週間天気予報解説資料 2016 年 12 月 10 日 10 時 00 分 発表 気象庁予報部 予報期間 12 月 11 日から 12 月 17 日まで 1.アンサンブル資料 ●アンサンブル(ENS):期間のはじめは高気圧に覆われて晴れる所が多いが、13~14日にかけて気圧の谷が通過し、全国的に天 気が崩れる。その後は冬型の気圧配置が続く。 ●500hPa基本場(週間予報支援図):実況は、日本付近は鍋底型の谷場で負偏差。予報期間は西谷となり、西日本と沖縄・奄美は負 偏差が続くが、東日本は平年並、北日本は正偏差に転じる。 ●13~14日:5280m付近と5520m付近のトラフが位相を合わせて日本に接近する。日本海を進む低気圧が北海道付近を通過し、本 州南岸をキンク(または低気圧)が東進するため、13日は北・西日本を中心に、14日は北・東日本を中心に雨や雪の降る所 が多い。 ●15~16日:5280m付近と5520m付近のトラフは、浅まりながら16日に日本の東へ進むが、次のトラフが日本に接近する。日本 付近は冬型の気圧配置となり、T850≦-6℃の寒気が関東平野中部から瀬戸内海付近まで南下する。北日本から西日本にかけて日 本海側では雪や雨の所が多い。太平洋側は晴れるところもあるが寒気の影響で雲が多い見込み。 ●17日:トラフは日本の東に進み、次第に北西の流れとなる。T850≦-6℃の寒気は東北南部付近まで北上する。北~西日本の日本 海側では雪や雨の所が多く、太平洋側では晴れる所が多い。 ●沖縄・奄美:期間中頃以降は気圧の谷や寒気の影響で曇る日が多く、13~14日は前線が通過して雨の降る所がある。 ・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:13日に本州の南岸に低気圧を予想するメンバーはおよそ3分の1程度ある。 ・ スプレッド:昨日資料と比べて、3日目までは縮小、4日目以降は拡大した。特定高度線は、5400m線は期間の後半にバラつきが 大きくなり、トラフの進みの差が大きくなっている。 ・ 降水頻度分布:高降水頻度域は、14日の西日本、15日の北・西日本で拡大した。 ・ 予想T850時系列:北・東日本は周期的に変動する。期間のはじめと終わりは負偏差、中頃に正偏差。西日本と沖縄・奄美は前半 は正偏差となり、後半は負偏差となる。 2.防災事項等 ・ 北日本では、11日にかけて発達する低気圧の影響で大しけとなる所がある見込み。 3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照) ・ はじめ冬型の気圧配置だが、高気圧が日本海から日本の東に進み、冬型の気圧配置は緩む。 ・ 西日本では午後に高気圧後面の湿った空気の流れ込みやすくなることと、500hPaの5640m付近のトラフの通過により大気の状態 が不安定となる所がある。 ・ 天気は、北日本や北陸地方では冬型の気圧配置の影響で雲が広がりやすく、雪の降る所があるが、次第に晴れてくる。西日本 の太平洋側や東海地方では雲が広がり、雨の降る所がある。その他の地方は高気圧の圏内で概ね晴れる。 4.全般週間天気予報(案) ・ 北日本から西日本の日本海側は、低気圧や寒気の影響で曇りや雪か雨の日が多い。 ・ 北日本から西日本の太平洋側は、高気圧に覆われて晴れる日もあるが、寒気の影響で雲が広がりやすく、期間の中頃は気圧の谷 の影響で雨の降る日がある。 ・ 沖縄・奄美は気圧の谷や寒気の影響で雲が広がりやすく、期間の中頃に雨の降る日がある。 ・ 最高気温・最低気温ともに、北~西日本は平年並か平年より低い日が多いが、期間の中頃は平年より高くなる日がある。沖縄・ 奄美は期間の前半は平年並か平年より高いが、期間の終わりは平年並か平年より低い。 この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの 形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。
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