統計物理学 I 小テスト (2014/5/23)-解答例 質量 m の質点の一次元自由運動を考える。このとき、次の問いに答えよ。 1. 質点の位置を x、運動量を p とするとき、系のハミルトニアンを書け。また、ハミ ルトンの正準方程式を解き、時刻 t において x = x(t) と p = p(t) を求めよ。ただ し、t = 0 において x(0) = x0 、p(0) = p0 とする。 前問で考えた一次元自由運動の場合について、t = 0 において図 1 のような位相空間上 の図形 ABCD を考える。時刻 t において図形 ABCD は図形 A′ B′ C′ D′ へ移動するとす る。このとき、以下の問いに答えよ。 2. 時刻 t において長さ A′ B′ を求めよ。 3. 図形 ABCD の面積と図形 A′ B′ C′ D′ の面積が等しいことを示せ。 p p1 p0 図1 A D x0 B C x1 x t = 0 における位相空間上の図形 ABCD (解答例) 1. 系のハミルトニアンを H とすると、 H= p2 2m であり、ハミルトンの正準方程式は次のようになる。 p ∂H x˙ = = ∂p m ∂H p˙ = − =0 ∂x p0 t + x0 、p = p0 である。 m 2. 点 A′ 、B′ の座標をそれぞれ xA′ 、xB′ とおくと、前問の結果より、xA′ 、xB′ は次 初期条件より、x(t) = のように表される。 xA′ = p1 p1 t + x0 , xB′ = t + x1 m m 従って、A′ B′ = xB′ − xA′ = x1 − x0 である。 3. 前問と同様に長さ C′ D′ を求めると、C′ D′ = A′ B′ であり、t = 0 のときの長さと 変わらない。また、p0 、p1 は一定であるから、位相空間上の平行四辺形 A′ B′ C′ D′ と正方形 ABCD の面積は等しい。
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