週間天気予報解説資料

週間天気予報解説資料
2015 年 12 月 31 日 10 時 00 分発表
気象庁予報部
予報期間
1 月 1 日から 1 月 7 日まで
１．アンサンブル資料
●アンサンブル(ENS)：北日本ではトラフが短い周期で通過する。北日本付近では冬型の気圧配置が続くが、やや緩む日もある。期
間のはじめは、低気圧が千島近海～千島の東で発達するため、冬型の気圧配置が強まり、北日本では荒れた天気となる所がある。
また、西･東日本の南では前線がのびだし、前線上に低気圧が発生して東進する可能性もある。気圧の谷やその後の寒気の影響を
受けて、日本海側の地方では期間を通して曇りや雪または雨の日が多い。太平洋側の地方は、高気圧に覆われて晴れる日もあるが、
雲が広がり、雨の降る所もある。沖縄・奄美は、気圧の谷や前線の影響で曇りや雨の日が多い。
●500hPa基本場（週間予報支援図）：実況の日本付近は、バイカル湖の東にリッジ、アリューシャン近海に寒冷渦があり、日本付近
はほぼゾーナルな流れ。サブハイが強い状態が続き、全国的に正偏差。予報期間は、シベリア付近に寒冷渦があって、中国東北区
にトラフがのびる。北日本は負偏差となるが、サブハイが引き続き強く、東日本から沖縄･奄美は正偏差が続く。
●１月３日：5340m付近のトラフが北日本を通過し、5700m付近のトラフが日本の東へ進むが、日本付近はほぼゾーナルな流れ。地上
では、北日本を中心とした冬型の気圧配置となる。北日本と東日本日本海側では曇りで、雪または雨の降る所が多くなる。その
他の地方は晴れる所があるが、西・東日本の南には前線があり、雲の広がる所もある。
●４日～５日：日本付近は、ほぼゾーナルな流れで、北日本では正渦度移流が続く中、４日、５日と5340m付近のトラフが北日本に
接近する。また、５日には5700m付近のトラフが華中に進む。地上では、北日本付近では冬型の気圧配置が続くが、４日には東シ
ナ海で前線が顕在化し、５日には西日本の南へのびだしてくる。日本海側の地方は雲が広がりやすく、北日本と東日本日本海側
では雪または雨が降る所が多い。東･西日本の太平洋側では晴れる所があるが、雲が広がりやすく、５日は雨の降る所もある。
●６～７日：日本付近は西南西の流れとなる。地上では前線が西・東日本の南へのびる。前線上に低気圧が発生して東進する可能性
もある。６日は北日本でもやや緩むが、７日は、日本付近は冬型の気圧配置となる。６日は、雲が広がる所が多く、北・東日本
の日本海側では雪や雨が降る所がある。また、西・東日本の太平洋側では、雨の降る所もある。７日は、北日本や日本海側では
曇りや雨または雪の降る所が多く、西・東日本の太平洋側では概ね晴れるが、寒気の影響で雲の広がる所もある。
●沖縄・奄美：気圧の谷や前線の影響で、曇りや雨の日が多い。
・アンサンブル(ENS)/27メンバー：西・東日本の南岸付近に低気圧を予想するメンバーは、５日は全体の約４割、６日は全体の約
３割ある。
・スプレッド：昨日資料と比べて、２、６日目が拡大したが、他は同じか縮小した。特定高度線は、期間の前半は概ね揃っている。
期間の終わりは中国東北区～日本海に進む5400mのトラフの位相にバラつきがある。
・降水頻度分布：昨日資料と比べて、高降水頻度域は、３日は西･東日本の南で、４日は東シナ海で、５日は西日本で、６日は東日
本の南で、それぞれ拡大した。
・予想T850時系列：北日本は、期間のはじめは平年並～正偏差だが、その後は負偏差に転じる。東日本は、期間のはじめと終わり
は平年並～負偏差だが、その他の日は正偏差。西日本と沖縄・奄美は、平年並から正偏差が続く。
２．防災事項等
・期間のはじめは、冬型の気圧配置が強まり、北日本を中心に荒れた天気となるおそれがある。
３．明後日予報（3時40分発表の短期予報解説資料も参照）
・リッジが日本の東に抜け、トラフが深まりながら沿海州に東進する。地上では、移動性能高気圧が本州の南海上を東に進み、低気
圧からのびる気圧の谷が北陸・北日本を通過し、荒れた天気となる見込み。
・天気は、北陸・北日本では雨や雪が降りやすい。850hPaの-6℃線は津軽海峡付近のため、北海道は雪ベースだが、北陸・東北は平
地では雨ベース。その他も曇りベースで、晴れるのは東日本の一部程度の見込み。
・ 500hPa5700m付近の正渦移流により、本州の南海上に次第に前線帯が顕在化するため、九州南部や伊豆諸島でも後半雨の降る所が
ある。
４．全般週間天気予報（案）
・北～西日本の日本海側は、気圧の谷や寒気の影響で曇りや雪または雨の日が多い。
・北～西日本の太平洋側は、高気圧に覆われて晴れる日もあるが、気圧の谷や湿った気流の影響で雲がりやすく、雨の降る所もあ
る。
・沖縄・奄美は、気圧の谷や前線の影響で曇りや雨の日が多い。
・最高気温・最低気温とも、全国的に平年並か平年より高く、平年よりもかなり高い日がある。
この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの
形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。

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