週間マーケット展望( 12月 29日 ~ 1月 2日)

週間マーケット展望( 12月 29日 ~ 1月 2日)
展望
先週は、週明けから株価が堅調な動きとなったことや、米 GDP確定値が市場予想を大きく上回り、2003年 7-9月期
以来、11年ぶりの高い伸び率となったことを受けて、ドルが主要通貨に対して上昇する動きとなった。その一方で、
米国の早期利上げ期待の高まりを受けて、金融緩和策の終わりが近づいているとの見方から、新興国通貨が対ドルで軟
調な動きとなった。ただ、週央からは、クリスマス休暇で市場参加者が少なくなり、ドル円・クロス円は週末までもみ
合いの展開が続いた。
今週は、やや上値の重い展開が予想される。年末年始で引き続き市場参加者が少ないことが予想されるが、29日に
は、注目されているギリシャの大統領選の 3回目の投票が実施される。仮に、ここで決定に至らない場合には、1ヵ月
後に総選挙となる。前回(2012年)の総選挙では、緊縮財政に反対する政党が躍進し、EU離脱や債務の帳消しといっ
た極論まで出るなど、リスク回避の動きが強まった経緯がある。そのため、今回の投票結果には注目したい。また、薄
商いのため、思いがけない動きとなる可能性も考えられることから、十分に注意したい。
ドル/円
先週は、米長期金利が上昇したことから、日米の金利差拡大観測を背景に、ドル買い・円売りが続いており、序盤か
らドル/円は堅調な動きとなった。また、米 GDP確定値が市場予想を大きく上回り、2003年 7-9月期以来、11年ぶりの
高い伸び率となったことから、ドルが主要通貨に対して上昇となり、ドル/円は 120.82まで上昇し、12月 9日以来の
高値を付ける動きとなった。ただ、週後半は、クリスマス休暇で薄商いとなり、上値の重い展開が続いた。
今週は、
上値の重い展開が予想される。年末年始を挟み、引き続き市場参加者が少なく、薄商いが予想されることから、小動き
の展開が考えられる。ただ、薄商いゆえに、株価や金利動向に過敏に反応する可能性も考えられることから、値動きに
は注意したい。そして、米国の利上げ動向を見極める上で、米雇用統計を見極めたいとのムードも高まっており、31
日の消費者信頼感や雇用関連の経済指標の結果には注目したい。
118.27 ~
121.01
ユーロ/円
前週は、世界的に株価が上昇したことを受けて、投資家のリスク志向の動きが強まり、序盤に 147.14まで上昇し、
12月 15日以来約 2週間ぶりの高値を付ける動きとなった。しかし、その後は、ギリシャの政局不安を背景に、対ドル
2012年 8月以来の安値を付ける動きとなったことから、ユーロ/円も上値の重い展開が終盤まで続いた。
今週は 、
やや軟調な展開が予想される。注目のギリシャ大統領は、29日に 3回目の選挙が予定されているが、ここで決定され
ない場合には、来年 1月末にも解散・総選挙の可能性もある。前回(2012年)の総選挙同様に、緊縮財政に反対する
政党が躍進する可能性も指摘されていることから、結果によってはリスク回避の動きが強まる可能性も考えられる。ま
た、年末年始で市場参加者が少ないことから、やや値動きの荒い動きとなる可能性も想定しておきたい。
145.60 ~
148.25
1
ポンド/円
先週は、週明けから世界的に株価が上昇したことや、英経済が 7四半期連続でプラス成長となったことから、ポンド
は主要通貨に対して上昇となり、ポンド/円は 187.56まで上昇し 12月 11日以来の高値を付ける動きとなった。その後
は、クリスマス休暇で取引材料に乏しく、終盤まで 186.40台から 187.40台でのもみ合いの展開が続いた。
今週は、
小動きの展開が予想される。年末年始で取引材料に乏しく、主要な英国の経済指標の発表もないことから、値動きは限
定的となる可能性が考えられる。ただ、株価に動きが出る場合や、懸念されるギリシャの大統領選の結果などには注目
したい。特に、市場参加者が少ないことから、値動きの荒い動きとなる可能性も想定しておきたい。
184.44 ~
188.44
豪ドル/円
先週は、米ダウ平均株価が最高値を更新する動きとなったことから、週明けから堅調な動きとなった。ただ、米GDP
が予想以上に上方修正されたことで、米国の早期利上げ期待が高まり、ドルが主要通貨に対して上昇する動きとなった。
また、新興国通貨、資源国通貨が下落となり、豪ドルも対ドルで下落し、2010年6月8日以来の安値を付ける動きとなっ
た。これを受けて、豪ドル/円も上値の重い展開が続いた。ただ、クリスマス休暇で薄商いとなったことから、値動き
は限定的となった。
今週は、年末・年始で薄商いが予想されることから、引き続き限定的な値動きが考えられる。
また、豪州の主要な経済指標の発表もなく材料に乏しい中、堅調な展開が続いた株価に一服感が出る場合には、上値の
重い動きとなる可能性も想定しておきたい。そして、財政赤字の拡大観測があることや、緩和姿勢の継続スタンスを示
したことで、米国との金利差拡大観測もあり、対ドルでの下落が止まらないことも豪ドル/円の圧迫要因となる。以前
のような円売りが強まらなければ、当面は上値の重い動きが続く可能性が考えられる。
96.26 ~
98.78
南アフリカ・ランド/円
先週は、前週の流れを引き継ぎ、堅調な展開で始まった。そして、中国の複数の閣僚が、ロシアを支援する用意があ
ると表明したことが手掛かりとなり、リスク回避の動きが後退したことから円が売られる動きとなった。ランド/円は、
10.40まで上昇し 12月 10日以来の高値を付ける動きとなった。しかし、米 GDPが大きく改善し、米国の早期利上げ期
待が高まり、金融緩和策の終わりが近づいているとの見方から、新興国通貨が対ドルで軟調な動きとなった。これを受
けて、ランド/円も上値の重い動きとなった。
今週は、上値の重い展開が予想される。年末を控えたポジション調
整の動きが予想される一方、薄商いとなる可能性も考えられることから、やや値動きは限定的となるだろう。しかし、
薄商い故に値動きの荒い展開となる可能性も想定しておきたい。特に、やや落ち着きが見られている原油価格やロシ
ア・ルーブルの動きにも注意したい。また、南アでは、30日に貿易収支の発表が予定されており、ここまで 8ヵ月連
続で赤字となっている。そして、今回も赤字が予想されていることから、結果には注目したい。
10.18 ~
10.51
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