2015年09月19日

週間マーケット展望( 9月 21日 ~ 9月 25日)
展望
先週は、日本と米国の金融政策発表と、それぞれの中銀トップの会見が予定されていたことから、週序盤から様子見
ムードの強まる動きとなった。ただ、中国株を中心に株価が下落する場面もあり、ドル円・クロス円は上値の重い動き
も見られた。そして、結果的には、日米の金融政策は共に据え置かれる結果となったが、米国では一部で利上げの期待
があったことや、イエレン FRB議長の会見がハト派的だったこともあり、ドルが主要に対して下落する動きとなった。
また、週末にかけて株価が大きく下落したこともあり、クロス円も軟調な動きとなった。
今週は、東京市場はシルバーウィークで 3連休となるが、海外市場では引き続き FOMCの結果に対する思惑などもあ
り、やや神経質な展開も予想される。また、米利上げ見送りの理由となった世界経済減速への懸念、特に中国経済の懸
念も払拭される見通しもなく、中国株も乱高下している。そのため、引き続き中国株の動向に注意したい。また、欧米
では主要な経済指標の発表もあり、結果を受けて動く可能性が考えられる。そして、連休明けには、月末を控えた本邦
企業の円買いの動きも予想されることから、連休明けの動きには注目したい。
ドル/円
先週は、FOMCの政策発表を控えて序盤から様子見ムードが強まっており、小動きの展開が続いた。ただ、米消費者
物価指数が 7ヵ月ぶりにマイナスとなったことや、住宅関連の経済指標が悪化したことから、上値の重い動きが続いた。
そして、FOMCでは金利が据え置きとなったことから、ドルは主要通貨に対して下落となり、週末の株価下落も加わり、
ドル/円は 119.06まで下げる動きとなった。
今週は、やや上値の重い展開が予想される。FOMCで利上げが見送ら
れた上、ハト派的な会見となったことから、利上げ時期に対する不透明感が高まっていることから、上値の重い動きが
続く可能性が考えられる。そして、東京市場は 3連休となるものの、米国では重要な経済指標の発表が予定されている。
イエレン FRB議長は、会見で「もう少し利上げの根拠が出るのを待ちたい」と発言していることから、引き続き米経済
指標の結果が注目されている。
118.26 ~
121.00
ユーロ/円
先週は、中国株が週明けから大きく下落したことを受けて、ユーロ/円は軟調な動きとなった。また、ユーロ圏の消
費者物価指数が予想を下回る結果となったことから、ユーロが主要通貨に対して軟調な動きとなり、ユーロ/円も上値
の重い動きが続いた。その後、米 FOMCで金利が据え置きとなったことを受けて、ユーロは対ドルで大きく上昇し、対
円でも大きく上昇する動きとなった。ユーロ/円は 137.44まで上昇し、週前半の安値から 2円以上の上昇となった。し
かし、週末には世界的に株価が下落となったことから、ユーロ/円は 136円台前半まで下げる動きとなった。
今週
は、やや上値の重い展開が予想される。週前半は、日本市場が 3連休となるものの、中国株の動向や、23日の中国の
経済指標結果には注意したい。また、ユーロ圏や主要国の重要な経済指標の発表が予定されているが、いずれも前回結
果を下回るとの予想となっていることから、こちらの結果にも注目したい。予想通り前回から低下となるようなら、ユ
ーロの一段の下げの可能性も想定しておきたい。
134.21 ~
137.44
1
ポンド/円
先週は、週明けからやや軟調な動きとなり、週明けの高値 186.65から 184.23まで下げる動きとなった。しかし、英
国の週間ベースの平均賃金の上昇率が、2009年 2月以来約 6年ぶりの高い伸びとなったこと受けて、英中銀の利上げ
時期が近づきつつあるとの見方が広がり、英ポンドは主要通貨に対して堅調な動きとなった。また、米 FOMCで金利が
据え置きとなったことも加わり、ポンド/円は 188.32まで上昇する動きとなった。
今週は、堅調な展開が予想され
る。中国の景気減速の懸念や、一部の弱い英国の経済指標があったものの、雇用者数や賃金が伸びたこと、物価関連の
指標が予想を上回る結果となったことが好感され、英中銀は年末から来年に利上げに踏み切るとの見方が強まっている
ことから、底固い展開が続く可能性が考えられる。また、米国の利上げ時期に不透明感が出たことも、ポンドの支援材
料になるだろう。
184.25 ~
190.45
豪ドル/円
先週は、日米の金融政策発表とトップの会見を控えて様子見ムードが強かったものの、比較的堅調な株価動向を背景
に、小動きながら豪ドル/円は堅調な動きとなった。そして、米FOMCで金利が据え置きとなったことを受けて、豪ドル
が対米ドルで大きく上昇となり、豪ドル/円も87.51まで上昇し、週明けの84.94から2.50円以上の上昇となった。しか
し、直後に株価が大きく下落したことから、リスク回避の円買いが優勢となり、豪ドル/円は85円台まで下げる場面も
あった。
今週は、やや上値の重い動きも予想される。週序盤は前週の米金利据え置きの影響から比較的堅調な動き
も予想される。ただ、豪州の主要な経済指標の発表がなく、やや材料に乏しいものの、23日には中国の経済指標の発表
が予定されており、結果には注目したい。また、日本市場は3連休となるものの、中国などの株価動向には注意したい。
84.95 ~
87.75
南アフリカ・ランド/円
先週は、日米の金融政策発表の発表を控えて様子見ムードが強まっていたことで、週明けから小動きの展開が続いた。
その後、南アフリカの小売売上高が予想を上回る結果となったことや、米物価指標が悪化し利上げ期待が後退したこと
を受けて、南ア・ランドは対ドルで上昇し、ランド/円も堅調な動きとなった。そして、米 FOMCで金利が据え置きとな
ったことを受けて、ランドは一段の上昇となり、ランド/円は週明け安値の 8.82から 9.13まで上昇する動きとなった。
今週は、底固い展開も予想される。序盤は、米国の金利据え置きの影響が残る可能性があり、南ア・ランドは底固い展
開が考えられる。23日には南アの消費者物価指数、南アの政策金利発表が予定されており、結果には注目したい。最
近、南アの経済指標の改善が続いており、期待感もある。ただ、必ずしもそれが南ア経済の改善につながるとは考え難
い。現状では、国内企業の労使問題や、これから夏場を迎えるにあたっての電力問題などが当面の問題である。そのた
め、上値はやや限定的と考えられる。
8.89 ~
9.28
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