週間マーケット展望( 7 月 18 日 ~ 7 月 22 日)

週間マーケット展望( 7 月 18 日 ~ 7 月 22 日)
展望
先週は、日本の参院選で与党が勝利したことを受けて、経済対策への期待が強まったことや、英国の EU 離脱に関する懸
念がやや一服したことなどを受けて、投資家のリスク選好の動きから株高・円安が進み、ドル円・クロス円は週明けから
堅調な動きとなった。堅調な流れは週後半まで続き、週末には大半が 6 月 24 日以来、3 週間ぶりの高値を付ける動きとな
った。
今週は、やや上値の重い動きも予想される。先週は、英国で新首相が決定したことで、EU 離脱の選択後の政治空白が解
消されたことや、米国経済の先行き期待、また日本の経済対策は 10 兆円規模を織り込んだ、又は 15-20 兆円規模となると
の見方など、いずれも期待や思惑の域である。これらが期待に反する結果となるようなら、再びリスク回避の動きが強ま
る可能性もあるだろう。そして、その見極めがここからのポイントとなるだろう。特に、先週の動きを見ても全体的に変
動幅が大きくなっていることから、リスク管理などには十分に注意を払いたい。
ドル/円
先週は、前週の米雇用統計の結果が引き続き材料視されたことや、日本の参院選で与党勝利を受 けて経済対策への期待
が強まったことが影響し、週明けからドル買い・円売りが優勢となった。また、ダウ平均や S&P500 が連日最高値を更新す
る動きとなったこともあり、投資家のリスク志向の動きが強まったことも円売りを加速させ、ドル /円は週明けの 100.54
から 106.33 まで上昇し、3 週間ぶりの高値を付ける動きとなった。
今週は、やや上値の重い動きが予想される。米国
の経済指標の改善を背景に、米景気の先行きに対する楽観的な見方も広がっているが、米利上げ観測が復活するほどでは
なく、ドル買いの動きに対する懐疑的な見方もある。当面は、日本の経済対策や月末の日銀の金融政策発表に注目が集ま
っている。また、来週の FOMC での米経済に対する見方などにも注目が集まっている。そして、今週は週明けから住宅関連
の経済指標の発表が続くことから、結果に注目したい。堅調な結果が続くようなら、利上げ期待が高まる可能性もあるだ
ろう。
103.92
~
107.91
ユーロ/円
先週は、英国の EU 離脱に対する懸念がやや和らいだことや、日本の参院選で与党が勝利し、経済対策への期待が強まっ
たことを背景に、世界的に株が上昇し、円売りが優勢となった。ユーロ/円は、週明けの 111.12 から 118.40 まで上昇した
ものの、週末にはトルコのクーデターの報道などもあり、やや上値の重い動きとなった。
今週は、上値の重い動きが
予想される。堅調な株価の動きが続く場合には、引き続き底固い動きも考えられる。ただ、週替わりとなり、流れが変わ
りやすいことや、ECB 理事会が 21 日に予定されていることから、上値の重い動きが考えられる。政策金利発表は据え置き
が予定されているものの、英国の EU 離脱に絡む不安懸念から、追加緩和の可能性を指摘する向きもある。現状維持となる
場合でも、理事会後の ECB 総裁の会見での発言には注目したい。
114.79
~
118.40
1
ポンド/円
先週は、英国の EU 離脱に関する懸念がやや一服したことや、世界的な株価上昇などを受けて、円売りが優勢となり、ポ
ンド/円も週明けから堅調な動きとなった。また、注目された英中銀の金融政策発表では、利下げ予想に反して据え置きと
なったことも加わり、ポンドが主要通貨に対して上昇となり、ポンド /円は週明けの 130.18 から 143.26 まで上昇する動き
となった。また、英新首相が決まったことで、EU 離脱が選択された後の政治空白が解消されるとの見方も支援材料となっ
た。週末には、やや上値の重い動きとなった。
今週は、上値の重い動きが予想される。株価やポンドは、落ち着きを
取り戻しつつあるが、メイ新首相の下で臨む EU 離脱交渉は難航も予想されており、EU との関係をはじめとする 先行きへ
の不透明感は拭えない。また、英経済の下押しも懸念されており、8 月の緩和策も示唆されたことから、上値追いとはな
り難いと考えられる。今週は、19 日の英国の消費者物価指数、21 日には小売売上高など、重要な経済指標の発表が続くこ
とから、こちらの結果には注目したい。
133.02
~
143.26
豪ドル/円
先週は、週明けから世界的に株価が大きく上昇する動きとなり、投資家のリスク志向の動きが強まったことから、安全
資産とされる円を売る動きが優勢となった。豪ドル/円は、序盤から堅調な動きとなった。また、豪州の企業関連の指標が
改善したことや、豪雇用統計で正規雇用者数が伸びたことも後押し要因となり、豪ドル/円は週明けの75.95から81.50まで
上昇する動きとなった。ただ、週末にはやや上値の重い動きとなった。
今週は、上値の重い動きが予想される。引き
続き、株価や資源価格の上昇が続く場合には、堅調な動きが続く可能性も考えられる。ただ、依然として、 8月(2日)に
利下げの可能性が懸念されていることから、ここから一段の上昇とはなり難いだろう。そのため、上値の重い動きが考え
られる。今週は、豪州の主要な経済指標の発表が少ないことから、株価動向や資源価格の動きに左右される可能性も考え
られる。
74.53
~
82.40
南アフリカ・ランド/円
先週は、週明けから世界的に株価の大幅上昇が続いたことから、投資家のリスク志向の動きが強まり、ランド /円も堅調
な動きが続いた。また、南アフリカの経済指標が軒並み市場予想を上回る結果となったことも好感され、ランド /円は、週
明けの 6.91 から 7.47 まで上昇する動きとなった。ただ、週末にはやや上値の重い動きとなった。
今週は、やや上値
の重い動きが予想される。引き続き、世界的な株価動向が注目され、株価の上昇が続く場合には、資源価格の上昇にもつ
ながり、南ア・ランドも堅調な動きが続く可能性も考えられる。ただ、株価の調整が入る場合には、上値の重い動きとな
る可能性もあるだろう。また、2 年前に 6 ヵ月近く操業停止となった鉱山労組の労使交渉が始まっている。昨年 1 年間は、
金属価格の低下が続いたが、今年は年初から価格の上昇が続いている。平均株価で見れば、昨年とほぼ変わらないものの、
労組側は最近の上昇を受けて強気に出る可能性も考えられ、今後交渉が難航することも予想される。そのため、労使交渉
の動向には注目したい。
7.08
~
7.50
提供:SBI リクイディティ・マーケット株式会社
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