VOL. 20 NO. 1 CHEMOTHERAPY 255

VOL. 20 NO. 1
CHEMOTHERAPY
Vistamycinの
255
耳 中毒 性 に 関す る基 礎 的 研 究
原 田好 雄
九州大学医学部耳鼻咽喉科 学教室
基 底 回 転 お よ び 第 皿 回転 の 内 外有 毛 細 胞 核 を 観 察 した 。
は
じ
1944年WAKSMANに
め
に
実
よ る ス トレ プ トマ イシ ン, 1955
年 梅 沢 に よる カ ナ マ イ シ ソな どの ア ミ ノ配 糖 体 系 抗 生 物
実 験 群(VSM)お
験
結
果
よび 対 照 群(KM)各10匹
の結果
質 の発 見 が,結 核 の 治 療 に 貢 献 した と こ ろは 極 め て大 き
を 表1に 示 す 。 両 群 と もに 薬物 投 与 期 間 中 の 斃 死 は な く
く,こ の 点 につ いて は わ れ わ れ 耳 科 医 に とつ て も認 め る
体 重 もほ ぼ 良 好 に増 加 を 示 して い る。 聴 覚 に か ん す る調
に や ぶ さか では な い。 しか し,い つ ぼ うでは これ ら の薬
査 で はVSM群
物 の た めに 聴 覚 の 異 常 を きた した 症 例 が 必 らず し も少 な
くな い こ と も衆 知 の 事 実 で あ る。
ス トレ プ トマ イ シ ン(以 下,SMと
シ ン(以 下,KMと
略)に
略)お よび カ ナ マ イ
よ る 耳 中 毒 症 の 発 症,病
態お
で は プ ライ エ ル反 射 は1 kHz,
もに28日
後 に お い て も良 好 に保 持 され て
いた 。CMの
測定 は10匹
にCM(皿)の
電 位 の低 下 を 見 た。Surface preparation法
中8匹 に 施 行 し,1匹(No.
に よ る組 織 学 的観 察 は10匹
よび 治 療 に つ い て は 多 くの 報 告 が あ る もの の この 問 題 の
解 決 に は前 途 に 未 だ 程 遠 い もの とい わ ざ るを 得 な い 。 こ
外 有 毛 細 胞 核 の形 態 は 正 常 と認 め られ た 。
の 少 な い 薬 物 の 開 発 が あ るの は い うまで もな い こ と で あ
る。 著 者 は 今 回 耳 中 毒 性 を 少 な くす る 目的 で 開 発 され た
同 じ ア ミノ配 糖 体 系 抗 生 物 質 ビス タ マ イ シ ソ(以 下,
VSMと
略)を 実 験 的 に 使 用 し,そ
の耳中毒性につい て
い つ ぼ う,対照 のKM群
14)の4匹
実 験 動 物 に は300∼3509の
が1kHz,2kHzお
エ ル反 射 の 消 失 を 見,23日
よび4kHzの
よび4kHzと
目に1匹(No.12)の4kHz
CMの
測 定 は10匹
目に1匹(No」9)の1
中7匹 に 施 行 した が この うち プ ラ イ
ツ トを 使 用 し,ゲ ー ジお よび 餌 料(日 本 ク レア製CR-1)
に 充分 慣 れ た上 で実 験 に供 した。
18)プ
, No.12,
preparation法
波 数 の プ ライ エ ル耳 介 反 射 に よる聴 力 測定 を 行 な い 反 射
所 見 も プラ イ エ ル 反 射 お よびCMに
良 好 の もの のみ を 対 象 と した 。 薬 物 の 投 与 はVSM
較 的 よ く一 致 して い る。VSM群
mg/kg(初
400
期 体 重 に よ り)を 連 日交 互 に左 右 大腿 筋 内 に
注 射 し1週 ご とに か な らず,お
よび そ の 間 随 時 に プ ライ
ェ ル反 射 に よ る聴 力 測 定 を 行 な い つっ,28日
行 なつ た。 同時 に1週
典 型 的 な1例 ず つ のCMお
の核欠損の
よ る異 常 所 見 と比
お よびKM群
のなか の
よび 組 織 学 的 所 見 を 図1∼
4に 示 す 。
考
ご とに体 重 の 測定 も施 行 した。
SMお
全 く同 様 の 方 法 に て投 与 した。
な お実 験 群 お よ び対 照 群 は各10匹
No,
所見
間の投与を
対 照 と して は 全 く同 じ条件 の 同数 の 動 物 に 対 してKM
400mg/kgを
No.16,
ライ エ ル 反 射 の異 常 に ほ ぼ 一 致 したCMの
と考 え られ る。 ま たsurface
よび4kHzの3周
kHz,
投 与 後 に も反 射 は 良 好 で あ つ た 。
エ ル 反 射 異 常 例 は4匹 で(No.11
薬 物 投 与 前 に1kHz,22kHzお
もにプライ
反 射 が 消 失 した が3匹(No.15,
No.17, No.20)は28日
中耳炎の ない 白色モル モ
16),
13 , No.
の み の プ ラ イエ ル 反 射 が 消 失 した 。 さ ら にそ の 後 は25
2kHzお
実 験 動 物 お よび 実験 方 法
目に1匹(No.
よび22日 目に2匹(No.
日 目に1匹(No.18),29日
検 討 す る機 会 を 得 た の で そ の 結 果 を こ こに 報 告 す る。
含めて 全例 とも 内
は18日
19日 に1匹(No.11)お
5)
全 例 に 施 行 した が,CM測
定 に て異 常 を認 め た1匹(No.5)を
の 問 題 の解 決 の1つ の方 法 とし て 耳 中 毒 性(ototoxicity)
2 kHzお
よ び4kHzと
よびKMに
接
よる耳 中毒 の 発 生 頻 度 は 報 告 に よ
り差 を 認 め るが,お お む ね15∼30%に
と し投 与 終 了後 は
な ん らか の 症 状 が
見 られ る とす る も のが 多 い。 もち ろ ん この 報 告 の 多 くは
蝸 牛 基 底 回 転 お よ び 第3回 転 のCM
(cochiear microph-
抗 結 核 の 目的 で週2回2∼4gを
onics,以 下,基 底 回 転-CM(I)第3回
転 ―CM(III)と
あ り,確 実 な報 告 は な い が一般 感 染 症 に対 して 連 日使 用
略)
使用 した場 合 の こ とで
を1側 耳 に て 測 定 し 次 い で 断 頭 後 蝸 牛 を 摘 出,surface
した 場 合 に は さ ら に高 い 出現 率 を 示 す で あ ろ うこ とは 想
preparation法 に て コル チ氏 器 を 取 り出 し,Osmium酸
像 に難 くな い し,ま たそ の 中毒 症 状 も と くにKMに
た はOsmium酸
一 ヘ マ トキ シ リン にて 染 色 後,主
ま
と して
り強 い こ と は充 分 予 想 さ れ る1)。
よ
256
CHEMOTHERAPY
表1
実
験
成
JAN. 1972
績
VOL 20 NO. 1
図1
CHEMOTHERAPY
KM投
図3
与 動 物 の 蝸 牛 第1回 転
KM投
図2
与 動 物 のCM
著 者 ら耳 科 的 な立 場 か ら述 べ れ ば,結 核 に 対 して は
SM,KMは
257
そ れ に とつ て 代 る 薬 物 が ま だ 少 な い 現在,
VSM投
図4
与 動 物 の 蝸 牛 第1回 転
VSM投
与動 物 のCM
と ころ きわ め て 悲 観 的 で あ る といわ ざ る を得 な い こ と も
衆 口の 一 致 す る と こ ろで あ ろ う。 また 減 量 の 問題 に つ い
充 分 な 監視 を 行 ない 得 る も の で あれ ば あ る程 度 の 捷 用 は
て もKMの
や む を 得 な い と して も,一 般 感 染 症 に対 しては 少 な く と
の 減 少 に 結 び つ くもの で は ない こ とを 示 唆す る報 告3)も
も推 奨 し得 る薬 物 で は ない 。 と くに こ の こ と は 臨 床統 計
あ り,ま だ 未 解 決 と いわ ざ る を得 な い。
か らはKMに
よ り強 くい え る2)。 この こ とは 動物 実験
に お い て も同 様 の傾 向 を示 す も の で あ る1)。
しか しこれ らSM,KMが
一般感染症に多用 される こ
と はそ の抗 菌 ス ペ ク トル の広 さ に あ る も の で あ ろ う。
ア ミノ配 糖 体 系 抗 生 物 質 に よる中 毒 の予 防 に は現 在 の
VSMの
場 合1日 の 使 用 量 の そ れ が 必 らず し も中毒
開 発 は 動 物 実 験 の上 か ら は 明 らか に(3)の 目的
に 適 つ た 薬 物 であ る と の 結果 を 得 た。 対 照 群(KM400
mg/kg)は
正0匹中7匹
に 中毒 症 状 の発 生 を 明 らか に 認 め
た(表1参
照)の に 対 して,実 験 群(VSM
はCMに
お い て わ ず か に1匹
400mg/kg)で
の異 常 を 疑 わ せ る 例 が 出
と こ ろ,(1)薬 物 の 使用 の停 止,(2)予 防 な い しは治 療 薬 の
た に過 ぎず,し か も この 場 合 も プ ラ イ エ ル耳 介反 射 お よ
開発,(3)中 毒 性 の な い薬 物 の 開発 が,や や 消極 的 な方 法
びsurface preparation法 で は 異 常 を認 め られ ず,な
と して(4)対象疾 患 の早 期 発 見,早 期 治 療 に よる薬 物 総 使
い と して 残 され て い るに 過 ぎ な い。 しか しこ の異 常 は 後
用 量 の減 量,に
に述 べ る よ うな 他 の 問 題 と合 わ せ て なお 未解 決 の事 項 と
しか 方 法 は な い とい え る。 この うち(1)お
よ び(2)の方 法 の採 用 の可 能 性 につ い て は 臨床 的 に は 今 の
して 残 して お く こ とが 妥 当 で あ ろ う。
お疑
258
CHEMOTHERAPY
VSMの
問題 と して 残 され て い る点 の第1は
こ の薬 物
が す で に抗 酸 性 菌 に 対 す る 抗 菌 力 を 失 つ て い る点 で あ
る。SM,KMに
JAN. 1972
の で あ り,耳 中 毒 性 の 観 点 か らは 早 晩SM,KMに
よ る 中毒 性 難 聴 の 患 者 を 統 計 的 に調 査
結
す る と,抗 結 核 使 用 対 抗 一般 感 染 症 使 用 の患 者 比 は ほ ぼ
5:1で
あ り,数 の 上 か らは 圧 倒 的 に 抗 結 核 使 用 の場 合 に
多 い2)。 この 点 か らい えば,た
とえ 臨 床 的 にVSMが
耳
中毒 性 を 示 さな い と して も,ま だ 数 の上 か らは6分 の1
第2の 点 は 抗 菌 力 に つ い て の 問題 と使 用 量 との 関 係 で
あ る。 動 物 実 験 の場 合 モ ル モ ッ トで は た とえKMで
あ
つ て も本 実 験 の半 量(200mg/kg)の28日
程度の 投与で
ア ミノ配 糖 体 系 抗 生 物 質Vistamycinに
(1) 400mg/kg連
りや や 弱 い の で は な い か とい うこ と
臨 床 的 に はKMの
よる耳 中毒 性
の よ うな結 論 を得 た。
日28日 間 の投 与 で は モ ル モ ッ トの聴
ラ イ エ ル 反 射,CMの
測定 お よび
surface preparationを 指 標 と した 場 合 ほ とん ど認 む べ き
毒 性 を示 さ な い。
(2) 同 様 のKMに
よる 実験 で は70%に
明 らか に 耳 中
毒 性 を示 す所 見 を 得 た。
は 耳 中 毒 の症 状 は ほ とん ど出現 しな い。 一 般 的 にVSM
が 述 べ られ て お り,も しVSMが
語
の 基 礎 的 実 験 を 行 な い,次
器 に 対 し て は,プ
の 解 決 を 見 た に 過 ぎ な い。
の 抗 菌 力 はKMよ
とつ
て 代 るべ き薬 物 で あ ろ う と考 え る。
倍
量 を 常 に必 要 とす る もの で あ れ ぽ さ らに800mg/kgも
し くはそ れ 以上 の投 与 を 行 な つ た 基 礎 実 験 を 行 な う必 要
(3) VSMは
使用 量 と抗 菌 力,そ の 他 若 干 の 問 題 点 は
残 る と して も コル チ 氏 器 に 対 す る毒 性 は 極 め て少 ない 。
稿 を 終 るに 臨 み,CM測
定 に御協 力いただいは韓国留
学 生 金 永 明博 士 に 心 か ら御 礼 申 上 げ ます 。
が あ ろ う。
第3の
問 題点 は1例 に 見 られ た(No.5)CM
電 位 の低 下 で あ る。 一 般 にSM,KMに
引
(III) の
よ る耳 中毒 は高
1)
か らCM(III)の
3)
STUPP, H. et al.: Kanamycin dosage and levels in
ear and other organs. Arch. Otolaryng. 86; 515521, 1967.
4)
立 木
5)
就 い て.日
耳 鼻 58 ; 1222-1236.
1955.
志 井 田 守 他:ス
トレ プ トマ イ シ ン に よ る 聴 力 障 害
うに み え るが,臨 床 的 に は む しろ低 音 の障 害 が 先 行 した
難 聴 の 報 告 も存 在 す る紛 こ とか ら,こ の よ うな 所 見 を 完
全 に 否 定 し去 る こ とは で き な い の で あ る。
第4の 問 題 点 は 本 薬 物 の聴 覚 中 枢 路 に 対 す る作 用 で あ
る。 先 に も一 部 述 べ た よ うにSM,KMに
よ る難 聴 は 感
6)
あ る とす る説 が強 い11)12)13)14)15)。
しか し一 部,特
のSMの
8)
み を 検 討 した もの で あ り中 枢 系 に つ い て は 論 外 で あ る こ
9)
喉
立 木 孝 他:カ
ナ マ イ シ ンに よ る聴 覚 障 害 の臨 床 的
耳 鼻71
小 出 靖 他:カ
; 261-272,
1953.
1968.
ナ マ イ シ ン 感 受 性 の 諸 問 題.耳
; 95-109,
半 藤 怜 子:コ
25 ; 837-842,
10)
ル チ 氏 器 の カ ナ マ イ シ ンに 対 す る受
柿 崎 一 郎:Kanamycinの
川 口 き ぬ:ス
鼻 臨
1967.
に 関 す る 実 験 的 研 究.日
; 428-435,
蝸牛組 織 に 及 ぼす影響
耳 鼻71
; 68-83,
1968.
ト レ プ トマ イ シ ン に よ る 聴 器 障 害 に
つ い て の 臨 床 的 研 究.耳
とか ら,こ の点 に つ い て もな お 若 干 検 討 の余 地 は 残 され
鼻 臨 床49
; 553-603,
1956.
て い る。
11)
しか し感 音 系 の 最 も末 稍 で あ る蝸 牛 有 毛 細 胞 に対 して
VSMは
トレ プ トマ イ シ ンに 因 る聴 器 障 害 に
傷 性 に 関 す る 研 究 。 耳 鼻 臨 床57
1964.
あ る16)。本論 文 の 実験 は 感 音 系 末 梢(蝸 牛)の 中 毒 性 の
ージオロジ
に つ い て.耳
床60
に初 期
中 毒 性 に 関 す る報 告 に は 中枢 を重 視 す る報 告 も
考:ス
研 究.日
7)
音 性 末 梢 性 蝸 牛 挫 の病 変 が主 で あ り,た とえ 中 枢 性 に 異
常 を 見 出 した 場 合 に もそ の 多 くは蝸 牛 に 続 発 した 病 変 で
ハ ク酸 々化 系 よ りみ られ た ス トレ プ
原 田 好 雄:中 毒 難 聴 の 統 計 的 観 察.オ
ー 13 ; 241-242 , 1970.
み に 異 常 を 見 出 し,し か もCM(1)が
正 常 に 保 た れ て い た とい う所 見 は一 見信 憑性 に 乏 しい よ
献
2)
牛 下 方 回 転 の 病 変 が 先 行 し7)8)9),しか も そ の程 度 も上 方
回 転 に比 しは るか に 高 度 で あ る と され て い る。 この こ と
文
トマ イ シ ン の 内 耳 侵襲 機 序 の 相 異.耳 鼻 臨 床 56;
460-465,
1963.
音 部 が先 行 し次 い で 次 第 に 低 音 部 に 及 ぶ こ とが 臨床 的 に
知 られ て い る し4)5)の,また 実 験 的 に も高 音 に反 応 す る蝸
小 田雅 養:コ
用
明 らか にKMに
比 して は るか に 弱 い毒 性 しか
な い こ とは 明 らか で あ り,と くに400mg/kg程
度 の投
与 で は モ ル モ ッ トに 対 して は ほ と ん ど認 め るべ き耳 中
毒性 を示 さ な い。 この 点 は な お 前 記 の よ うな 問 題 点 を 残
す と して も補 つ て余 りあ る もの で あ ろ う。 この こ とか ら
一般 感 染 症 に対 して は 治療 薬 と して は きわ め て 優 れ た も
BECK, C. et al.: Experimentelle und feingewebliche Untersuchung iiber die Ototoxitat von Kanamycin. Arch. Ohren u. s. w. Heilk. 179; 579610, 1962,
12) NAKAMURA,F. : Electrophysiological and cytochemical study on ototoxicity of dihydrostreptomycin. Ann. Otolaryng. 66; 1080-1112,
1957
13) FLOBERG,L.E. el al.: Otological aspect of streptomycin therapy. Acta. Otolaryng., suppl., 75; 5-
VOL. 20 NO. 1
CHEMOTHERAPY
259
H,1947
14)
兵
行,典:聴
覚 中枢 路 呼 吸 系 に 対 す
streptomycinの
480-505,
15)
久水
障 碍 に 関 す る 研 究.日
響 に つ い て の 実 験 的 概 究 。耳 鼻 臨 床48
1955.
るDihydro耳 鼻62;
16)
1959
元:ス
ト レ プ トマ イ シ ン の 聴 器 に 及 ぼ す 影
OTOTOXICITY
OF
VISTAMYCIN
IN
THE
;573-599,
GLORING,A. et at.: The effect of dihydrostreptomycin hydrochloride and sulfate on the auditory
mechanism. Ann. Otolaryng. 60; 327-335, 1951.
COCHLEA
OF
GUINEA
PIGS
YOSHIO HARADA
Department
of Otorhinolaryngology,
Faculty
of Medicine,
Kyushu
University,
Fukuoka, Japan
The author examined the ototoxicity of Vistamycin, a new antibiotic, in the cochlea of guinea pigs,
and concluded that the ototoxicity of this agent is scarcely or not existent.
After the consecutive intramuscular administration of 4 weeks at the dose of 400 mg/kg, no evidence of
ototoxicity was proved in the cochlea of guinea pigs by the audiological, electrophysiological and histological examinations.
On the contrary, in the cases of kanamycin administration, 70 per cent of animals showed distinctly
the ototoxicity on all the audiological (disappearance of PREYER'sreflex),electrophysiological (decrease
of cochlear microphonics) and histological (defects of nucleus in outer hair cells) examinations.