 10 時 00 分 発表
気象庁予報部
予報期間
1 月 23 日から 1 月 29 日まで
1.アンサンブル資料
●アンサンブル(ENS):期間の前半は、低気圧が日本付近を通過し、その後、冬型の気圧配置が強まる。全国的に荒れた天気となり、
大荒れの天気や大雪となるおそれもある。期間の後半は、北日本中心の冬型の気圧配置になり、北・東日本の日本海側では曇りで
雪や雨の日が多い。西日本や東・北日本太平洋側では高気圧に覆われて晴れる所があるが、期間の終わりは低気圧の影響で雨が降
る所もある。沖縄・奄美は、気圧の谷や寒気の影響で曇りや雨の日が続くが、期間の後半は高気圧に覆われて晴れる日がある。
●500hPa基本場(週間予報支援図):実況は、バイカル湖の西がリッジ、中国東北区や日本の東がトラフで、沖縄・奄美が正・負の
境界付近となる他は負偏差に覆われる。予報期間は、寒冷渦がベーリング海付近とシベリア付近にあってバイカル湖付近がトラフ
となる。日本付近はゾーナルから西北西の流れで、サブハイが強まり、高度が上昇する。全国的に正偏差となる。
●25日:深いトラフが日本の東にぬけて、日本付近は北西の流れに変わる。地上は、冬型の気圧配置が強く、T850≦-9℃は、前半
は西日本~東日本の南岸付近に、後半は九州北部~関東地方南部付近に予想される。北~西日本の日本海側は、雪の降る所が多
い。太平洋側は晴れる所もあるが、寒気の影響で雲が広がりやすく、雪の降る所もある。
●26~27日:ゾーナルから西北西の流れ中を5580m付近の正渦が西・東日本を通過する。北日本付近は、26日にリッジが通過
し、27日は5160m付近のトラフが通過する。地上では、大陸から東シナ海付近に高気圧が移動して、西から冬型の気圧配置は緩
み、北日本中心の冬型の気圧配置となる。26日は、北~西日本の日本海側では雲が広がりやすく、雪が降る所が多い。太平洋
側は晴れる所が多くなる。27日は、北・東日本の日本海側では雲が広がりやすく、雪が降る所が多い。その他の地方は、晴れ
る所が多い。
●28~29日:日本付近は、西北西からゾーナルの流れが続くが、5640m付近のトラフが29日には華中付近に進む。地上は、高
気圧が28日には日本の南、29日には日本の東に移動する。東シナ海で前線が顕在化し、29日は低気圧が発生する。高気圧
に覆われ晴れる所もあるが、北日本の日本海側では、冬型の気圧配置が続き、雲が広がりやすく雪や雨が降る所がある。また、
28日は、高気圧後面となる西日本では、雲が広がりやすくなり、29日は西・東日本で雲が広がりやすく、雨が降る所もある。
●沖縄・奄美:前線や寒気の影響で、曇りや雨の日が多いが、期間の中頃は高気圧に覆われて晴れる日がある。
・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:期間の終わりにほとんどのメンバーが低気圧を予想している。29日の低気圧の位置は、東シ
ナ海から対馬海峡付近に予想するメンバーは約6割、西日本の南岸付近に予想するメンバーは約3割。
・ スプレッド:昨日資料と比べて、期間の中頃は拡大し、他は同じかやや縮小した。特定高度線は、5400m線は期間の中頃からトラ
フ・リッジの位相がややバラつく。期間の後半は、他の線もややバラつく。また、期間の後半は日本付近の高度が上昇すること
は揃っている。
・ 降水頻度分布:昨日資料と比べて、高降水頻度域は、29日が西日本で縮小した。
・ 予想T850時系列:北日本は、平年値近傍で推移する。東・西日本と沖縄・奄美は期間の前半は概ね負偏差で推移するが、期間の
後半は正偏差に転じる。西日本と沖縄・奄美は、期間のはじめは平年より10度程度低い日があり、期間の終わりは平年より1
0度程度高い日がある。
2.防災事項等
・ 期間の前半は強い冬型の気圧配置となって、全国的に荒れた天気となり、西日本を中心に大荒れとなる所がある。また、日本海
側を中心に大雪となる所もある。また、西日本を中心に気温が平年よりかなり低くなる。
3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照)
・ 寒冷渦が弱まりトラフに変化しながら日本海を進み、500hPa-40℃以下の寒気コアが北日本と東日本の一部に到達。-30℃線が西
日本から東日本太平洋側まで南下し、この付近から南では下層にかけて気温傾度が非常に大きく、東シナ海から西日本を通って
本州の南にかけて寒気移流が最も大きい。地上では低気圧が日本の東で次第にまとまって発達し、全国的な強い冬型気圧配置に
変化する。
・ 850hPa-6℃線が沖縄から伊豆諸島まで南下、西日本には700hPa-21~-24℃の寒気が南下するため、背の高い雪雲が東シナ海・日
本海から太平洋上にかけて大きく広がり、西日本を中心に大雪、非常に強い風、海は大しけとなる。太平洋側の一部地方では時々
晴れるが、全般に曇りや雪(沖縄・奄美は雨)。
4.全般週間天気予報(案)
・ 北・東・西日本日本海側は、気圧の谷や寒気の影響で、雪または雨の降る日が多い。
・ 北・東・西日本太平洋側は、高気圧に覆われて晴れる日もあるが、気圧の谷や寒気の影響で雲が広がりやすく、雪または雨の降
る日がある。
・ 沖縄・奄美は、気圧の谷や寒気の影響で曇りや雨の日が多いが、期間の中頃は高気圧に覆われて晴れる日がある。
・ 最高気温・最低気温とも、北日本は平年並か平年より高い日が多い。東・西日本と沖縄・奄美は、期間の前半は平年並か平年よ
り低く、平年よりかなり低い日がある。期間の後半は、平年並か平年より高く、平年よりかなり高い日もある。
この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの
形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。