第六回 正解例

基礎材料化学演習(竹中担当分)第6回 正解例 材料化学演習TP1(竹中担当分)第6回 正解例 問1 各反応とも、第1段階では二重結合のπ電子が塩化水素のプロトンを攻撃してカ
ルボカチオンと塩化物アニオンが生成し、第2段階ではカルボカチオンを塩化物アニ
オンが攻撃して付加反応が完了する。 2)、3)の化合物では、生成するカルボカ
チオンは、いずれも安定な方であることに注意せよ。 1) 2) 3) 問2
安定性はカチオンの級数に依存するので順番は以下のとおり。 (三級) H
H
H
H
C
H
C
H
C
H
(二級) C
H
H
>
H
(一級) H
H
C
H
C
H
C
H
C
H
H
>
C
H
H
H
C
H
(一級)
C
H
H
H
C H
H
H
H
C
H
C
H
C
C
H
H
H
H
H
H
問3(教科書の該当ページを参照) 3-メチルシクロヘキセンの場合 CH3
CH3
H2O メチレンシクロヘキサンの場合 OH
OH Markovnikov則にしたがった3級アルコール
のみが生成する。 OH
CH3
CH3
OH
OH
二重結合のどちらの炭素にヒドロキシ基が結合する
か、そのヒドロキシ基がメチル基に対してシス側なの
かトランス側なのか、により4種類の可能性がある。 Br2 CH3
Br
CH3
Br
Br
Br
Br
アルケンに対するアンチ付加が起こる。ただし、面の
上下に区別があるので二種類の化合物が生成する。 HBr CH3
Br
アルケンに対するアンチ付加が起こるが、
この化合物には面の上下の区別がないので
一種類のみ生成する。 CH3
Br
Br
Br
CH3
CH3
Br
Br
H2O付加の場合と同じ理由で4種類の化合物が生成する。 問4
1 ) 2) 付加反応
Cl
+ HCl
CH3
3)
H
Cl
CH3
+
アルケンのπ電子がプロトンを
Cl
攻撃し、カルボカチオンになると
同時に塩化物アニオンが生成す
CH3
+
る。
Cl
Cl
CH3
塩化物アニオンがカルボカチオ
ンに求核攻撃し付加が完了する。
4)最初にプロトンが付加するときに、1位の炭素に付加すれば3級カチオンが、2
位の炭素に付加すれば1級カチオンになる。3級カチオンのほうが1級カチオン
より安定なので生成しやすく、このカチオンに塩素アニオンが付加した2−クロロ
-2-メチルプロパンのみが生成することになる。即ち、カルボカチオンの安定性が
配向を決めている。 問5
H
1-ブテンのπ電子がプロトンを攻撃し、
H
安定な方のカルボカチオンが生成する。
H
O
カルボカチオンに水の酸素の非共有電
H
子対が攻撃し、プロトン化されたアル
O
H
H
H
H
O
H
H
H
O
コールが生成する。
電気的に陰性な原子である酸素上にカ
チオンがあるのは好ましくないので、
+ H
H
これを解消するために酸素-水素間の結
合が不均一開裂してプロトンが脱離し、
アルコールが生成すると共にプロトン
が再生される。