週間天気予報解説資料

週間天気予報解説資料
2015 年 4 月 7 日 10 時 00 分 発表
気象庁予報部
予報期間
4 月 8 日から 4 月 14 日まで
1.アンサンブル資料
●アンサンブル(ENS):この期間、10~11日、13~14日に日本付近をトラフが通過する。トラフの通過に合わせて、低気圧
が日本付近を通過する見込み。また、西・東日本からは高気圧はやや北に偏って張り出すため、低気圧の通過後も雲が広がりやす
い。このため天気は、北日本は数日の周期で変わり、東・西日本では曇りや雨の日が多い。沖縄・奄美は、気圧の谷や湿った気流
の影響で雲が広がりやすく、雨の降る日もある。
●500hPa基本場(週間予報支援図):実況は、日本付近は日本のはるか東を中心とする正偏差に覆われる。流れはゾーナルから西南
西。予報期間は、中国東北区および東シナ海がトラフとなり、日本付近は南西場となる。北日本の一部や沖縄・奄美は負偏差に転
じる。その他の地方は引き続き正偏差に覆われる。
●10~11日:5580~5640m付近のトラフは朝鮮半島付近に進み、11日には北日本付近を通過して東へ抜ける。九州付近の低気
圧は西・東日本の南岸を進み、11日は発達しながら三陸沖へ進む。一方、11日には高気圧が朝鮮半島付近に移動してくる。
10日は、西日本から次第に北日本まで広く雨となる。11日は、北・東日本は雲が広がりやすく、はじめ低気圧の影響の残る
太平洋側では雨または雪の降る所があり、低気圧の通過後の寒気移流により日本海側でも雲の広がるところがある。西日本は、
日本海側を中心に晴れる所がある。
●12日:リッジ位相が北日本へ進み、日本付近は西から南西の場となる。高気圧は日本海から後半には日本の東へ抜ける。北日本
では晴れる所が多い。東・西日本もはじめは晴れる所があるが、西日本の太平洋側から雲が広がりやすくなる。
●13~14日:5400m付近のトラフが沿海州から北日本付近へ、5580m付近のトラフが黄海から本州付近へ進む。日本付近は気圧の
谷となり、低気圧が発生して西日本から北日本へ進む見込み。全般に雲が広がりやすく、13日は西・東日本を中心に、14日
は、東・北日本を中心に降水となる見込み。
●沖縄・奄美:期間の中頃にかけては前線や湿った気流の影響で、曇りや雨の日が多い。期間の終わりは高気圧に覆われて晴れる所
もある。
・ アンサンブル(ENS)/27メンバー:12日に予想される低気圧の位置は、東シナ海と西日本の南がそれぞれ全体の約2割。東シナ
海に気圧の谷を予想しても、低気圧の発生を予想しないメンバーが多い。13日に予想される低気圧の位置は、日本海中部から
北日本、東日本の南、西日本付近がそれぞれ全体の2~3割。低気圧の発生を予想するメンバーは多いが、位置についてはバラ
ツキが大きい。
・ スプレッド:昨日資料と比べて、5、6日目は大きく拡大した。他の日は同じか縮小した。特定高度線は、期間の後半は14日
に日本付近にトラフが進む様子は見て取れるが、トラフの位相や深さにバラツキが大きい。
・ 降水頻度分布:高降水頻度域は、10日は西・東日本で、11日は東・北日本で、12日は沖縄・奄美付近で、13日は東日本
で、それぞれ拡大した。
・ 予想T850時系列:北~西日本は負偏差で推移する。沖縄・奄美はほぼ平年並だが、期間の終わりは負偏差となる。
2.防災事項等
・ 10日頃は、東・西日本の太平洋側の地方を中心に大雨となるおそれがある。また、東日本の太平洋側を中心に荒れた天気とな
るおそれもある。今後の資料に留意。
3.明後日予報(3時40分発表の短期予報解説資料も参照)
・ 500hPa 5580m付近のトラフが初め通過した後、本州付近は弱いリッジ場。後半、5700m付近のトラフの接近により東シナ海に低気
圧が発生する見込み。
・ 天気は、高気圧に覆われる北日本では、通過するトラフの影響なくおおむね晴れ。東・西日本では高気圧西側の流れにより下層
に湿りが入る太平洋側を中心に雲がひろがりやすい。西日本・沖縄・奄美は、低気圧の発生により西から次第に雨となる。
4.全般週間天気予報(案)
・ 北日本は、天気は数日の周期で変わる。高気圧に覆われて晴れる日もあるが、期間の中頃や終わりは気圧の谷や寒気の影響で雨
または雪の降る日がある。
・ 東日本と西日本は、前線や湿った気流の影響で曇りや雨の日が多い。期間の中頃は高気圧に覆われて晴れる所がある。
・ 沖縄・奄美は、湿った気流の影響で雲が広がりやすく、雨の降る日がある。
・ 最高気温・最低気温とも、北日本は期間の前半は平年並か平年より低いが、後半は平年並か平年より高い。東日本から西日本は、
平年並か平年より低く、期間の前半はかなり低い所もある。沖縄・奄美は、平年より高いが、期間の終わりは平年並か平年より
低い。
この資料は、気象事業者等が、気象庁の提供する週間天気予報の根拠を理解するための補助資料であり、そのままの
形で一般に提供することを想定して作成したものではありません。