週間天気予報解説資料

週間天気予報解説資料
2015 年 2 月 14 日 10 時 00 分 発表
気象庁予報部
予報期間
2 月 15 日から 2 月 21 日まで
1.アンサンブル資料
●アンサンブル(ENS):北日本での等圧線の混んだ状態は明後日(16日)には次第に解消し、期間の中頃にかけて北日本では気温
が平年よりかなり高くなる所がある見込み。期間の前半と終わりには、日本付近を通過していく気圧の谷の影響で、北~西日本の
太平洋側や沖縄・奄美でも曇りや雨または雪の日がある。
●500hPa基本場(週間予報支援図):実況は「カムチャツカ付近の顕著な正偏差・リッジ」と「日本の東の負偏差・トラフ」のコン
トラストが明瞭で、日本付近は東谷の負偏差場。予報期間の日本付近は引き続き西北西の流れだが、沿海州を中心とする顕著な正
偏差域の圏内となる北日本を中心に高度が明瞭に上昇し、北~西日本は概ね正偏差となる。沖縄・奄美は、引き続き弱い負偏差。
●17日: 5400mおよび5520mのトラフに対応する低気圧が、日本海および西・東日本南岸を進む。いずれの低気圧からも遠い北日
本では降水の可能性は小さく、北ほど晴れやすい。東日本と西日本東部は、雨や雪の降る所が多い。西日本の西部は天気の回復
が順調で、中層には乾燥域も予想されており、晴れる所が多い見込み。
●18日:南岸の低気圧はゆっくり東進して関東の東で発達する予想で、これに近い関東・東北では降水の可能性が大きい。また、
西日本から冬型へ移行してT850≦-6℃が中国地方まで南下するため、東北~山陰の日本海側では雪または雨の所が多い。西日
本の太平洋側は晴れる所が多いが、寒気の影響で雲が広がる所もある。
●19~20日:トラフは日本の東へ抜けて、日本付近は東谷の流れになる。19日は冬型でT850≦-6℃の寒気が四国北部~関東
北部まで覆い、北陸以北の日本海側は雪の降る所が多い見込み。太平洋側は、北~西日本の広い範囲で概ね晴れる。20日は後
半中心に移動性高気圧が北~西日本をすっぽり覆う予想で、日本海側も含めて晴れる所が多くなる。ただし、20日前半は、北・
東日本日本海側では寒気の影響で雪の残る所がある。
●21日:北・東日本は引き続き高気圧圏内で、晴れる所が多い。西日本は高気圧の後面に入って暖湿気が流れ込むため、次第に雲
に覆われる。東シナ海に予想される低気圧に近い西日本西部では雨の可能性もあるが、不確定な面が大きい。
●沖縄・奄美:数日の周期で天気が変わる。期間の前半と終わりに、気圧の谷の影響で曇りや雨の日がある。
・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:期間の中頃に日本付近で低気圧を明瞭に発達させているメンバーは、全体の約半数。
・ スプレッド:4日目までは昨日資料より拡大し、5日目以降はやや縮小した。特定高度線は、5400mが期間のはじめからバラつい
ている。
・ 降水頻度分布:高降水頻度域は、昨日資料との差は小さい。
・ 予想T850時系列:北日本は正偏差が続き、東日本は期間のはじめと後半を中心に概ね負偏差。西日本と沖縄・奄美は数日の周期
で変化し、期間の前半と終わりは正偏差。
2.防災事項等
・ 北日本は、明日(15日)は発達する低気圧の影響で大荒れや大雪のおそれ。
3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照)
・ 日本の東の寒冷渦は遠ざかり、本州付近へリッジが移動してくる。
・ 地上高気圧は沿海州方面から南に張り出し、北日本の気圧の傾きが大きい状態は徐々に解消に向かう。一方、明日(15日)の
黄海に予想される低気圧及びその南側の気圧に谷が九州を通って四国沖に進むが、リッジ場内で低気圧の発達はまだ弱い見込み。
4.全般週間天気予報(案)
・ 北~東日本の日本海側は、気圧の谷や寒気の影響で曇りや雪または雨の日が多い。
・ 北~東日本の太平洋側は、期間のはじめと後半は高気圧に覆われて概ね晴れる。期間の前半は、気圧の谷の影響で雨や雪の降る
日がある。
・ 西日本と沖縄・奄美は、数日の周期で天気が変わる。期間の前半と終わりに、気圧の谷の影響で曇りや雨または雪の日がある。
・ 最高気温・最低気温ともに、北~西日本は平年並か平年より高い日が多い。沖縄・奄美は、期間のはじめは平年並か平年より高
く、中頃以降は平年並か平年より低い。
この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの
形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。