安定で取り扱いの容易な 求核的フッ素化剤 (FLUOLEADTM)

安定で取り扱いの容易な
求核的フッ素化剤
(FLUOLEAD TM)
特 長
CH3
CH3
・優れた熱安定性
・取扱いが容易な結晶性化合物
・アルコールなど,幅広い基質をフッ素化
CH3
C
SF3
CH3
4-tert- ブチル -2,6- ジメチルフェニルサルファ
ートリフルオリド (FLUOLEAD™)(B3664)は,
梅本らによって開発された新規な求核的フッ素
化 剤です 1)。高 い 熱 安 定 性を有する結 晶で,
DAST などの既存の求核的フッ素化剤よりも安
定で,取り扱いが容易です。種々の基質をフッ
素化することが可能で,良好な収率で対応す
るフッ素化合物を与えます 1)。
[B3664]
CH3
用 途
求核的なフッ素化剤
R-OH
R-F
R-CHO
R-CF2H
R-COOH
R-CF3
R1-C(=S)-R2
R1-CF2-R2
反応例 1
p- ブロモベンジルアルコールのフッ素化反応 1)
OH
Br
B3664 (1.5 eq.)
CH2CI2, 0 ºC, 0.5 h
→ rt, 3 h
F
Br
Y. 80 %
安定で取り扱いの容易な求核的フッ素化剤 (FLUOLEADTM)
反応例 2
アルデヒド類のフッ素化反応 1)
B3664 (1.9 eq.)
C5H11
EtOH (0.4 eq.)
CHO
CH2CI2, rt, 20 h
C5H11
CF2H
Y. 91 %
反応例 3
カルボキシル基からトリフルオロメチル基への直接変換反応 1)
C7H15
COOH
B3664 (3 eq.)
neat, 100 ºC, 5 h
C7H15
CF3
Y. 88 %
使 用 例
p- ブロモベンジルアルコールのフッ素化 1)
テフロン製反応容器に,B3664 (7.51 g, 30 mmol) のジクロロメタン (20 mL) 溶液を入れ,氷浴にて
冷却し,p- ブロモベンジルアルコール (3.74 g, 20 mmol) のジクロロメタン (15 mL) 溶液をゆっくり加
える。0.5 時間撹拌後,氷浴を外し,室温にて 3 時間撹拌する。冷却した 5 % 水酸化ナトリウム水溶液
100 mL に反応混合物を加え,室温にて 1 時間撹拌する ( 副生したスルフィニルフルオリドはこのアルカ
リ処理により,ほぼ除去が可能 )。ジクロロメタンにより抽出し,水洗後,溶媒を留去し,目的物の粗製
を得る。この粗製をカラムクロマトグラフィーで分離精製し,p- ブロモベンジルフルオリド (3.0 g, 80
%) を得る。
※溶媒は乾燥したものを使用し,反応は乾燥雰囲気下で行う。
B3664 4-tert-Butyl-2,6-dimethylphenylsulfur Trifluoride
5g 22,500円
1) T. Umemoto, R. P. Singh, Y. Xu, N. Saito, J. Am. Chem. Soc. 2010, 132, 18199.
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