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voレ14No.5CHEMO掴
『HERAPY399
Thiophenicolの
基 礎 的 ・臨 床 的 研 究
清 水
陣
喜 八 郎。島
立
恒
田
夫.奥
馨
村
有
史
東大 吉 利 内科
(昭湘41年1月11日
Chloramphenico1(以
下,CP)のmethylsulfonyl同
族 体 で あ るThiophenicol(TP)は
しめ し,白
5%に
に は0.5∼1%,メ
タノ ー ルに
溶 け,dimethylformaldehydeお
glycolに
度,尿
下 の ご とき構 造 式 を
色 結 晶 性 で,水
中 濃 度 に つ き,健
に3時
よ びpropylene
1時 間357
一ρH-bH-CH・
一・H
∼32・8%
う
け に くい と い わ れ て い る。
つ い て 基 礎 的,臨
菌
床的
力
平 均7.6%eに
の ご と く,犬
の 胆 嚢 摘 出 後,
汁排泄量が一定 し
た と こ ろ でThiophenicolglycinatelomg/kgを
筋 注
後 経 時 的 に 胆 汁 を 採 取 し,測
測 定 方 法 は,ブ
ド ウ 球 菌209P株
定 に 供 した。
を 用 い,カ
こ の 値 は,す
培 地 はH.1.寒
天pH7.0(栄
接 種 菌 量 は108で
で に わ れ わ れ が 報 告 したCPの
抗 菌 力 をCPと
Thiephen;cetの}ft麓 力
平 行 して 平 板 希 釈 法 に よ つ て 測 定 した。
研)を
使 用 し,
lo
あ つ た。
績
StaPh夕lococcus20殊
mc91ml以
に つV・ て の 成 績 で は ,TP
が100mc9/m1≧
で あ り,12.5
下 の 感 受 性 を し め し た も の は11株
あ つ た。E・coli21株
i≧19ρ50251∼56332nCSk
で
に つ い て の 成 績 で も,CP
の 方 が す ぐれ て い た。KlebsieUa10株,Cloaca2
ヤ
株 に つ い て も略 同 様 の 成 績 が え ら れ た。
以 上 の 成 績 よ りTPはCPに
E・eoli,StaPhylococcusな
比 し,抗
菌 力 は,
どにつ い ては 若 干 劣 る
傾 向 が み られ た(図1,2,3)。
収 吸,排
≧iρ ρ5eesl2.s6.33.2彫
んt
畜
泄
ThioPhenicol500mgを
経 口投 与 し,血
を 測 定 した。二 測 定 方 法 は 溶 連 菌COOK株
中濃度
を 用 い,
鳥 居 氏 重 層 法 に よ り測 定 し た が,3.2mcg/m1以
下 は 測 定 で き ず,し
し,29経
ップ法
倍 の 値 を し め し た。
,Klebsiella10株,
つ い て,TPの
に 対 し て は9株
比
成 績 は 胆 汁 内 濃 度 は血 中 濃 度 に 比 し て 高 く,約3∼9
reus20株,E・coli21株
成
あ り,CPの
中 に 活 性 な もの が 多 く排 泄 さ れ た(図6,7)。
に よ り測 定 し た。
感 染 症 検 体 よ り 分 離 さ れ たStaPhylecoccusau・
Cloaca2株,に
均27・6%で
尿 中 回 収 率 は,22.1%
総 胆 管 に ポ リエ チ レ ン 管 を 挿 入 し,胆
し,以
検 討を お こ なつ た 成 績 を報 告す る。
や や 高 か つ た。
間 ま で のTPの
胆 汁 内 濃 度 に つ い て は,型
つ そ の持 続 時間 が
に お い てglucu.ronideformationを
以 下,Thiophenicolに
,平
し高 く,尿
比 し て 抗 菌 力 は 若 干 劣 る も,尿
汁 内 濃 度 が 高 く,か
比 して,TPが
尿 中 排 泄 は7時
OH
1.抗
CP16.820.516.28.2
で あ り,CPに
NH-CO-CHCI2
本 剤 はCPに
も
の平均値は
TP12.124.018.710.1mcg/ml
使 用 も可 能 で あ る。
中 濃 度,胆
に つ い て 測 定 し た。
しめ す ご と く,TP,CPと
間 で 最 高 血 中 濃 度 が え ら れ た。2例
の エ ス テ ル 水 溶 性 で注 射 と し て の
CH2--S・2-〈=〉
康 人3例
血 中 濃 度 は,図4,5に
高 濃 度 に とけ る。
本 剤 はGlycineと
長 く,肝
受 付)
た が つ てTPの
口 投 与 し,CPとcrossoverで
投 与量 を 増 加
血 中濃
ileg5915菰5ム
」
潔
嘲
胆汁内濃
CHEMOTHERAPY
400
図4アhlophenico∼'の
π%,乃
脚
SEPT.1966
図7ChloramRhenicolの
血 中 濃 度
∫c・12・09投 与(ρe「os)3例
mg回
50
10e
40
80
30
60
20
40
尿 中排 泄
CM2,・O夢 投 与(ρe「os>3例
収 事(7髄 伺迄)
0
2
O
l
1
5
3
7hrs
3
孟
5
図87hiophenlco∼
図5Chioramphenlco!の
血 φ 濃
7hrs
の胆 汁 内排 泄
度
Ch/oramphenlco∼2.09投s(peres)3例
2
2
i
1
)
3
5
2
晦
i
%∼
7hrS
3
45hrs
Ne,2___血
済
200
図67hiopゐenico∼
150
の 尿 中 排 池
7hiephenicoi2・Oy投
与(peros)3例
100
収 率(7eePt迄)
0
5
mg回
300
250
E
2
3
4
5htS
200
表1肝
150
に お け るCP,TPの
30分
1eo
CP-15%
50
不 活 化(抗 菌 力 の減 少率〉
1時 間2時
一18.2%-27.3%
TPO
357hrs
置
間
40
CPの
肝 に お け る 不 活 性 化 は,す
で に報 告 し た ご と
く,UDPGDehydrogenase,Glucurony1transferase,
度,す
な わ ち 血 中 濃 度 と略 同 じか,若 干高 い値 に 比 し
β一91ucuronidaseに
て,は
るか に 高 い 濃 度 が 得 られ た。
formationに
この こ とは 胆 道 感 染 症,腸 管 感 染 症 に 有 別 で あ る と考
肝 における不活化
れ る。こ
健 康 家 兎 の 肝 を と りだ し,肝 エ マ ル ジeン を 作成20γ
よびCPを
肝 エ マ ル ジ ・ンに 添 加 し,一一部 は
対 照 と して 一2℃ に た もち,残 部 は37℃
TPお
よびCPの
1時 間,2時
に た もち,
肝 に お け る不 活 化 に つ い て,30分,
間 に し らべ た。
そ の 成 績 はCPが
よ る も の で あ る が,TPは
不 活 化 が 著 明 で あ る の に反 し,TP
で は 不 活 化 は 殆 ど認 め られ な か つ た(表1)。
臨
部 は肝 薬物 代 謝 酵 素に
肝 に お い て 不 活 化,glucuro-
nideformationを5け
え られ る(図8)。
のTPお
つ い て み た 成 績 か ら,91ucuronide
よ る も の で あ り,一
に くい も の で あ る こ と が 推 定 さ
の 点 に つ い て は 現 在 な お 検 討 中 で あ る(図9)。
床
成
績
胆 道 感 染 症4例,尿
Christianの1例
路 感 染 症4例,お
で は,骨
よ びWebe「-
髄 障 害 を 認 め た が こ の1例
は
後 述 す る。
成 績 は 表2に
有 効,尿
し め す ご と く,胆
路 感 染 症 で は4例
し尿 路 感 染 症 無 効 の3例
中1例
道 感 染 症 で は4例
とも
に 有 効 で あ つ た。し
は い ず れ も 感 受 性 検 査 でCPに
か
CHEMOTHERAPY
VOL.14NO・5
図9肝
家 族 歴,既
工 マ ル ジョンによる抗 菌 力の変化
Chloramphenlcel
%1
00
401
乃仰 ゐ8碗∂∼
30'1。2●
一一-一一一
一
】。翫30'1δ
一一一一..e-_一_2。腰
突 然40℃
predoninで
下 熱,そ
AU
2り
例9の
塩
繕
図10症
,64'65
床
と 診 断,昭
過
再 発,
和39年7月
再 発,10
.月本 科
後 の 経 過 は 図10の
ご と くで
あ る。
庶
渥
4
嘲
脚
響
0 手
=コPredonlseien8Rindeien
個
ρ
月 持 続,
再 び高 熱
大 学 病 院 皮 麿 科 で 生 検,Weber-
に 入 院,以
齢。
倣%%%%%%%ll2・(or%%罫%e/x%
蚤
和37年5月
の 後 も 発 熱 とErythemaの
寛 解 を く りか え し,某
Christian病
病歴は昭
の 高 熱 が あ り,約1ヵ
部 に 紅 斑 と硬 結 を 生 じ た。昭
為U
Ω9
80
60
往 歴 に 特 記 す べ き こ と は な い。現
和36年9月
40∼41℃
の 弛 張 熱,硬
られ な か つ たo皮
icu1itisが
箋
結,紅
斑 はみ
膚 科 の 生 検 で はpann-・
み られ,Weber-Christianと
診 断。
▽%
吻
吻
ワ
嘉
感 染 源 は 頻 回 の 検 査 に 拘 ら ず 陰 性,
ASLO陰
性,CRPは(什)∼(帯),血
沈
蝋声 駕10000500100
中 等 度 促 進。
800040080
600030060
発 熱 に 対 し てsteroidhormon単
4(}00∼0040
2eOO100∼O
Wa目b⑥
一
る い は,他
一 一。Hb
x-一
熱 せ ずCPあ
一 一xRoナ θ
ムーWeisse
耐性 の症例 で あつ た。し
hormonの
め し た。CPお
か し胆 道 感 染 症 の1例 で はCP
に感受 性が なか つ た が,投 与 して有 効 で あ つ た。こ の こ
とは前 述せ る ご と く 本 剤 が91ucuronideさ
く,活 性型 として,尿,胆
され るこ とか ら,CPに
汁 中,CPよ
れ る こ とな
よ びTPが
有 効 で あ つ た 理 由 は 不 明 で一
発 熱 に 対 し て,CP,TPの
O.59で
り高 濃 度 に 濯 排
感 受 性 の ない 症 例 に も有 効 で あ
効 果 を み て み る と,初
は 抑 制 で ぎ ず,そ
て は 抑 制 で き ず,TPに
の 後CP19の
変 更,下
めCP・
再 投 与 に よ つt
熱。
現 在TPO.759とDexamethasone(Decadoron)O.5・
mgの
症例9.Weber-Christian病24y♀
表2臨
名 性別 年令
る い はTPとsteroidl
併 用 に よつ て 確 実 な 下 熱 を し
あ る。
ることか ら考 え られ る。
No.氏
独あ
種 抗 生 剤 との 併 用 で は 全 く下
診
断
使
用
量1
併 用 を つ づ け て い る。
床
成
起炎菌
効剰
石.ω 露
1H.N.♀35胆
嚢
炎
2K.T.δ60膀
胱
炎2.Ox7T=149Paracolon(一)
1:8M}一
・59
績
(十)
cleaca
副作用
(一)
備
考
cloaca:SM(掛)CP(什)
TC(一)EM(一)
Sulf(帯)KM(帯)
OL(帯)
←)麟 桝
瀦:
一一
3
N.M.
♀
42
膀 胱 炎
1:8珊
一・59
且 ωz盛
一)S
(一)
SMπ
SM(+),E
ア7EM(一),CM(=X
TC(一),(
ulf(一),
co1(帯),
KM(帯)
一}一
4A.J.♀36腎
孟腎炎
5K・N・
♀3・
腰
61T・H・
♀47
胆
嚢
炎2.0×13=269
炎12・
♀12・
←){撫 澗←)課
一 ・5glKlebsie〃a(一)
炎 ト5×9-・a59{號
71H・M・1δ451腰
8iA・Y・
1:8珊
鶴1(+)
cloaca
(→ICM(什)
(+月(+)羅ICM㈱
・×・3・=2691Klebsiella(+)1(+)・flC・(一)
腎 孟 腎 炎2.0×8・=169
lE・c・li
(+)
(一)ICM(帯)
Weber-
現 在 迄1529
9K.N.♀24Christian
病
■一
鷹
藁卜+雌*後
述
CHEMOTHERAPY
402
血 液 所 見 に お よ ぼ す 影 響 は,Hb,赤
球 数 はCP使
用 後,徐
粒 球 系,と
本 例 は 他 種 抗 生 剤 お よび 薬 剤 で は 下 熱 せ ず,CPお
びTPを
与 に て も 出現 し,低 色 素 貧
血 の傾 向 が み ら れ た。骨 髄 像 もCP投
与期 に は赤 血 球
もに 成 熟 障 害 像 が み られ,さ
『、1966
るo
血 球 お よ び 白血
々に 減 少 し,正 色 素 性 の 貧血 とな
り,こ れ らの 傾 向 はTP投
系,穎
SE1謬
よ
や む な く長 期 投 与 し・骨 髄 障 害 を 認 φた例 で
あ る。
CPに
らにTP
よ る 骨髄 障 害 の 例 は 本 邦 で 意 外 に 少 く10例
が
投 与 期 に は 上 記 成 熟 障害 の み な らず,赤 血 球 系,穎 粒 系
報 告 され て い るが,米 国 に お け るが ご と く,再 生不 良性
のHypoPlasieも
貧血 に 到 つ た 例 は な い。こ れ は 主 と して 投 与 量 の少 いこ
認 め られ た。血 清 鉄 もTP投
与中に
尋
ま増 加 を認 め たo
とに.なる と考 え られ て い る。
これ らの 変 化 は 投 与 を 中 止 す る と恢 復 の 傾 向が み られ
TPで
表3Weber-Christian病
24才
細
血
例
胞
核
球
赤
赤
用
1:l
、1:II、6.。
。.41
1.6(0.1∼5.1)
0.1(0∼0.4)
1.0(0.3∼4.4)
11・5(4・0∼24.0)
11.2
12.8ノ
2.6(0.1∼5.3)
0
0
o
0.4
0.4
0.4(0∼1.3)
0.4
0。8
L8(0。2∼2.9)
2.4
1.2
3.8(1.5∼8.4)
4.4
0.8
4。0
1.6
30。4
>5.1(1、0∼9.7)
4
8
2
liiト
4.8
ー
ー
(
球
12.0
15.6
7.8(3鳥6∼14.6)
16.6(10.6∼24.6)
20.2(8.5∼33.2)
0
含
0.4(0.1∼0.8)
0
0
)
球
球
球
■瓢
¥!
猛
\ ■瓢
\ ■鑑
㍉
球
4。8
0
)
(
球
核
)
as
球
0」(0.14)
21:l/3a2
4,415.6
0
4
(
球
髄
節溜
喰
α41
6
ー
ー
(
)
球
r
(
髄
核
リソパ球 細網 細 胞
1:l/4。
10.8
4.8
0.6(0.3∼0.9)
03.2
1。2
1.6
1.2
0.4
0.3(0.1∼0.8)
1.6
2.4
0.4
2.5(α3∼&0)
◎
0
0
0.8
0.4
0.4
0
0.8
0,4(0.1∼1.1)
3.1(0.7∼6.0)
2.0
1.610
.4
リ ン パ 球
大
0
0
)
球
核
骨
剛鴫 野 識 凱 論
(
球
髄
髄
球(m。n。)
ラ ス マ
髄
節骨
他
核
分
の
プ
骨
塩
好 核
単
そ
1.2
髄
E
!曳
系
0
童ib8
D
欝
好
球
働骨
球 前 骨 後 桿 分 前 骨 後桿 分儒 像
球
球
基
の
裂
ア
N
!k
の
謡
好
粒
6∼26(15.6)
4.5×104
0
像(Mitas)
芽
髄
骨
穎
裂
正 常 値(小 宮)
40
111}&8
一{1
分
・ …9【
1.2(0.5∼2.3)
正赤一 呵1
-一
・8・8}4・
12
球(ProE)
大赤一 一 灘i警
核
像
1◎%
球
系
髄
12.5×1042.5×104
球
血
芽
140.4.274・
数 数数
有 巨細
核
赤
骨
に 使 用 し1∼29,7∼30日
9Weber-Christian病
CM.Thiophenicol使
原
の
はOSCAは54例
1:部
(十)
(裸 核etc)
i距
そ の 他
1:笥
、3.6
0L8(0.2∼1.7)
16。8(5.0∼32・6)
1:l/
(十)
0.1(0∼Oe3)
403
CHEMOTHERAPY
VOL。14Nσ5
収,排 泄 は 血 中 濃 度 はTPはCPよ
りや や 高
球減少 がみ られ て い るが,毒 性は 比 較 的 低 い と し て い
く,と くに 尿 中,胆 汁 中 へ の 移 行 はCPに
比 して す ぐ
る。
れ て い た。
間投与 し,20%の
TPもCPと
症 例 に15∼20%のHbお
同様,長 期 投 与 す れ ば,CPに
よび 赤 血
劣 らな い
璋害 がみ られ,今 後 使 用 に際 して注 意 しな け れ ば な らな
1)抗
4)8例
5)副
括
菌 力 は,,E・eoli,Klebsiella,Cloacaの
陰性 桿菌 に対 しては,TPはCPに
StaPh.aur.に
CP耐
3)TPは
肝 に おい て 不 活 化 され な い。
の 胆 道,尿 路 感 染症 に使 用 し,5例
に有効で
あ つ た。
いo
総
2)吸
グラム
比 して劣 る。
対 して も若 干劣 る傾 向が み られ た。
性 菌 は,TPに
対 して 耐性 で あつ た。
作 用 は,9例
中2例 に か るい 胃腸 障 害 が 認 め ら
れ た。
Weber-Christianの1例
障 害 が み られ,CPと
意 が 必 要 で あ る。
に長 期 投 与 を お こ な い 骨 髄=
同様 長 期 投 与 に 際 して は充 分 の注