週間天気予報解説資料

週間天気予報解説資料
2016 年 2 月 12 日 10 時 00 分 発表
気象庁予報部
予報期間
2 月 13 日から 2 月 19 日まで
1.アンサンブル資料
●アンサンブル(ENS):期間のはじめは低気圧が発達しながら日本海から千島近海へ進むため、全国的に荒れた天気となり大荒れと
なるおそれもある。また、気温がかなり高くなることから、積雪の多い所ではなだれや融雪に注意が必要。その後は冬型の気圧配
置となるが、短い周期で日本付近を気圧の谷が通過する。日本海側では雪や雨の降る日が多く、太平洋側でも寒気や気圧の谷の影
響で雲の広がる日がある。沖縄・奄美は、気圧の谷や湿った気流の影響で曇りや雨の日が多い。全国的に寒暖の変動が大きくなる
予想。
●500hPa基本場(週間予報支援図):実況は、日本のはるか東がトラフ、沿海州~朝鮮半島付近がリッジで、日本付近は正偏差。予
報期間は、寒冷渦がオホーツク海に位置して、トラフが朝鮮半島付近へのびる。北~西日本は負偏差に転じ、沖縄・奄美も正・負
偏差の境界付近となる。
●15日:5100m、5280m、5400m付近のトラフが日本付近へ進み、日本付近が谷場となる。T850≦-9℃が西・東日本南岸まで南下す
る。地上は冬型の気圧配置が続き、日本海中・西部では下層シアが南下する。また、東日本の太平洋側には下層シアが残る。日
本海側では雪または雨の所が多く、太平洋側は晴れる所もがあるが、寒気や気圧の谷の影響で雲が広がりやすい。
●16~17日:冬型の気圧配置が続く中で、16日後半には沿海州に5160m付近のトラフが進み、サハリン~日本海が気圧の谷と
なる。この気圧の谷は17日前半にかけて日本付近を通過する。また、東日本の太平洋側には下層シアが残る。T850≦-9℃は1
7日には北陸付近へやや北上する。日本海側では雪または雨の所が多く、気圧の谷の通過のため17日は北日本太平洋側でも降
水となる。その他の太平洋側は晴れる所もがあるが、寒気の影響で雲の広がる所もある。
●18~19日:18日はトラフは東へ抜けて、地上では高気圧が日本の南を東へ移動する。5400m付近のトラフが朝鮮半島付近に
進み、気圧の谷が日本海に進む。19日はトラフは北日本を通過するが、次の5400m付近のトラフが朝鮮半島付近に進む。気圧の
谷は日本の東へぬける。本州の南でも何らかのじょう乱が東進する可能性がある。後半には日本海が再び気圧の谷となる。T850
≦-6℃は東日本の南岸から19日には東北北部まで北上する。18日は日本海側では雲が広がりやすく雪または雨の降る所があ
る。その他の地方は晴れる所が多いが、西日本では高気圧後面となり、雲の広がる所もある。19日は北・東日本海側では雪ま
たは雨の降る所があり、その他の地方も雲が広がりやすい。
●沖縄・奄美:期間のはじめは湿った気流の影響で、その後は寒気の影響で、曇りや雨となる。期間の後半は、高気圧に覆われて晴
れる日もあるが、終りには湿った気流の影響を受けて再び曇りや雨となる。
・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:17日に沿海州に低気圧を予想するメンバーは全体の約5割あるが、発達の予想はない。19
日に予想される低気圧の位置は、オホーツク海南部~千島近海、日本海北部~北日本付近がそれぞれ全体の約4割。
・ スプレッド:昨日資料と比べて、2、7日目は拡大したが、他は縮小した。特定高度線は、期間の中頃までは概ね揃っている。
期間の終わりは日本付近が西南西の流れとなるのは揃っているが、トラフの位相にバラつきがある。
・ 降水頻度分布:昨日資料と比べて、高降水頻度域は、日本海側で15日は縮小し、16日は拡大した。
・ 予想T850時系列:全国的に、期間のはじめは正偏差で、その後は負偏差に転じるが、期間の終わりは平年並~正偏差となる。
2.防災事項等
・ 期間のはじめ(13~14日)は、低気圧が発達しながら日本海側を進むため、南寄りの風が強まり、全国的に荒れた天気とな
り、大荒れとなるおそれもある。また、気温が平年よりかなり高くなるため、積雪の多い所ではなだれや融雪にも要注意。
・ その後も期間の中頃にかけては、冬型の気圧配置が強まる日があり、日本海側を中心に荒れた天気となるおそれがある。
3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照)
・ 500hPaのリッジが日本の東へ進む一方、5460m付近のトラフが日本海を東進し、夜には北日本を通過する。地上の低気圧が、日本
海で発達しながら東進し、夜には北日本を通過する見込み。低気圧や前線に向かって、下層暖湿気の流入が強まり、全国的に荒
れた天気となり、北日本では大荒れのおそれがある。西日本から北日本にかけて、寒フレが通過するまで、気温が高い状態が続
く。関東・東海では夏日となるおそれがある。
・ 北海道では、東部やオホーツク海側では雪主体だが、その他は雨主体。東日本と東北は、概ね雨。西日本ははじめ雨だが、寒フ
レ通過後は太平洋側では次第に天気は回復してくるが、日本海側ではしぐれが続く。沖縄・奄美でも、雲が多く雨が降る所がある。
4.全般週間天気予報(案)
・ 北~西日本の日本海側は、気圧の谷や寒気の影響で曇りや雪または雨の日が多い。
・ 北~西日本の太平洋側は、期間のはじめは、低気圧や前線の影響で曇りや雨。その後は高気圧に覆われて晴れる日もあるが、気
圧の谷や寒気の影響で雲の広がる日もある。
・ 沖縄・奄美は、湿った気流や寒気の影響で曇りや雨の日が多い。期間の後半は、高気圧に覆われて晴れる日もある。
・ 最高気温・最低気温とも、全国的に期間のはじめと終わりは平年並か平年より高く、平年よりかなり高い日がある。期間の中頃
は平年並か平年より低く、平年よりかなり低い所もある。
この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの
形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。