週間天気予報解説資料

週間天気予報解説資料
2015 年 3 月 11 日 10 時 00 分発表
気象庁予報部
予報期間
3 月 12 日から 3 月 18 日まで
１．アンサンブル資料
●アンサンブル(ENS)：期間の前半は高気圧に覆われて晴れる日がある。期間の後半は全国的に次々とやってくる気圧の谷の影響を
受ける日が多い。
●500hPa基本場（週間予報支援図）：実況は日本海に緩やかなトラフがあり全国的に負偏差。予報期間はほぼゾーナルで強い正偏差
の圏内である。
●１４日：トラフが北日本を通過して、リッジが沿海州へ進む。T850≦-3℃は東日本の南岸付近にある。北・東日本の南北方向の気
圧傾度が大きく、前日からの西風卓越場が継続する。北・東日本の日本海側では鉛直シアーが大きく下層雲が広がる見込み。北・
東日本の日本海側は雪の降るところがあり、西日本の日本海側は雲が広がりやすい。北日本から西日本の太平洋側は晴れ間が予
想されるが、日本付近を下層シアーが通過する見込みで、雲の広がるところもある見込み。
●１５～１６日：１５日前半はリッジ場、１６日前半に北日本をトラフが通過する。高気圧の縁辺流および東シナ海の前線位相が顕
在化して、前線上に発生したじょう乱と共に日本付近を通過する。気圧の谷の通過後は西から高気圧に覆われる見込み。１５日
は西・東日本を中心に雨が降り、１６日はじめにかけて北・東日本の太平洋側を中心に降水の残るところがある。１６日は北日
本で雪の降るところがある。
●１７～１８日：１７日に次のトラフが日本付近へ接近し、１８日に通過する見込み。１７日に東シナ海にある前線位相が１８日に
かけて日本付近を通過する。前線は顕在化して、前線上にじょう乱が発生する可能性がある。１７日は西日本を中心に気圧の谷
の影響を受ける。北・東日本ははじめ高気圧圏内だが、次第に高気圧の後面となり雲が広がる。１８日は全国的に天気が崩れる
見込み。
●沖縄・奄美：気圧の谷や湿った気流の影響で曇りの日が多い。明日（１２日）や期間の中頃は雨の降る日がある。期間の前半は高
気圧に覆われて晴れる日がある。
・アンサンブル(ENS)/27メンバー：１６日に日本の東でじょう乱を予想しないメンバーは３メンバーのみ。１７日に日本付近へ前
線がのびる予想だが、日本海へのびるメンバーと西日本の南岸付近へのびるメンバーがあるが、日本海へのびるメンバーの方が
多い。
・スプレッド：昨日資料と比べて、期間の中頃にかけて縮小、期間の終わりは拡大した。特定高度線は期間の終わりの各高度のば
らつきが大きい。
・降水頻度分布：高降水頻度域は、１６日の東日本と１７日の西日本で縮小した。
・予想T850時系列：全国的に期間のはじめは負偏差、その後は昇温して正偏差が続く。期間の終わりはクラスター間のばらつきが
大きい。
２．防災事項等
・明日（１２日）にかけて、発達する低気圧の影響で、北・東日本では「大荒れ」「荒れた天気」「大雪」のおそれがある。
３．明後日予報（3時40分発表の短期予報解説資料も参照）
・ 500hPa切離低気圧がオホーツク海を北東に進み、長波の谷(5400～5520m)が西日本から東日本を通過し、その中間の5280m付近の
谷が東北・北陸を通過する見込み。850hPaの気温-6℃線は北陸付近。地上では低気圧がオホーツク海にあり、移動性高気圧が奄美
付近から日本の南へ移る。北・東日本では南北方向の気圧の傾きが比較的大きく、下層では西風が卓越し、鉛直シアが大きく、下
層雲が広がりやすい場となる。
・基本的に風下側となる北日本から西日本の太平洋側は晴れ。風上側となる日本海側では北日本で雪、北陸は雪か雨が降り、西日
本で雲が広がる。北日本はトラフの影響で太平洋側でも一時雪が降るおそれがある。沖縄・奄美では高気圧南側の湿った東風の影
響で下層雲が多い見込み。
４．全般週間天気予報（案）
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北～西日本の日本海側は、気圧の谷や寒気の影響で曇りや雪または雨の日が多い。
北～西日本の太平洋側は、期間の前半は高気圧に覆われて概ね晴れる。後半は気圧の谷の影響で曇りや雨または雪。
沖縄・奄美は、気圧の谷や湿った気流の影響で曇りの日が多く、明日（１２日）や期間の中頃は雨の降る日がある。
最高気温・最低気温ともに、全国的に期間のはじめは平年並か平年より低く、その後は平年並か平年より高い。期間の終わりは
かなり高いところがある。
この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの
形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。

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